トラブル実例① 「サンプルとバルクでオフの色が違うんですけど!」
皆さん、こんにちは。
今回から数回にわたり、実際に私が経験したトラブルと、その後どのように対応し納品にこぎつけたかを書いていこうと思います。
シリーズ初回はサンプルとバルクでオフ白の色味が違ったというトラブルです。
トラブル発覚までの流れはこんな感じです。
・生地のサンプル帳を見て「この色味がいい!」とデザイナーが決め、サンプル用に着分を用意してサンプルを作る。
・何の問題もなく、サンプルOKが出る。
・定番の形の素材替えだっため、先上げ無しでいきなり量産進行に移る。
・量産納期1週間前に納前を確認。
・色合わせしたはずのリブと身生地の色味が全然違うことに気づく。
・デザイナーに確認を取るも勿論NG
「納期まで、1週間切ってるー!どうしよー!」
生地屋に尋ねると「オフは原料によって変わるので仕方ないですね、現物の落とし確認してないんですか?」とのこと。
ここからどうやって修正したらいいか頭をフル回転させました。
今回のアイテムは身生地が麻100%、リブが綿100%のプルオーバーでした。
両方ともオフと言えばオフなんですが、麻の方が黄色系が強く、リブが白く浮いて見えてしまう症状でした。
「リブをインキングで黄色くしようかな…?」
「でも費用はこっち負担だから利益が全然出なくなるなぁ…」
「製品洗いで限界まで脱色したら、リブと身生地の白度が合うかなぁ…」
「でもサラシになっちゃうからオフにもう一度染め直さなきゃいけないなぁ…」
「そもそもリブと身生地の混率が違うから同じに染まるとは限らないなぁ…」
「リブの油分が抜けてキックバックがなくなったりしないかなぁ…」
最終的には製品加工が得意な染工場に相談し、麻側をメインに脱色してもらい、フライスと身生地の色を合わせることが出来ました。
そんなことができるのか!と思いましたが、餅は餅屋。豊富な引き出しを持っているんですね!
このトラブルの原因は、量産反の落としの確認をしなかったことと、先上げを作らなかったことに他なりません。
やるべきことをやらなかったために起きたトラブルでした。
縫製工場出身の私は、生産管理の仕事を一から教わったりしたことは殆どなく、元々持っていた知識でなんとなく仕事をしてしまっていました。
文化が出している生産管理の教科書を読んでも、やたら芯貼りのことばかり書かれていたり、お門違いな内容ばかりで適当なHOWTOがないのがこの仕事ではないでしょうか?
そこで自分のような人の参考になればとこのnoteを始めたわけです。
脱線しましが、まずはやるべき手順をしっかり踏む。
それでもトラブルが起きてしまったら自分なりの改善策を用意した上で自分より詳しい人に聞きまくる!
これで大体なんとかなります。
次回は、生地データもとって製品でもデータをとったのに全然指示寸通りにあがらなかったプリント入りのスウェットの話をしようかと思います。
お楽しみ。