
Photo by
ku_min10
パルプスリンガー辛い鍋メント回・2・
「辛っ!メチャクチャ辛いよこれ!」
「中国現地の同じお店はもっと辛かったんだけどねー」
「マジ?」
「マジマジ」
黒尽くめのR・Vはレンゲで、つがれたスープの底を掬ってみせるとひとつまみほどの木の実の粒を指摘する。
「花椒が粒まるごと入ってるぞ……それもこんなに」
「通りでピリピリしびれる訳だね」
花椒とは、痺れる味覚を追加するスパイスのことである。
最初は普段感じない味覚に驚くが、慣れると入ってないと物足りなくなる魔性のスパイスだ。麻辣味には当然入っている。
辛い辛い言いつつもどんどん肉を放り込んでぱくついていく面々。酒も当然すぐに消費されていく。
「追加の酒頼もうかー」
「そうだな」
ハイ・テック注文システムタブレットの酒メニューを漁る。サワー、ハイボール、ビール――
「待て、CORONAあるじゃないか」
「あ、ホントだ」
「最初コレにすればよかったか、ミンナ飲むよな」
はーい、と手をあげる面々を受けてCORONAを頼む。全員分だ。
程なくして、ちゃんとライムのくし切りが瓶の口にねじ込まれたCORONAが運ばれてくる。日本ではCORONA自体、ある店が限られているのでパルプスリンガー達には嬉しいサービスである。
六本のCORONAの瓶を並べると、乾杯前に写真を撮り始める。M・Jが赤くてふわふわしたマスコットを瓶の前に置くと、それを見かけた年若い女の子の店員が思わず破顔して「カワイイー」とこぼした。
「気を取り直してカンパーイ!」
「カンパーイ!」
ライムを瓶に押し込んで香り付けすると、一気に黄金の液体をあおる。飲み慣れた、しかして飽きのこない軽い飲み口。
空想日常は自作品のワンカットを切り出して展示する試みです。
要するに自分が敬意を感じているダイハードテイルズ出版局による『スレイト・オブ・ニンジャ』へのリスペクト&オマージュになります。問題がない範疇だと考えていますが、万が一彼らに迷惑がかかったり、怒られたりしたら止めます。
現在は以下の作品を連載中!
弊アカウントゥーの投稿はほぼ毎日朝7時夕17時の二回更新!
ロボットが出てきて戦うとかニンジャとかを提供しているぞ!
いいなと思ったら応援しよう!
