指図書の重要性
皆さん、こんにちは。
今回は工場にアイテムの生産を依頼する際に一番大事になる資料である指図書の重要性について、私の失敗談をからめながら書いていこうと思います。
生産指図書、生産指示書、加工委託書、加工依頼書、量産発注書、言い方は様々ですが、ようは発注数量や納期が書いてある工場がアイテムの生産に当たってメインで確認する書類のことです。
以降、わかりやすく指図書と表記することにいたします。
結論、生産進行に必要な内容は全て1枚の指図書にまとめるべき
工場ではとにかくミシンを止めないことが生産性を高めるために重要なため、生産を進行する上で確認しなければいけない資料が何枚もあると余計な手間が増えてしまい、作業に支障がでてしまいます。
私がおかした失敗まさにそれで、工場への職出しで何枚もの資料を使っていたことでした。
量産発注書
生産枚数や納期が書かれたもの
資材一覧表
表地、裏地、付属類が確認できるもの
縫製仕様書
縫製仕様や指示寸が記載されはもの
品質表示、下げ札確認書
SKUごとに品質表示の付記用語やアテンション内容が違う場合の指示が書かれたもの
糸色指示書
表地、裏地、別布、それぞれに対してどの糸色で縫うかを記載したもの
ここに挙げただけで既に5枚あります。
これに合わせてパターンも確認しなければいけないとなると、工場の負担は相当だったでしょう。
お陰で自分が出す仕事は厄介だというイメージが工場に定着してしまいました。
これだけ分かりやすい資料を何枚も用意しているんだから万全だろうと思っていた私でしたが、それは完全に自己満で工場側の目線で物事を考えることができていませんでした。
それでは理想的な指図書とはどんなものでしょうか?
繰り返しになりますが、生産進行に必要な情報が1枚にまとめられ、かつ見やすいことが絶対条件でしょう。
工場によっては独自のフォーマットを持っていて、トラブル防止のために自社のフォーマットに書き直している事業所も多いと思います。
その際にも何枚もの資料を見ながら自社フォーマットに書き換えるより、1枚の指図書を見ながらの方が断然効率的です。
では指図書にはどのような情報が記載されるべきでしょうか。
私が実際に使っている指図書に記載している内容を紹介します。
①発注枚数
SKUの表とは別に合計枚数が大きく記載させているとスケジュール管理の際に便利です。
②色・サイズ
色、サイズごとに枚数を表記に記載し、表の一番右と、一番下に色、サイズごとの合計枚数が記載されていと分かりやすいです。
③納期
納期と合計枚数はスケジュール管理の際、特に重要ですので、大きく太字で指図書のなるべく左上の方に記載しましょう。
④工賃
工賃単価を「@〜」で記載します。
⑤絵型
どんなアイテムかパッと見でわかるように絵型は必須です。
⑥寸法表
工場の中をラインの流れと一緒この紙が移動すると思ってください。プレス前検品や仕上げ、最終検品の際に指示寸も確認できると便利です。
⑤資材一覧
アイテムの色ごとに縦割りで表地、裏地、別布、付属類の色番が記載されていると、とても見やすいです。また、生地の混率もスポンジングや仕上げなどの際に必要な情報のため、記載するようにしましょう。
⑦納品形態
たたみ納品、ハンガー納品、素上げでプレス工場に出荷など記載しておきましょう。
また、下げ札やアテンション札の付け位置なども指示が必要です。
⑧納品場所
納品先の住所は郵便番号、納品先の担当者名、電話番号までもれなく記載しましょう。
⑨注意事項
縫製時に注意すべき先上げ時に発生した問題点や、起こりやすい不良などを記載します。
また、洗濯ネームにスペア釦をベタ付けする際やスペア布が必要な場合なども口頭での連絡と併せて記載しておくと確認しやすいです。
布帛のアウターなど、別布や付属類が多いアイテムは資材一覧まで1枚にまとめることはできないかもしれませんが、それ以外は1枚にまとめるべきだと思います。
また、プリントや刺繍、洗い加工、仕上げなど、裁断物や製品の移動が必要な場合は加工先の住所も記載するべきでしょう。
それと注意してほしいのが、指図書の内容に誤りがあると工場はいちいち確認しなければいけないということです。
そうなると確認が取れるまで作業ストップしてしまったり、納期が遅れる原因にもなります。
記載内容には間違いがないよう、細心の注意を払い、可能であれば第三者にチェックしてもらってから職出しするようにしましょう。
下記にありがちな記載ミスを挙げておきますので皆さんもご注意下さい。
・アイテム品番、生地や付属の品番や色番
・発注数量の色、サイズのテレコ記載
・指示寸の写し間違い
いかがでしたでしょうか?
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回はかなりのボリュームになりました。
こういう時に画像などの参考資料がないと結構しんどいですね。
分かりやすく画像付きでまとめ直したものを有料記事にするのもありなぁと思ったり思わなかったり…。
次回は工場への原料の投入時に気を付けていることを書いてみようと思います。
お楽しみに。