クリスマスナイト・ウィズ・マッスルジャッジメント #パルプアドベントカレンダー2019
「メェェェェエリィィィイクリスマァァァアスッ!!!」
ナムサン!クリスマスの暖かなイルミネーションに彩られる都市型創作売買商業施設『note』に場違いな狂人の叫びが響き渡る!
赤緑黄のクリスマスカラーリングな天井の高いメインストリートに現れたのはコミカルなケモノのキグルミにサンタ服をまとい、その手に拳銃を手にした年末ジャンボサンタ強盗団である!彼らは幸せな生活をつかむことが出来ない嫉妬心から幸福な時間をおくる人々を襲い収奪物を換金することに無上の喜びを覚える危険集団だ!
ホラー映画めいた鋭い牙を剥くクマサンタが恐怖に震えるサラリマンからプレゼントを強奪!
「アイエエエッ!ぼくの給料三ヶ月分の指輪が!」
「ヒャッハーッ!こいつは俺達のスト○ングゼロ代にしてやるぜ!」
正面から見ると怪奇生物にしか見えないイルカサンタが玩具店帰りの冴えない父親からプレゼントを強奪!
「アナヤッ!息子にせがまれたDX超合金アークデウスがっ!」
「ラッキー!こいつ欲しかったンダヨナ!」
もはや道化なのか恐怖の対象なのかわかったもんじゃないピエロサンタがプレゼントをもらった帰りのベイヴから強奪!
「ヤメテーッ!それもうメ○カリに登録したの!」
「売るんだったら俺達が売ってもかわんねーよなぁ!」
阿鼻叫喚のジゴクとなるメインストリート!
おお!ブッダよ!寝ておられるのですか!イナ!ブッダは今マブダチのイエスとクリスマス忘年会の真っ最中で三軒目に突入している!ブディズムでは飲酒はダメだがマブダチとの付き合いでは仕方がない!という訳でクリスマスにおいてはブッダは貧弱一般人を救っている暇はないのだ!
ではあの黒いサンタは!?彼は今自作品にてプロレス技の名称を間違えた誤謬の角で極寒カニ漁研修の真っ最中でありnoteには不在である!何故極寒カニ漁研修なのかは誰にもわからない!みんなも気を付けよう作中誤謬!
もはや悪漢どもの好き勝手がまかり通るしかないのか!その時であった!
「ドォリャーッ!」
「アバーッ!」
砲弾めいたドロップキックが炸裂!コアラ強盗サンタが吹き飛んで中央広場巨大クリスマスツリーに激突!クリスマスオーナメントとなる!
「だっ誰だ!」
「おれは通りすがりのプロレスラーだがおまえらは俺の目の前でウザい行いに走ったのでぶちのめす。慈悲はない」
戦慄する年末ジャンボサンタ強盗団の前に立ちはだかったのは、山脈の如く盛り上がる筋肉!はち切れる服装!そしてどういう仕様か瞬きするひとつ目アイコンの覆面!そして彼の背後から紺の軍服ドレスをまとったブロンドをショートカットにした小柄な少女も現れる!
「私はお付きのアンドロイドです、ドーモ」
覆面レスラーはコアラから奪い取ったサンタ帽を奥ゆかしく被ると強盗団に向き直りKO宣言!
「メリークリスマス、スカム共!おまえらにはこの俺じきじきに『死』をプレゼントしてやるぜ!」
突然の理不尽な暴威に当然サンタ強盗団も反抗!手にした拳銃を発砲する!
BAN!BAN!BAN!
「ムゥンッ!」
撃ち放たれた9mmパラベラムがことごとく筋肉に弾かれ跳弾!跳ね返った弾頭が強盗団を襲う!
「グワーッ!」
「イヤーッ!」
着弾に怯んだイルカサンタ強盗をつかみとると、ヒレ下に首を通してのからのバックドロップ!イルカの叩きとなったサンタ強盗をクリスマスツリーに投げつけてオーナメントとなす!
「ナッメンナオラーッ!」
「イヤーッ!」
「グワーッ!」
続いてナイフを逆手に襲いかかってきたベアキグルミをハリケーン三連チョップで粉砕!そこからのソバットで胴体を蹴り払いクリスマスツリーオーナメントと化す!
「くっ、来るんじゃねぇ!こいつがどうなっても知らないぞ……?」
「えい」
「ヒギイッ」
アンドロイドを人質に取ったピエロ強盗サンタだったが、スムーズに拘束から抜け出たアンドロイドは速やかに背後に回ってヘッドロックからの締め落とし!弛緩したピエロをツリーまで持っていくとしめやかにオーナメントとして吊り下げた!
「ライフ!イズ!エンターテイメント!」
天に指先掲げて決め台詞を発したプロレスラーに、窮地を救われた貧弱一般ピーポーの声援が飛ぶ!強盗団が全滅したのを確かめてから粛々とその場を離れる二人。
note内の裏路地に曲がって誰もついてきてないのを確かめるとレスラーはクソデカため息をつく。
「メデタイ一日だってのに興醒めだぜ、まったくよぅ」
「受かれているからこそ、強盗の成功確率は向上するとも言えます」
「おまえはおまえで相変わらず過ぎんぞ。まぁいっか。とっと帰ってクリボッチムーヴと決め込むかぁ」
「私がいますよ、マイマスター」
しれっと呟いた相方を見下ろすレスラー。ぱちくり覆面アイコンをまばたきさせてから、メインストリートへときびすを返す。
「そーだな、何か食ってから帰ろうぜ」
「私は回らないお寿司を所望します、マイマスター」
「バッ…!いくらすると思ってんだったく!ホントカネのかかるやつだぜ!」
「ダメですか?」
「いくよ行く!連れてってやるっつの!」
クリスマスに受かれるnoteの区画を大小凸凹コンビがフードエリアに向かって歩いていった。
―――――
―極寒の海上―
「ヘクシッ!うーむ……やっぱりこの時期の海上はさみーな……」
極上のカニが網にかかって引き上げられる様を見守りながら、黒衣の男は漁船に座り込んでチャをすすり、まかないの取れたてカニ脚を喰らっていた。
「しかし、何で小説でミスったらカニ漁研修なんだろうなぁ……」
【終わり】
今年の冬コミに参加します!
現在は以下の作品を連載中!
弊アカウントゥーの投稿はほぼ毎日朝7時夕17時の二回更新!
ロボットが出てきて戦うとかニンジャとかを提供しているぞ!