思考:物語における感情の振り幅が面白さに繋がることを考える
物語は読み手の感情が揺さぶられるほど印象が強くなる。
しかしそれは読み手に多大なストレスを与えることでもある。
よう、兄弟。おれだ。
今日は物語が読み手にもたらす感情の振り幅について考えよう。
おまえは物語において何故不幸な、苦しい展開が組み込まれるか考えたことはあるか?
単に作者がゲイのサディストだからだろうか?
いいや、そうではない。
人間という生き物は感情の振り幅が大きくなるほど物語を面白いと感じる生き物なのだ。
だが、架空の出来事であっても人間は感情移入しやすいもの。
過酷な展開が続くのは今度はしんどくなりすぎて読み進めるのが辛くなってしまう。
最近、「とにかくトラブルや過酷な出来事が起こらないか、起こっても素早く処理される作品」が受けやすくなっているのはひとえに「日本人が精神的に疲れすぎていて、物語がもたらすストレスに耐えられなくなっている」と俺は考えている。
だから、「ベイヴ達がひたすらキャッキャウフフするだけの作品」とか「異世界に飛ばされてとにかくチヤホヤされる作品」が今人気なのは日本社会が疲弊しているがゆえの需要と俺は想定している。
それはそれでよい。需要があり、それに対する供給がなされるというのはだいじなことだ。
ただ、読み手にガツン、とインパクトを与えるなら感情の振り幅を大きくするのはだいじだ。
まずはその事を考えてみよう。
1:まずネガティブな衝撃を与えてからポジティブに反転させる逆ジェットコースター型
これは過酷な運命、不運な出来事、周囲からの抑圧などといった事象で読み手の感情を揺さぶり、下の方に落としていく。
そして、落とすだけ落としてから逆バンジーのように爽快な出来事でブレイクスルーし、ポジティブな感情へと反転させる。
このパターンの場合、ドン底からてっぺんへぶっ飛ぶギャップ、差違が読み手が受けるインパクトとなる。こだいより使われた物語の王道だ。
だが、この手法には一つ留意すべき点がある。
読み手の精神が疲弊していると物語が谷底に向かっている途中で堪えられなくなりギブアップしてしまうという点だ。
つまり、現代日本では楽しめる人間が少ない物語構造といえる。
2:とにかくテンションあげていくスペースシャトル型
こちらのタイプはネガティブな事象はほどほどに起こす程度にして、とにかくポジティブな事象を積み上げて読み手のテンションをぶちあげていくつくりだ。
全くの平坦だと面白味にかけるので、少し下がったらすぐに大きく盛り上げてストレスをすぐに発散させる。
そうして少し下げては大きくあげて、を繰り返しクライマックスで頂点に達する様に盛り上げていくパターンだ。
こちらは読み手に与えるストレスは控えめになる。
今の日本に向いている作品構造だと考えられる。
戦場へ
読み手の感情の揺さぶり方、というのは物語作りでとてもとても重要な要素だ。
おれも道なかばだが常によりよい手法を身に付けたいな。
今回はここまでだ。またな。
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