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BWD:龍の移住相談なる会-1-
「申し訳ございません、当店ではドラゴンの方向けの物件はちょっと……」
店の前で目一杯あたまを下げて謝る女性店員に礼を告げて彼は宙を舞った。
「仕方ないよね、ここは人間が主流の世界なんだから」
澄み渡る冬の空に同化する蒼穹の身体を使い、龍は休憩するに充分なスペースを求めて飛んだ。この世界には来たばかりだ。
「まあ、誰も彼も襲い掛かってこないのはありがたいかな」
空の中、彼は独りごちた。彼が生まれ育った世界ではドラゴンである、というだけの理由で事あるごとに命を狙われるゆえ、こうして現実世界への移住を決意したのであった。彼は無益な殺生は好まなかった。とどのつまり、彼に取っては生まれ故郷の方が住みにくい世界なのであった。
しばらくのち、大地に龍が作る巣によく似た形状、楕円形の平坦な土地に周囲を塀の様にかこった場所を見つけるとそこに身をゆだねた。
「それにしても、ぼくのうろことか牙とか……何につかうんだろう、ね」
【つづく、と見せかけて逆噴射小説大賞レギュなので実際400文字までである。続くかは不明】
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