【釣りキチ三平】今も時々思い出す、心に残るあのエピソード
数年前の話。
その年は、身の回りでちょっと色々とあった。
8月、可愛がっていた飼いネコが逝く
11月、父が逝く
その3年前、母はすでに亡くなっていたのだが、それから後を追うように飼いネコと父が亡くなってしまったのだ。
短いスパンで立て続けの不幸に、少し堪えるものがあったが、あれから数年たち、今はたまに酒でも飲みながら、当時を少しずつ懐かしむ、そんな感じには落ち着いたと思う。
そんな折り、当時の心境を思い出していると、ある事にふと、不思議な感じをもったのである。
その不思議な感じとは、
飼いネコが亡くなる → 涙を流して泣いた
父が亡くなる → あまり涙は流さなかった
この感じ、共感していただける方はいらっしゃるだろうか?
思うに、血を分けた肉親が亡くなるというのは、ただ嬉しい悲しい、そんな一時の感情では表せない、もっと深く重く考えさせるものが有るのではないだろうか?
更には、余り悲しむ間もなく、バタバタと葬儀の打ち合わせやらなんやらで忙しくなり、葬儀が終わった時には、ホッと肩を撫で下ろす、そんな方は、結構いらっしゃるのではないだろうか?
決してペットの命を、そして人間の命を軽んじている訳では無いんですけどね。
ただ言いたいのは、
別れ → 悲しい → 涙が出ちゃう
こんな、スイッチのオンオフのような、単純な方程式のような物ではない、肉親との別れには、もっと複雑な感情の揺れ動きがあるのだと思うのである。
さて。
先日、某温泉に行くと、休憩室にマンガ本が置いてあり、そこに「釣りキチ三平」が置いてあった。
一冊手にとって見てみると、三平の大事な人とのお別れのエピソードが載っていた。
その単行本は、薄いヤツでは無くて、厚めの単行本だった。その一冊ほぼ全て、三平と大事な人とのお別れのエピソードが描かれていた。
それは最近よくある様な、
別れ → 悲しい → 涙が出ちゃう → 友情パワー
こんなスイッチのオンオフのような軽薄なエピソードではない。
別れとは、一体どういうことなのか?
厚めの単行本ほぼまるまる一冊を掛けて、重厚なストーリーが描かれているのだ。
気になる方は、是非一度、読まれてみてはいかがだろうか?
余談。
そう言えば、父の葬儀の2〜3日後の事ではあるが。遠い所から来てくれた親戚の若造くん。遠いところをわざわざ来てくれてありがとうね。
そう言えば、涙を流さない、ましてや気分的に少しハイになってる私の事を見て、訝しげな表情をしていたな。
君もそのうち、体験するんだけどな。
親父さんと仲悪いなんて言ってる場合じゃ無いよね。
最近そんなのばったりだよね、知らんけど。