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月間パルプ・マガジン編集業務

「R・V、こいつはどうだ」
「重武装!ゴスロリ!大殺戮!合格!マガジン追加!」
「R・Vさん、こちらとこちらは如何でしょう」
「査読しまーっと片方は入ってました!もう片方はSF!独特の世界観!背徳!OK!マガジン追加!」
「ではこちらを追加で!」
「了解!暗殺者!殺した相手の幻影に付きまとわれてる!そして厄介な依頼!OK!追加しました!」
 月末迫る、ここは総合創作商業施設Note内の一角にある西部劇風のバー・メキシコ。
 バー内の一角では、真っ黒クロスケめいた黒コートの男が、テーブルの上に山と積まれた小冊子を一気に目を通して何がしかを判別している。周囲にはレモンイエローのジャケットにサングラスをかけた大柄な男性や、上等なスーツを隙なく着こなした壮年の男性が代わる代わる小冊子を黒ずくめに向かって提示していた。
「ハイッハイッハイッ!これとこれとこれも追加で!」
「アーッ!これは俺が三話の掲載に入ったら入れようと思ってて忘れてたの!M・Jサンキュー!」
 黒尽くめの対面側では、黒縁メガネにゆったりとしたカジュアル服装の青年が、これまた鬼気迫る迫力で大量の小冊子をさばいていた。
「何やってんだR・VとM・Jは」
「パルプ・マガジンへ追加する作品の調査と編集ですって」
「ほーん、奇特なことやってんなぁ」
 遠巻きに見ていた目ン玉アイコン覆面のプロレスラーと黒髪ロングヘアに白衣とタートルネックの美女のやり取り。それを聞いていた黒尽くめは、作業を終えると歯車が噛合音を鳴らすが如く肩を回して一言付け加える。
「一箇所にまとまってないと、探し出すのも大変になるから半分は自分の為でもある」
「なにか追加される条件とかあるのかしら?」
「あまり厳しいのはない。ベースは俺かM・Jが面白いと判断したエンタメ小説を追加してる。俺個人は連載なら三話が掲載されたのを目処に査読しているな。」
「その心は?」
「二話で力尽きる人が結構多い。小説外の人にも勧めて回る物だから、流石に連載が継続されてないのはちっとばかし勧めにくいからな。後マガジン収集始める前の作品はパルプスリンガーのでも拾い忘れてることもあったりするから、必要なら声かけてくれ。」
「あ、そうだったの?僕気にせず突っ込んでたよ」
「俺個人の判断だからM・Jは独自の判断で突っ走っていいぞー。迷ったら相談してくれ」
「りょーかーい、こっちも今月の作業は終わり!」
 小冊子をさばききると、二人揃ってぐだつく。Noteに投稿される小説の数は果てしなく多い。しかしエンタメ小説作品となると、その数は実際限られており探し出すだけでも一苦労なのであった。

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空想日常は自作品のワンカットを切り出して展示する試みです。
要するに自分が敬意を感じているダイハードテイルズ出版局による『スレイト・オブ・ニンジャ』へのリスペクト&オマージュになります。問題がない範疇だと考えていますが、万が一彼らに迷惑がかかったり、怒られたりしたら止めます。

現在は以下の作品を連載中!

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主にロボットが出てきて戦うとかニンジャとかを提供しているぞ!

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