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「僕は今日も違うカメラマンの男とデートをする⑤」 special by ただの写真の人
デート企画、折り返し地点のこの日も1時間のサービスなお仕事を終えてから、外出する。この企画を初めてもう半分の人数のデートを重ねてきた。本当にデートだと思い込んでデートをしてくれる人、ただ単に自分の持論のみ語る人。ここ、大阪にも十人十色、様々な人間マンダラが見えたような気がする。
2/16 16:01
今日の男は特別に違う。なぜなら、わざわざ僕に会いに来てくれる人、謂わば遠征組。関東住まいの彼は「こんなぶっ飛んだ企画は、関東にはない」とわざわざ、東京からこのナニワの地に渡航してきた。最初、「僕はおっさんなので、期待はしないでくださいね・・」と言われたので、おじいちゃんくらいなのかなと身構えしていたが、普通に40代の若い人だった。
「今日はデート誘ってもらってありがとうございます。あ、はじめまして3chon.です」
毎回、お馴染みのJR天王寺中央改札口は今日もなお、マスク達が急ぎ足で目的である地に着く。朝日プラザの螺旋階段に向かうべく、梅田へ向かうことになった。移動中、腕を組みながら相手の男の手に目をやると、薬指にキラリと光るものを嵌めている、今日の男は既婚者だ。
「さて、着いた。へぇ、ここが朝日プラザなんだ」
梅田は本当に複雑らしく、「梅田ってこんなにも階段あるの!?関東、こんなにもないよ!」と男は驚いていた。朝日プラザの螺旋階段は意外にも小さくて、冷たい。シャッターを構える男の姿に感化されて僕も無言でシャッターを押しに行く。
ある程度、撮影したところで、僕が企画参加をしてる企画展の会場へ向かう、組んでいた腕はほどかれ、今度は恋人つなぎで手をつなぐ。僕は身長がデカいから手繋ぎはしんどそうだった。何度か「腕組みのほうがいいですか?」と聞いたら「ううん、こっちのほうがいいよ」と手をぎゅっと握ってきた、可愛い。
展示会場はすごくあったかくて、熱いくらい。大好きなオーナーが、「おう、お疲れ様!」と出迎えてくれる。ギャラリースタッフのコバさんは、相変わらずかわいい洋服の佇まいで、大好きなビールを片手に話しかけに来る。お酒臭いのが彼女の良いところ。
帰り際、大好きなギャラリーのオーナーに、「ではデート頑張って。」と肩を叩かれる。勘違いをしているのかもしれないが、少しだけ寂しそうだった。
関目駅から京橋へ向かい、ホテル富貴を目指す。富貴はカメラマンにとってはとってもいい素敵な格安スタジオ。ホテルに一旦荷物を置き、軽くご飯を食べ、ホテルに戻った僕達はお互いにお互いを撮り合った。
半裸の僕を見つめるのはフジフィルム。僕は初めて買った、防水カメラAW100で相手の裸体を撮り続ける。
すると僕達はみるみる、二人の世界へ陥る。
僕は彼が嫌がるまでキスをして相手は合わせるかのように僕の首元や肩を舐めたり、キスをしたり。ベッドの中で恋人つなぎをするその手には、婚約指輪がきらりと映えるようにみえる。「ああ、だめそこはっ!!!」僕の感じるところは既に把握されており、腰が上がるくらいに気持ちよかった。男のおちんちんは、可もなく不可もなくではあったが、彼が僕を触る時、気持ちよさが増す。
帰り際、二人でお風呂に入った。二人で入るお風呂は小さすぎて、当然防水カメラだからお風呂と一緒にカメラも入る。シャワーの水滴は綺麗にみえた。 『次はこの関係はお預けね。』と耳打ちされた。『ふん、あんたが我慢できんの?』そう言って、彼の目をにらんだ。
23時頃の京橋はまだまだ眠らない。
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