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ku_min10
パルプスリンガー辛い鍋メント回・8・
「さて、次は俺か」
黒尽くめが一枚引いて周りのメンツにカードを見せる。
「あ、それは僕ですね」
そう言って本を取り出す橙衣の僧。
「僕は『ハーン・ザ・ラストハンター』とハサミ男を持ってきました!」
「お、我らが本チの翻訳小説だな。ハーンでまとまってる『妖怪ハンター・ハーン』はもう読んだんだが、こっちのアンソロジーはまだ未読だ」
『妖怪ハンター・ハーン』とはラフカディオ・ハーンを怪異ハンターとして描く、幕末期の妖怪・ハント・ノベルで、殺伐感溢れる容赦のない妖怪狩りとハーンの人情味のあるストーリーが魅力の一作である。
「こっちの『ハーン・ザ・ラストハンター』は表題作以外にもいろんな短編の集合作ですね!どれも面白かったです!」
「じゃあせっかくだし俺は『ハーン・ザ・ラストハンター』をもらおうかな。『ハサミ男』はどんな作品なんだ?」
「『ハサミ男』は、そのタイトルの通りハサミでターゲットを殺害する猟奇殺人鬼の話なんですけど、そのコピーキャットが現れてオリジナルの方が調査する……って話です」
「殺人鬼の側が探偵役のミステリーなのか、一風変わってるな」
「ええ、こちらも面白かったです」
「じゃあそっちは良かったら僕に」
「はい、どうぞM・J」
バシッとした黄表紙の本を黒尽くめが受け取り、ミステリーらしい不可解な表紙の本はゆるカジュアルが受け取った。
「ここまで出た中でも大分バリエーション豊かだな、正直全部読みたい」
「ギブミー時間、ノーモアワーク……」
空想日常は自作品のワンカットを切り出して展示する試みです。
要するに自分が敬意を感じているダイハードテイルズ出版局による『スレイト・オブ・ニンジャ』へのリスペクト&オマージュになります。問題がない範疇だと考えていますが、万が一彼らに迷惑がかかったり、怒られたりしたら止めます。
現在は以下の作品を連載中!
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ロボットが出てきて戦うとかニンジャとかを提供しているぞ!
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