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ノンスタイルの生き様回(あちこちオードリー)
あちこちオードリーでノンスタイルの仕事の向き合い方が番組の中で最初と終わりで変化していく様が生き様バラエティの回だった
井上の心中
井上は、お笑いはシンドイ、お笑いは対価と合わへん、だって俺はマジカル頭脳パワーに憧れて芸人になったと語る。序盤、井上のキャラクターもあり、これが本心で言葉通り、お笑いよりタレント思考が強い当て逃げAV女優好き芸人だと思っていた。
ただ番組の後半で、「憧れはダウンタウンのような4番になりたい」と本音が漏れる。さらには、自分の能力値を客観すると2番打者だと分析している。これが意外だった。ナルシストキャラのイメージが強いので自己愛でピッチャーで4番と思ってそうと偏見していた。ただ、一視聴者からすると、井上は、まさに2番で一撃ホームランはないけど、テロップ安打で多く塁に出る優秀な2番打者がしっくりくる。
また自分自身の置かれている状況に対して、テレビで出来ない事が増えて、以前のようなキャラを全面に出すことも消極的になっていったこと、相方の石田がテレビから遠ざかり一人でやっていく必要があることを冷静に分析。
この状況を踏まえて、自分に何ができるか、何が好きなのかを考えたんだと思う。その中で、クイズ番組や謎解きが好きな自分の引き出しを開けている。そして、楽屋でも謎解きをするくらいに好きなことへの努力をし、一人の道の活路を開こうとしていた。井上の「一人のルートと二人のルートは違う」の発言がそう思わせた。
井上は、タレント思考が強い当て逃げAV女優好き芸人ではなく、自己分析と自分の手札を冷静に併せて役割を考えて努力できる人なんだと見直した。
石田の心の変化
「豊かさはここにはない」
三年前のあちこちオードリーで発言したパンチライン。仕事や芸能界に全振りしても人生の豊かさに繋がらない。
これ、当時もめちゃくちゃ共感した。
私も仕事優先度が高すぎていたけど、人生の中で重要視するべきことは何だと。何を大切にしたいのか。コロナ時期は、良い意味で立ち止まり、考えるようになった人も多いんじゃないかな。
石田は、「豊かさはない」と今でも思っているが、心境の変化が生まれていることを吐露する。後輩(ビスケの原田)が「天下を獲りたい!」と真っ直ぐに言えることや、オードリーの東京ドームライブを観て、「オードリーはスターだな」と思ってしまうこと、以前までは同じ位置にいたのに、いつからこんなに差がついたのかという気持ちに気付く。
これに対して、悔しいという気持ちがまだあることに自覚したんだと思う。
このままでいいと満足していたのに、心の違和感に気付いてしまった。
「これでいいのか。40代半ば(奮起するのは)ここが最後かな」発言に繋がる。
過去の自分の選択や人生の意味について深く考える。不自由なく過ごせてるけど、この平坦な道を歩き続けていいのか。って、これ、まさに中年クライシスの症状だよ。分かるよ!石田さん!
家族に代わる豊かさはないかもしれないど、仕事には仕事でしか解消できないものがあるのも事実。自分がどこまで出来るのか、期待したい気持ちは残ってんだよ。
石田が井上に「一緒に頑張ろう。五年頑張ろう!」と奮起するのは、私自身、刺さりすぎて感動する。そして、若い時みたいに無期限で頑張ろうじゃなく、五年の有期限の頑張ろうが中年やる気宣言として好感と共感しかない。
数年後、ノンスタの冠番組でオードリーをゲストに呼んで、ハモネプをBGMに焼肉パーティしてほしいと切に願う。
全然関係ないけど
ノブコブ吉村が、天下獲りのやる気を出すため男性ホルモンの注射をしていて、「ストレートドーピングしている」ってパンチラインを出す若ちゃんは天才。ストレートドーピングのキーホルダー欲しい。