可愛いすぎる害獣:里山再生プロジェクト④
稲が成長できない
田植えから約一ヶ月が経ち、
あれから稲がどうなったかというと、、
小さな棚田は、カモシカの餌場&遊び場となってしまい、
伸びては食べられ、伸びては食べられを繰り返して、
とうとう植えた時よりも小さくなってしまいました(泣)。
夜な夜なカモシカにつまみ食いされ、引っこ抜かれ、
昼間に抜かれた箇所を補植する、という
不毛なイタチごっこ。
全体の60〜70%まで荒らされて、やっと決心がついた。
「よし、電柵で囲おう」
シカ対策のために、穂が出るまでに電柵を設置しようと考えていたけれど、
まさか初期の段階でこんなにも被害が出るとは予想していなかった。。
天然記念物カモシカ
山を下った町の方で見かける田んぼは、
イノシシ除けの二段ほどの電柵ばかり。
町の方ではカモシカが出ないからだそう。
そして、山間部に田んぼはあまり見かけない。
だからカモシカに田んぼを荒らされるということが、
ほとんど起こらないらしい。
「だから言っただろう。俺だって頑固いろいろ試してきたって〜」
「あいつらにゃ何にも効きやせん」
ご近所のYさんは、畑の周りに2メートルの杭を打って、
海苔網を張って、さらに電柵まで施しているそうだ。
そこまでやって、なんとか侵入されないんだと言う。
ここから更に山奥の集落では、それでもダメだったという。
「あいつら助走できれば、なんでも飛び越えちゃうだよ」
山間部に住んでいる方たちは、カモシカに頭を抱えているという。
けれど、天然記念物なので捕らえることも傷つけることも出来ない。
追い払うしか方法がないのだ。
↑ 補植を手伝ってくれた友人たち
可愛いくて憎めない
困ったことに、彼らは可愛い。
ずんぐりした胴体に、人懐こい性格。
目が合っても、じっと見つめて逃げない。
森町に越してきてから、よくカモシカに出くわす。
なぜなら夜行性のシカと違い、昼も夜も動いているから。
町までの道のり、畑や家の周り、水場...
重そうなお尻で飛び跳ねている。
畑に植えた苗を、文字どおり根こそぎ食べ尽くされて、
怒りと悲しみの気持ちでいっぱいになっても、
彼らを前にすると、なぜか憎めない。。
(夫は、見つければ奇声をあげて棒を片手に追い回す)
カモシカに罪はない。
彼らと私たちの生きているルールが違うだけ。
どうしたら共生共存が出来るのだろうか。
お困りごとを地域資源へ
今回、問題として書いているのはカモシカだけど、
イノシシ、シカ、ハクビシン、カラス...
他にも様々な動物たちが農家を困らせている。
昔は、これほど動物が山から降りて来なかったと言う。
今では、山間部住民の心配事ワースト3に入るほど、
獣害が増えてしまった。
しかし一方で、捕獲が出来ればそれは貴重な食糧。
山野の恵みが凝縮された、美味しいジビエ肉。
これをどうにかして、地域資源として活用したい。
カモシカに限っては、捕らえることが出来ないので、
お肉としては活用できないけれど、
追い払うにしても、彼らの生態をきちんと知る必要がある。
今の私に必要なのは、山の動物たちに対する正しい知識と技術。
ということで、
狩猟免許試験を受けることにしました!
銃ではなく罠猟免許。
もし受かれば、地元の猟友会に入れてもらい、
内側から問題に関わっていこうと思います!