Noteの日常 締め切りの悪魔編
「ドナドナドーナードーナー、荷馬車がゆーれーるー」
「ぬわー仕事がー……」
いつもの西部劇風バー・メキシコで二人のパルプスリンガーが、ノートPCを前に悶絶していた。締め切り間際である。片方は黒尽くめ、もう片方はゆるカジュアルで眼鏡だ。
「何悶絶してんだアイツラ」
「参加した一次創作合同誌の締め切りが、間近に迫ってるんだって」
「大丈夫なのかよ」
半死半生の顔ながら、話題の二人はペチペチとキーボードを叩き続けている。この期に及んで全く手が動いていないわけではないのは、流石と言えるだろう。
「あ、後原稿用紙五枚分……2000字……」
「言葉が出ーなーいー」
普段の執筆量はかなりの物になる二人ですら、締切に追い立てられて土気色の顔になっているのを見て、他のパルプスリンガー達も戦々恐々となる。そんな中、一人余裕たっぷりにCORONAをあおる浅黒い肌のタフな男。
「あれ、初代チャンプも参加しているんじゃなかったっけ」
「俺はもう、とっくのとうに原稿提出済だ」
「わおわお、流石だ」
「あの二人が普段、他の事ばかり書きすぎなんじゃないか?」
「まったくもってそのとおり……今回はギリギリまでプロットがまとまらなかったし」
「僕は仕事が……グワーッ……」
苦悶しながらタイピングを続ける二人に対し、連続側転しながら何者かが駆け込んでくる!ニンジャだ!
「ドーモ、お二人さん。デッドラインです」
闖入者の登場に、迷わずノートPCを畳んで立ち上がる二人!
「ここに来てニンジャか!?」
「ピンポイントで俺達の所に来るな!真面目に!」
「イヤーッ!」
常人には捉えられぬ速度で襲いかかるニンジャ・デッドライン!だがその時であった!
「お命頂戴!」
なんと、バー店内から次々に柿渋染め装束の忍者が出現する!店内の意匠に擬態していたのだ!恐るべき殺傷力を持った八方手裏剣の弾幕がデッドラインに襲いかかる!
「こしゃくな、グワーッ!」
チョップで手裏剣を撃ち弾くデッドライン!だが多勢に無勢かつ相手も忍者である!数え切れないほどの数を撃ち込まれ、デッドラインは手裏剣蜂の巣と化した!
「グワーッ!猛毒!」
「同胞の仇!取らせてもらうぞ!」
続いて忍者軍団からの鉤爪投げ縄投射!八方手裏剣に塗り込まれた猛毒、その威力に顔を緑色に染めて苦悶する所、謎の忍者軍団が忍者刀を手に殺到!デッドラインは黒ひげ危機一発めいて串刺し、爆発四散!
「アバーッ!サヨナラッ!」
「兄上……仇は取ったぞ」
感慨深く忍者棟梁がつぶやいたかと思えば、忍者軍団はまたたく間に姿を消していく。後にはいつもどおりのバー・メキシコに戻っていた。
「なんだったんだ……」
「なんだったんだろう……」
これはなんですか?
以下の企画の参加作品です。筆者の頭がおかしくなったわけではありません。多分。(いつもこんなノリなんじゃないかっていうのはひていできない)
なお、ニンジャヘッズ一次創作合同企画はあります
皆買いに来てね!
空想日常は自作品のワンカットを切り出して展示する試みです。
要するに自分が敬意を感じているダイハードテイルズ出版局による『スレイト・オブ・ニンジャ』へのリスペクト&オマージュになります。問題がない範疇だと考えていますが、万が一彼らに迷惑がかかったり、怒られたりしたら止めます。
現在は以下の作品を連載中!
弊アカウントゥーの投稿はほぼ毎日朝7時夕17時の二回更新!
ロボットが出てきて戦うとかニンジャとかを提供しているぞ!
ドネートは基本おれのせいかつに使われる。 生計以上のドネートはほかのパルプ・スリンガーにドネートされたり恵まれぬ人々に寄付したりする、つもりだ。 amazonのドネートまどぐちはこちらから。 https://bit.ly/2ULpdyL