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「水府の三門」シリーズ

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江戸からはるばる雨宮いばらは、常陸の国に赴任した雨宮又右衛門に会うために、女の身で一人旅立った 又右衛門が亡くなる年に書き上げられた 『美ち艸』は、実はその頃にはもう書き始まって…
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2023年7月の記事一覧

「水府の三門」 ◆道しるべ◆⑩

「水府の三門」 ◆道しるべ◆⑩

茨の道、野の道

いばらは再び山道を急いだ

御岩権現山の峠の茶屋とやらで、茶菓を頂いたりなぞしてしまったからだ

茶屋は峠の坂を登り始めたすぐ脇にあった

坂はなだらかに見えても、高ノ原から下ってくる人々にとっては、まっすぐに進めず爪先が前にのめって難儀らしい
木の肌の杖を突いて下りて来る人を見ていると、大変そうだなあ、と思いながらもいばらは笑いをこらえている

そうはいっても、坂を下るその大変

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