『歌枠』オタクだって『歌ってみた動画』を紹介したい その1
こんにちは。
UniVIRTUAL非公式wikiの管理人をしておりますらうーると申します。
定期的に湧きあがるVsingerオタク発散記事です。UniVIRTUALは全くと言って関係ないのでご了承ください。
はじめに
Vtuberの歌ってみた動画、みなさんもたくさん見ていますよね?
新しくVtuber・Vsingerを発掘しようとするときに、歌ってみた動画を探す方も多いのではないでしょうか。活動者側からすれば、資金・時間・労力をかけて作り上げた、自身の魅力を凝縮した作品かつアピール商材であるはずです。
しかし、この筆者はとんでもなくひねくれ者。
気になるVsingerさんがいると、歌ってみた動画より先に歌枠アーカイブを聴きに行きます。『高く評価した動画』欄の歌ってみた動画率、5%ぐらいでした。自分のことながら「流石に嘘だろ…?」って思いました。
今回はそんな歌枠オタクが鬼リピしてしまう歌ってみた動画を、直近半年に発表されたものを中心に、事務所・個人、ベテラン・新人、知名度を問わず超主観的に選んで紹介していきます。作品のココ好きポイントを語るとともに、偏見バリバリの人物紹介も入れて見たり。
今回紹介する作品は5つ。
また、「前の記事で紹介してるよな…?」「絶対あのルートから知っただろ…?」というVsingerもいらっしゃいますが、ご容赦ください。
だって好きなんだもん。
絶頂讃歌/音ノ乃のの
★煌めく歌が天頂を貫く――若き新星の過去から未来へと繋ぐ作品
▼超主観的な人物紹介
音ノ乃のの(ミリプロ)
2023年6月に17歳という若さでVtuberデビュー。新興事務所であるミリプロを音楽面でリードしてきた立役者。話し声は小動物感が漂うが、ひとたび歌えば澄み渡り輝くようなハイトーンボイスで聴衆を虜にする。2024年5月には1stシングル『約束』でメジャーデビューも果たした。
ところで、初見で「ののののの」と読める人どれだけいるんだろう。
知らないとタイトルと歌詞の内容に身構えてしまいますが、彼女の歌枠では何度も歌われてきた爽やかな曲調の十八番。実は昨年、同楽曲の歌ってみたを投稿しており、今回は全てがパワーアップしての再公開。「あの歌ってみたが帰ってきたぞー!」と喜んだファンも多いはず。
デビューから実力・実績ともに大きく成長し、細かく揺れる特徴的なハイトーンはそのままに、どこか妖艶な魅力も兼ね備えた音ノ乃ののだからこそ表現できたカバーソングになっています。
最初おとなしいと思いきや、後半に向けて徐々に盛り上がり、最高潮で得意の突き抜けるような高音を見せつける構成も見事。本家リスペクトのMVも素晴らしく、新しく知った方から既存ファンまで楽しませてくれる動画であり、彼女の過去からの成長そして未来の躍進へと繋がる作品だと思います。
ロウワー/甘ヶ咲あめ
★巧みな感情の表現力――ドラマティックな展開にリピート必須!
▼超主観的な人物紹介
甘ヶ咲あめ(ばらすと!)
2024年4月デビュー。キューティーポップな見た目とギャルっぽい言動とは裏腹に、力強くも艶やかな歌声を持つ。深夜帯の歌枠ではあらゆるジャンルを歌っており、歌声の幅と否が応でも伝わる感情の表現力に驚かされる期待の新人。挨拶でいきなり「うぇいよ」と拳を向けてくるが、きっと歓迎されている。
原曲をご存知であれば、最初の音から雰囲気が異なることに気づくでしょう。キーを大幅に下げた大胆なアレンジのオケ、機械的にも思えるほど淡々とした歌い出し。不気味な迫力を纏った序盤を抜けると、祈り願うような柔らかくも力強い歌声を味わえる中盤に突入。綺麗なコーラスが楽曲の物語性に厚みを加えています。
しかし、ところどころで僅かに見え隠れする激情。綺麗な歌声はそれを取り繕い抑え込んでいるようでもあります。静かな独白のように歌ったあとのラスサビで一気に溜め込んだ感情が噴き出します。喉を枯らさんばかりに苛烈に歌声をぶつけ、ほろりと涙が零れるような『正しくして』で終幕。
一つ一つのパートの表現を追求し、彼女の表現力という武器を存分にふるった作品で、初めて聴く方でもグッと心を掴んでくることでしょう。
レクイエム/茜音カンナ × 涼海ネモ
★高音/低音のコントラストが美しすぎる――脳を揺さぶるバディコラボ
▼超主観的な人物紹介
茜音カンナ(ななしいんく)
柔らかさと迫力を兼ね備えた歌声のイケボVsinger。男性ボーカル楽曲も得意としており、リスナーとのコール&レスポンスまでもロック&クール。2024年9月公開の2ndオリジナル曲『VEIL』は、そんな彼女のカッコ良さを存分に引き出す重低音のメタルサウンド。
涼海ネモ(ななしいんく)
『透明感』という言葉で片付けきれない、炭酸が弾けるサイダーのような『清涼感』とでも表現したい歌声のVsinger。オリジナルの3曲はどれも爽やかな彼女の歌声が心に染み入る。個人的には『カタチのないもの』が一番好き(Another Ver.とどちらが良いかは選べない)。
コラボ作品でインパクトが大きかったのはこの動画。
『勇往邁進』コラボは50回を達成した相棒同士の作品。他の大手Vtuberもコラボカバーしている楽曲ですが、声質正反対の二人の歌はどんな化学反応を起こしてくれるのかと思いきや、歌い出しから1分ほどの間は全て涼海ネモの流麗な高音域メインパート。こんなに長く譲らず歌い続けていいのかと思っていると、一転、茜音カンナの獰猛な低音域メインパートが鼓膜を揺らします。
コーラスは控えめに、それでいて『私の相方はすごいだろう』と見せつけてくるかのよう。後半もそれぞれの特徴が活きるパートをがっつり歌うあまりに大胆な構成で、サビの最後に声が揃うところにゾクッときます。
曲全体の妖艶な雰囲気を壊すことなく、二人の歌声のコントラストを存分に味わえる作品となっています。
asphyxia/NEUN
★天使の歌声 × ロックサウンド 新しい幻想世界が生まれた
▼超主観的な人物紹介
NEUN(RKmuisic所属)
2024年5月にCULLA、MEDAとともにRKmuisicからデビュー。名前の読みは「ノイン」。神秘的なほどに優艶な美声は、1stオリジナル曲『Engelslied』の名のとおり天使の歌。デビュー4ヶ月弱でオンラインソロライブや2ndオリジナル曲の公開などを果たし波に乗っているVsinger。歌っているとき以外はぽやぽやしている。
原曲はハードなサウンドが際立つ『東京喰種トーキョーグール:re』タイアップ曲。NEUNの世界観とは少し異なる選曲なのかなと一瞬思ってしまいましたが、Vsinger特化で存在感を増すRKmusicが生半可なものを出すわけがありませんでした。
漏れる息遣いがどこか儚げな歌い出しから力強く展開。ブレスを巧みに織り交ぜて焦燥感を演出し、『open your eyes』の場面転換で一気に幻想的な世界観に引き込んできます。激しい変拍子を乗りこなしたうえで、『窒息』の名を冠するこの曲の切迫感を演出し、聴き終えてみれば不思議なほどにNEUNらしい一曲に仕上がっている。彼女の迫真の表現力の一端を味える作品だと思います。
一方、世の多くの歌ってみた動画が映像面でも多彩な工夫を見せている中、MVは豪胆にもタイトル・歌詞字幕以外の差分・アニメーションなしの一枚絵。聴く人の想像の余白を残していると読むべきかもしれませんが、歌一本で惹きつけることができるという自信の表れとも言えるでしょう。
ロンリーユニバース/惑世いと×碧生ねの
★ダブルウィスパーボイスの歌ってみたで、『癒される』体験をあなたに
▼超主観的な人物紹介
惑世いと(個人勢)
2024年2月デビュー。トーク・ボーカル共に柔らかくウィスパーな声が特徴的。地球を侵略しようとするにはほんわかすぎるスローペースの異星人。吐息がたまらん。動画制作を特技として挙げており、歌ってみた動画のMVは自前で手掛けているが、完成度はとても高い。
碧生ねの(個人勢)
2023年11月デビュー。ゆったりとした幼げな語り口と澄んだ歌声が特徴的。ふらっと配信告知してまったり歌うスローペースのハーフセイレーン。全ての言動が癒し。英語堪能で海外ファンも多く、TwitchではAPEXやVALORANTなどのFPS配信をしている意外な一面も。
激しい曲が続いたので、最後は心安らぐ作品をご紹介。
ゲームコラボは平気で9~12時間配信(アーカイブ限界値)することもある仲良しコンビ『あおいわくせい』半年記念で発表された作品。
『綺麗』『美しい』『感動する』——そういった感想を抱く歌ってみた動画は数あれど、これほどまでに『癒される』作品はなかなかお目にかかれないと思います。もともと原曲が浮遊感のある落ち着いたサウンドではありますが、二人のささやくような歌声がヒーリングミュージックとしての側面をより際立たせているように感じます。
流れる時間のスピードが常人と異なるのではないかと思えるほどのんびり屋の2人ですが、「この宇宙で広い星で君と出逢えたから」という歌詞が波長の合う友人に巡り合えた奇跡を歌っているようでもあります。
なお、本作も映像は惑世いとが自ら担当。淡い光を纏う二人のイラストが映えるMVにも注目です。
最後に
いかがでしたでしょうか。個性的な作品を集めたつもりですので、人によって好みが分かれるかもしれませんが、1つでも良い作品に出逢っていただけたのなら嬉しいです。
なお、タイトルに「その1」とあるのは、記事を書きながらたくさんの素敵な作品と素敵なVsingerさんたちに出逢ってしまったからです。続くかは不明ですが、書くとしても歌っているVsingerさん自身もある程度掘り下げたうえで書きたいと思います。
今回ご紹介したVsingerは、生歌も聴き入ってしまう方ばかり。
気になっていただけたなら、ぜひ歌枠も聴きに行ってみてください!
……こう締めてしまうあたり、結局どこまでも歌枠オタクなんだなぁ。