【ルギアVstar】初手の確率を考慮したデッキ構築のメモ【シティリーグ2023シーズン1使用デッキ】
ラウスです。
カードゲーマーの分別には色々な手法がありますが、
デッキ構築に関しては主に以下のタイプがいると思います:
感覚派
理論派
この2要素は同一ベクトル上にあり、要はトレードオフである認識です。
さて、貴方はどちらのタイプ寄りのプレイヤーでしょうか?
こと最近のtwitterのトレンドは理論派です。
"デッキ内の全てのカードの採用理由が言えることが強さにつながる"と
一般的に謳われている状態である認識です。
理論を立てる前提として必要ものとして根拠があります
採用理由も立派な根拠ですが、採用枚数の検討に確率という根拠は必須であるように思います。
しかしここで最近の解説記事のトレンドとの矛盾が発生します。
すなわち、確率が記載された記事が極端に少ないことです。
計算しているが公開していない人も居るかも知れませんが、何となくあまり居ないように感じられます。
これではポケカプレイヤーの殆どは感覚派ということになってしまいます。
…いやまぁ、殆どの人にとってポケカは趣味であり、仕事じゃないんだから感覚でやればいいだろって個人的には思っていますが。
今回ルギアデッキを作成するにあたって
ドローサポート(以下ドロサポ)が初手にくる確率はかなり気にしたので
そのあたりの思考過程をメモしておこうと思います。
皆さんのデッキ作成の"根拠"の助けになれば幸いです。
前提
数字としての前提
本記事において、確率的に起こり得る/起こり得ないラインとして
正規分布から95.4%を使用します
95.4%の詳細は以下記事を参照してください:
ルギアVstarは"ドロサポを初手に引く"が必須の前提
ルギアデッキで初手にサポートを引けないと、
2ターン目にアーケオスを置くことのできる可能性がガクッと落ちます。
何故ならドロサポは本来の役割の他に手札をトラッシュに置くという役割が存在するからです。
基本的な構築で手札をトラッシュに置くカードは以下4枚:
・クイックボール
・ハイパーボール
・博士の研究
・セレナ
ですので、初手に引けなかった場合ルギアVstarの殴り出しが1ターン遅れます。これは負けに直結します。
これをリカバするためにチェレンの気配りというカードを用いて1ターン延命する手法が存在しますが、言うまでもなくあまり強い動きではありません。
ルギアVstarとシステムポケモンの相性の悪さ
ルギアVstarデッキは各種システムポケモンと相性の悪いデッキであると考えています。
以降、アーケオスは必須である認識:
アーケオスを2体立てる場合、そもそもベンチに空きがありません
アーケオスというシステムポケモンを既に採用していますので当然ですエネルギーをデッキに大量に入れる必要があるのでデッキの枠がカツカツです
アーケオスはたねポケモンを採用しない構築になりますので、クロバットV/ネオラントVのスタート率が他のデッキより高いです。
後攻時はVガードエネルギーをつけたルギアVstarを2体用意して片方は耐える…という戦術を取りがちなので、クロバットV/ネオラントVが負け筋となり得る。
てか後攻でネオラント出しちゃったらかなり敗色濃厚だと思うんですが…これ認識間違ってますかね?意見ください。
上記弱点をカバーするためにサブアタッカーをシルバーバレット感覚で詰め込んだデッキがトレンドですが、
これらはあまりルギアVstarの良さを活かしきれていないとも言えます。
デッキの方向性
盤面再現度
ルギアVstarは殴りだしに於いて他のデッキよりハードルが少々高いです。
特定のポケモンを2体トラッシュに置いた上で特性を宣言しなければならないので当然です。
前項にて述べたシステムポケモンとの相性の悪さもありますので、
余計なカードを入れないシンプルな構築にして盤面再現度を向上させることがデッキの強さに繋がると考えました
特に昨今のポケカは1戦の負けが大きいです。
参加予定のシティリーグは32人規模であり負けが許されないところがあります。初戦を落とすと目無しまであります。
デッキをシンプルにする
再現度を上げる方法は簡単です。
レシピをシンプルにすればよいのです。
しかもこれはシステムポケモンと相性が悪い点とキレイに噛み合います。
本筋ではないカードの採用枚数を減らし、盤面再現を徹底的に優先します。
また、アーケオスがサブアタッカーとして95点の活躍をする事も本方針にベストマッチします
ワザはダブルターボしかついていないルギアの打点補助になり、サイド枚数をずらしながらVmaxポケモンと戦うことが可能です。
またロストバレット系列に代表される基本的な非ルールポケモンをすべて一方的に倒すことが可能であり、こちらはウッウでもヤミラミでも取られません。パワフル無色で頑張ればかがやくやインテレオンも倒せます。
ツインエネルギーを入れればエネを単体で自給自足できる点も恐ろしく効率が良いです。
様々なサブアタッカーが検討され、アーケオスを上回るパフォーマンスを出すケースも往々にして出てくると思いますが
全てのケースに95点の回答となるカードがシステムポケモンでもあるわけですから他にサブアタッカーを入れないケースも十分視野に入ります。
以上要因から、ルギアVstarデッキの良さを引き出すため
システムポケモンを入れないシンプルなデッキを目指します。
デッキレシピ
実際にシティリーグに出たときのレシピがこちら。レシピだけみたい人にとって前置きが長くなってごめんなさい。
さて、このレシピは安定した動作ができるのでしょうか?
確率を前提とした採用理由
ドロサポ系統
前回記事でも公開したスプレッドシートを再度貼ります。
タイトルにエネルギーとありますが、言うまでもなくサポートでも同等です:
先行時は2ターン目までにサポートが引ければ良いのでドロー枚数9、後攻時は8となります。よってサポートを引ける確率は一番左の列と隣の列を足して2で割った数字になります。
それを信じると18枚あれば十分と言えそうです。
本デッキでドロサポ相当のカードはポケギア3.0と緊急時のコトブキムラを含めて16枚しかありません。なので足りてないです。
一応、ヤレユータンの特性さるぢえを使用することで実質+1枚ドローできます。
それぞれ1列右にずらしてみてみると、ギリギリ16枚でも青色ゾーンに到達出来ていることがわかります。
# 正確には2ターン目ドローとさるぢえにボールを用いたデッキ圧縮が考慮できるので確率はもう少しだけ上がります
よって本構築は初手ドロサポが引けないことは確率上起こり得る/起こり得ないのギリギリラインを攻めている構築であると言えると思います。
ルギアVstar系統
シティリーグ2戦目では、先行2ターン目に博士の研究を使用できたにも関わらず、ルギアVstarにアクセス出来ずに負けました。マジで悔しい。
では結果論を信じてハイパーボールを4にするべきだったのでしょうか?
ルギアVstarはアクセスカードを含めると合計11枚投入されています。
先程の表を参照すると、16枚ドローした際の引ける確率は97.7%であり充分であると言えそうです。
97.7%でも引けないときがあるんだから95.4%でも引けないときは引けないでしょ…という意見もご尤もです。勝てるときは勝てるゲームです。
しかし2.3%ですら発生するんだから5%なんて発生しないわけがない。ましてや10%なんて絶対発生すると考えることも出来るわけです。
たねポケモン数 (反省点)
ひとつ反省点を挙げるとするならたねポケモンの枚数です。
当日対戦したデッキはフュージョンx3とエレキガノンであり、
全てのデッキが後攻1ターン目からルギアVを倒してくるポテンシャルを持っていました。
ロスト系統やパルキアV、キュレムVmaxなど後攻1から殴ってくることの少ないデッキが多いだろうと思っていたので、完全に読み間違えました。
ぱぱっとツールを用いて計算したところ、たね12枚構築で
初手にたねポケモンが1枚だけである確率が34.5%ほど
初手にたねポケモンが2枚以上ある確率が50.7%ほど
先行/後攻の確率も考えると確率が高いと言えるほどではないのかもしれませんが、もう少し考慮しても良い確率だったかもしれません。
むすび
確率を用いて振り返るすゝめ
大会成績は以下の通り:
負けた直後は感情とかお気持ちとかも出てくるとは思うんですが、
確率観点で仕方なかったのか、それとも構築に問題があったのかを正しく理解する、
すなわち敗因を適切に判断して次に繋げることが強くなるために何より重要だと考えています。
てか、せめて有料記事には確率の根拠があっても良いと思うんですが、そこんとこどうでしょう!!?
シャッフル
むすびで話題が逸れますが、
"そうは言うけど俺は毎回運が悪くて;;"って述べられる方がいらっしゃるんですが
毎回引きが悪い理由にシャッフルの仕方が偏っている可能性も否定出来ないと思っています。
完全にランダムを発生させるシャッフルって、めちゃんこ難しいです。人間は無意識のうちに偏ります。勉強されることをおすすめしておきます。
謝辞
最後になりますが、俺はこのデッキがめっっっっちゃ好きです。
ポケカの成績も近年あまりつけられていない俺ですが、そんな俺に懲りずに練習付き合ってくださった人々のお陰で大好きなデッキに出会えました。
振り返ると今回は毎日違う人と練習させていただいたような気がします。
練習していただけた皆様、本当にありがとうございました。
ルギアデッキ自体のギミックにはあまり触れませんでした。
好評でしたら解説を追記しますので、スキ!マークをクリックしていただければ幸いです。