矢野絢子さんのライブ 「スナック絢子〜自由は土佐の山間より〜」に行ってきました①
この間、大好きなシンガーソングライターの矢野絢子さんのライブに行ってきました。
僕がどれだけ矢野さんが好きかは過去の記事で書いたので読んでみていただけたらと思います。
矢野さんのライブに行くのは昨年の3月に初めて行ってから2回目です。
またお会いできて演奏を聴ける喜びを噛みしめながら、仕事終わりに高円寺の会場へ電車で向かいました。
実はこの日の前日にも、東京の別会場で矢野さんのライブがあったのですが、緊急事態宣言のおかげで無観客の配信ライブになってしまったのです。
僕は2日連続で両方のライブとも観に行こうと思っていたので残念でした。
でも2日目の方も中止になったりせずに本当に良かったです。
矢野さんは高知県在住だし、このご時世で各地で頻繁にライブを行うことはできません。
東京でライブを観られるのは、現状では数少ない機会なのです。
もっと言えば、前日のライブは昨年の4月か5月に行うはずだった、新アルバムのリリースライブなのです。
それがコロナの影響で中止になり、10ヶ月ぐらい経ってやっと今回できるということだったのに、またまた変更でやむなく配信ライブになってしまったのです。
その配信ライブは見ていません。
ファンとして失格かもしれませんが、やっぱり演奏は生で観たいのです。
だから二日目の高円寺のライブの方はなんとしても足を運ばなければと思って、仕事を早退させてもらってまで観に行ったのです。
会場は駅から少し歩いたところの「ムーンストンプ」というライブバーのようなところでした。
行ったことのないお店なので事前にお店のHPを見てみると、こじんまりとしていてそんなに広いところではないんだなぁとわかりました。
15人も入ればいっぱいになりそうです。
これは前の方の席を陣取るために、早めに行った方がいいなと見当をつけました。
18時開場で、18時に会場に着きました。
お店の前の黒い看板に、白いチョークで"スナック絢子"と書いてあります。
前回初めてライブに来た時と同じで、このお名前の文字を見て心が弾みました。
その看板を写真に撮ってから、ドキドキしながら横の階段を地下へ降りていきました。
地下へ降りた狭いスペースに3つぐらい扉があって、右手の扉がライブバー「ムーンストンプ」でした。
入ってすぐ左奥にカウンターが伸びていて、奥の方の席になんと、矢野さんご本人がいました。
「こんばんは」と高知訛りのイントネーションで明るく言われ、僕はドギマギしてしまいました。
緊張と喜びと困惑と興奮とで息が詰まりながらもなんとか標準語で「こんばんは」と返して、カウンターの奥の厨房のスタッフさんに予約の名前を告げ、ワンドリンクの生ビールを頼み、お金を払いました。
店内を見渡せる位置まで来て、やはり自分が一番乗りであることがわかりました。
店内の一番奥がステージになっていますが、そこに段差とかはなくて、そのまま端にピアノが置いてあります。
ピアノがなければ普通の居酒屋さんのような感じです。
楽屋などはないみたいで、だから矢野さんご本人がカウンター席に座っていらっしゃるようでした。
僕は壁側の、一番ピアノに近い椅子にリュックを下ろし腰掛けました。
座ると正面がカウンターで、矢野さんがこちらに背中を向けて座っていらっしゃいます。
ピンク色に染めたショートヘアに、耳まで覆う派手な色の毛糸の帽子を被っていらっしゃいます。
オーバーサイズのオレンジのワンピースもニット生地で可愛らしいです。
いや、そんなにじろじろ見ていたわけではありませんが、でもこんなに至近距離に憧れの方がいらっしゃったら見ちゃいます。
そしてもう一人男性のお客さんが入ってきたところで、矢野さんは椅子から立ち上がり、こちらに近づいて来られました。
そして「今日はリクエストにお応えします。何か歌って欲しい曲はありますか?」と尋ねて来られました。
えーっ、いいんですか、と驚きながら、というかこんな至近距離で普通に目を見ながら話しかけてきてくれてることにドギマギしながら、演奏して欲しい曲を考えました。
「なんでもいいんですか?」と尋ねると「うん、できそうな曲やったらね」と笑いながら答えてくれてました。
『てろてろ』『夕闇』『ゼンマイ仕掛け』などメジャーな曲もいいし、アルバムの中でも好きな曲は無数にあるけど、本当に単純に一番素晴らしいと思っていて、一度は生で聴きたいなと思っていた曲を選びました。
「『瞳の中に』をお願いします」
矢野さんは「ん〜、はい」と頷いてメモに記入しました。
もう一人の男性客も「いいですねぇ」みたいに何度か肯いていました。
わ〜、本当にリクエストに応えてくれるんだ、と嬉しくなり、「大好きな曲です」と伝えました。
矢野さんは微笑んで「ありがとう」と言ってくださいました。
そのあと続々とお客さんが入ってきて、矢野さんはお一人お一人にリクエスト曲を聞いていきました。
矢野さんと顔見知りの、ライブの常連みたいなお客さんもいて、その人とは親しく談笑してたりしました。
僕はその会話を聴きながら、普通に矢野さんと同じ空間にいられることにドキドキしつつ、開演までの30分間ビールをゆっくり飲んで待ちました。
続く
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