落花生にも、それぞれ性格みたいなものがあるんです。ー煎り落花生編ー

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ピーナツを販売していると、よく聞かれるのが品種です。そもそも品種があることがよく分かってなかったり、品種と言うものが何なのか分かってなかったりするのを感じます。改めて、落花生の品種についてご説明していきます。

品種があるのって、別に落花生に限った事ではありません。例えば『梨』8月のお盆の頃に出始めるのが、『幸水(こうすい)』といって梨の中でも甘みがありとても瑞々しい梨です。8月下旬には『豊水(ほうすい)』に切り替わります。豊水は少し酸味があり、私はこの酸味を感じる豊水の方が好きだったりします。

9月に入れば、『秋月(あきづき)』、『かおり』、『新高(にいたか)』と大きい粒の梨が出てきます。梨だけでも品種とは伝えきれないくらいあります。

同様に落花生にも品種があって、収穫時期で早生種(わせしゅ)とくくられたり、最高級品種と言われる『千葉半立種(ちばはんだちしゅ)』は中晩成種となります。千葉半立は落花生の中でも最も美味しいと言われており、知名度でも一番あります。

そんな落花生の品種を、特徴交えてお伝えしていきます。

期待の新品種 Qなっつ

千葉県で開発された落花生の中で、一番新しい品種が『Qなっつ』です。約10年ぶりに開発された品種として、メディアでも多く取り上げられて一気に名前が広がりました。

そもそも何でQなっつ?と思われる方もいらっしゃると思うので、名前の由来をご説明します。

名前の由来:
これまでのピーナッツを超える味=アルファベットの並び順で、『P』の次が『Q』で「『Q(きゅー)』なっつ」という意味を込めています。

―千葉県のHP「教えて千葉の恵み」/より引用

ピーナツを超える味として名付けられており、千葉県としてもチカラの入り方が違う印象でした。愛称の一般公募が行われ、生産者やコピーライターなどで構成する「落花生新品種愛称選考委員会」で選定されました。

千葉県では当時めずらしい一般公募と言う事で、多くの方が応募されてました。参加する人が多いと嬉しくもありますし、多くの方の手で育てていく感じもあって良いですよね。

こう言う機会があれば、発信していきたいなぁ。なんて思ってしまいます。
まぁ、そんな思いはさておき。話題のQなっつの特徴です。

食べ方:煎り落花生向き。
殻の色:比較的斑点が少なくきれい目。
味わい:比較的あっさり目。
収穫量:多い。
粒の大きさ:普通。

個人的な見解もありますが、比較的殻はきれいな品種で味わいも良い品種です。収穫される畑によっても異なるので、粒の大きさは『普通』ととっても安易な表現になっております。

煎り落花生向きと言われてますが、茹で落花生で食べてみると甘みも感じ、食べた方は『こっちの方が美味しい!』とお声をいただくこともあります。結局お好みになるところもありますが、茹で落花生は収穫したてを調理しないといけないので、どちらにせよ貴重ではあります。

従来の早生品種 ナカテユタカ

当通販部の看板商品でもあります『旨い落花生』としておなじみの品種が、このナカテユタカになります。漢字で書くと『中手豊』らしいです。

誕生のきっかけ:
「関東8号」と「334A」とを交配し、昭和54年千葉県農業試験場で育成した品種。同年に本県奨励品種に採用。

―千葉県のHP「教えて千葉の恵み」/より引用

先ほどのQなっつもそうですが、元々の品種名は番号とアルファベットの組み合わせです。ちなみにQなっつはP114号です。品種をかけ合わせることで、収穫量を増やしたり見た目をきれいに、味をよくしたり。そんな取り組みをされているんですね。開発までひと品種10年くらい要するそうです。

話戻ってナカテユタカですが、収穫時期は9月から10月ごろに収穫されます。最近、この時期の長雨により不作が続いており、収穫できた豆も殻が黒ずんでしまったり、見た目が悪かったりしています。気候変動の影響を千葉県の落花生も受けている現実があったりします。

ナカテユタカの味わいは、多くの方に好まれやすい味わいな印象です。

『子実はやや大きく、充実、色沢や粒揃いが良く、煎豆の食味もあっさりとした甘みがあり良好。』

―千葉県のHP「教えて千葉の恵み」/より引用

ナカテユタカの全体的な印象は、地味な印象です。その名を知っている人も少なく、Qなっつのような話題性があるわけでもありません。加えて、品種の名前より早生(わせ)とくくられてしまうこともあります。

ただ、当店では一番人気の落花生だったりするので、人気の理由や品種の名前を私たちが伝えないといけないんだなぁ。とも感じております。ナカテユタカの特徴です。

食べ方:煎り落花生向き。
殻の色:殻はきれい目。
味わい:しつこくなく、鼻にとおる香りがよい。
収穫量:多め。
粒の大きさ:普通。

こちらもあくまで個人的な見解を含んでおりますが、私はこの品種が一番好きだったりします。Qなっつに押され気味ではありますが、大事にしたい気持ちもあります。

最高級品種 千葉半立

今回の煎り落花生で伝え忘れてはいけないのが、この品種でもあります。落花生の中でも、王様あつかいです!その味わいは、コクがあり風味が豊かと言われ、お米でいうコシヒカリに例えられています。

その歴史は、落花生の中でも古く『昭和27年千葉県農業試験場で在来品種から選抜育成した品種。』なんだそうです。

『在来品種。』私には、とても魅力的です。元々、千葉にいてくれて落花生をずっと支えてきてくれた感じがあります。ミツバチでいうニホンミツバチみたいな感じです。怒られるかもしれませんが。

千葉県の落花生といえば、『千葉半立(ちばはんだち)』そう言っても過言ではないくらい、年間の生産量も多く作付け量も約60%を占めております。

実は、唯一と言ってもいいくらいの特徴があります。それは…

渋皮の裏側が茶色。

『えっ!?それだけ?渋皮だから茶色なんじゃないの?』と思われた方もいると思いますが、実は先にご紹介した二つの品種は渋皮の裏側の色が『白』なんです。

他の品種との見分け方法として、この渋皮の裏側が見分けポイントだったりします。実際、風味も甘みも他の品種より強く感じ、さらには収穫量も他の品種にくらべて割合が少ないことから、最高級品種として長年販売されてきています。

草型は半立で、株は横に広がり、晩生で収量性は高くないが、煎豆の食味は独特な風味があり良好。

―千葉県のHP「教えて千葉の恵み」/より引用

特徴的な名前の由来は株の広がり方、ようは葉の立ち方とでも言いましょうか横に広く広がるイメージなんです。他の品種との比較の中で、『半分くらいの立ち方』という感じでその名がつけられています。そんな千葉半立の特徴です。

食べ方:煎り落花生向き。
殻の色:殻は黒い斑点が多い。
味わい:コクがあり、甘みも感じる。
収穫量:少ない。
粒の大きさ:小さめ。

さて、今回の落花生にも色々な性格があるんです。ー煎り落花生編ーいかがでしたでしょうか?最後まで読んでいただき、ありがとうございます。落花生のことを多くの方に知っていただけるように、引き続き取り組んで行きます。

今後ともよろしくお願いいたします。

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