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Photo by
minoruha
ステンドグラス見下ろす廃聖堂にて
黒曜石の巨塊が、身じろぐ。否、ステンドグラスを通した光を受け止めるその存在は艶めかしい黒鱗の竜だ。特注サイズのモノクルに知性を伴った竜は、器用に自身のサイズからしたら小粒にもほどがある本を爪先で開き一行一行丹念に読み取っていた。
ふと、竜が顔を上げるとその視線の先に逆光を受けつつもすたれた大聖堂内に歩み寄ってくる人影、その身は樹皮をなめしつないだ民族衣装に、黒橙の滑車弓を担いだ小柄な女性だ。彼女が会釈すれば金糸とも翠緑にも見える三つ編みが揺れ垂れ下がる。
「呼び出しに応じてくれた事、感謝するわ。冥竜さん」
「なに、竜という生き物は基本暇なのでね。それで私に何の御用かな、森のお嬢さん」
竜の穏やかな問いかけに、森の少女はその鼻先にまで歩み寄って問いかけた。
「何でもいいんです。知っていることがあれば教えてください。異なる世界へ渡る方法を」
空想日常は自作品のワンカットを切り出して展示する試みです。
要するに自分が敬意を感じているダイハードテイルズ出版局による『スレイト・オブ・ニンジャ』へのリスペクト&オマージュになります。問題がない範疇だと考えていますが、万が一彼らに迷惑がかかったり、怒られたりしたら止めます。
現在は以下の作品を連載中!
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主にロボットが出てきて戦うとかニンジャとかを提供しているぞ!
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