見出し画像

田中圭さんについて 残しておきたい記事(お芝居について語る編)



めざましmedia わたしの宝物①

──三竿玲子プロデューサーが取材会で、「田中さんが3話の台本を読んで、1話のお芝居を変えていた」と話していましたが、

──「托卵」を題材に扱うと最初に聞いたときの心境や台本の感想、魅力を感じている部分があれば聞かせてください。

最初に話を聞いたときは、「大変そう…」と思いました。

僕は、何の気なしに見て「楽しかった」で終わってしまう作品よりも、見ていてチクッと心に刺さったり、「この作品は何を伝えているのだろう」「何を感じ取ればいいのだろう」と考えさせられる作品ほうが好き。心が揺らぐことが大事だと思っているんです。

だからこそ、自分自身もそういう作品に携わりたいと思っていて。このドラマはそこに魅力を感じています。

連続ドラマのレギュラーという意味では、最近だと『おっさんずラブ-リターンズ-』(テレビ朝日)で、コメディ要素が強い作品だったので、そことのギャップもあり、俳優としてのやりがいもあります。


田中圭 1話の宏樹のひどさが「想像以上で笑ってしまった」
──ご自身がこの作品から感じ取っているメッセージはどのようなものですか?

僕個人としては、何もありません。なぜなら、結末を知らないからです。

もちろん、プロデューサーをはじめ制作陣には伝えたいものや「こうなったらいいな」と思うところがあって、作っていると思いますが…俳優がそこを考えてお芝居するのは、少し違うかなと思っているので、僕は“伝えたいもの”については考えず、とにかく宏樹として作品のなかで生きられたらと思っています。

『わたしの宝物』に出演する田中圭
──ここまでの放送に対する反響はどのように受け取っていますか?

1話に関しては、宏樹の美羽(松本若菜)に対するモラハラのような言動が強く出ていたと思いますが、自分でも「あれ?こんなふうに演じていたっけ?」と思うくらい、想像以上で笑ってしまいました(笑)。

周囲からも「ひどい夫だったね」とたくさん言われました。でも、何事も話題になるのは良いことですね。

──宏樹を演じる際に意識していることはありますか?

1話を撮影している時から、宏樹は美羽をすごく愛しているということは知っていたので…ではなぜ、ここまで強く当たってしまうのかというと、会社でストレスを溜めていて、美羽は家族だからぶつけやすいし、ぶつけても許してくれると分かっているから。宏樹の愛しているが故の甘えだと思って演じていました。

“モラハラ夫”と言うと、愛情が歪んでいたり、もともとシンプルに性格が悪い役もあったりするけど、宏樹は「好きだから甘えている」というところが根底にあれば、家族が増えたときに結婚当初の雰囲気に戻れるかなと考えていました。


田中圭 演じる宏樹に共感できる部分は?「まったくない」
──三竿玲子プロデューサーが取材会で、「田中さんが3話の台本を読んで、1話のお芝居を変えていた」と話していましたが、そういうことですね。

連ドラをやっていると、先がどうなるかわからない状態でお芝居をすることになるので、わかる範囲で調整というか、そういうことはしています。

特に今回は、2話で宏樹の抱えているものが明かされ、子どもが生まれたことで結婚当初の夫婦に戻っていく様子が描かれていて。3話の台本を読んだときに「宏樹、すごい良い人じゃん!」と思ったので、そこを1話の段階で残しておかないと、戻れないなと思い調整しました。

『わたしの宝物』に出演する田中圭
それでいて、1話はとにかく宏樹が嫌な夫に映るようにということも意識していました。

不倫をして、ほかの男の人との間にできた子どもを産むということは、美羽と冬月(稜/深澤辰哉)の回想が入っていても、中学時代の回想なので、肯定派が増えることはあまりないと思ったんです。

主人公である美羽に疑問を持たれてしまうと作品としてはよくないと感じたので、1話の段階ではとことん美羽を追い詰めて宏樹が敵に見えていたらいいなと思っていました。

──宏樹に共感できる点はありますか?

まったくないです(笑)。正直、「こんな人いるのかな?」と思いながら演じています。

この間、仲のいいプロデューサーさんから「圭、普段と真逆じゃん。むしろ圭が嫌いなタイプの人。さすがでした」とメッセージをもらって。「でしょ!」って(笑)。その言葉はうれしかったです。

──客観的に、神崎夫婦についてどう見ていますか?

現実にまったくいないこともない夫婦だと思います。夫婦の形はさまざまなので、肯定することも否定することもないですが…最終的に2人はどういう決断をするのだろう、というくらいフラットな気持ちで見ています。

「こうなってほしい」という個人的な希望はありません。ただ、展開としては、プロデューサーさんが「栞ちゃんが“かわいそう”という見られ方には絶対したくない」と話していて。それは確かにと思ったので、そこを含めて神崎夫婦がどういう決着をつけるのか、楽しみにしています。


田中圭 シリアスなシーンが多いなかでの松本若菜の明るさに「救われています」
──松本若菜さんとの撮影現場でのエピソードを聞かせてください。

若菜さんとは何度か共演したことがあるのですが、これだけ時間を共有するのは初めてです。

3話、4話、5話くらいの宏樹はデレデレパパで、美羽に明るく話しかけることもあるけど、美羽は浮かない顔をしていて…。宏樹としてその場にいながらも、俳優・田中圭が心の中で「いや、絶対に何かあるじゃん!」と言いたくなるくらい美羽が暗い顔をしているんです。

とにかく2人揃って笑っているシーンがないんです。でも、若菜さんも僕も普段が明るいほうなので、カメラが回っていないところでは、お互いに沈みすぎることがなくて、救われています。

果たして、2人で本当に笑える回はあるのか。楽しみにしております(笑)。

『わたしの宝物』に出演する田中圭
──三竿Pは、お2人について「戦友のような感じ」と話していました。

そうですね。しんどい思いを2人で共有しながら、1話1話、朝から晩まで撮影しています。このスケジュールをこなすだけでも戦友確定ですね。

──深澤さんとの現場でのエピソードはありますか?

辰哉くんはわからないです(笑)。ご本人のことはすごく好きですが、まだあまり一緒のシーンが多くないので。今後、冬月と宏樹が相まみえるときが来るのか、来ないのか。

もし会うことがあれば、きっと対決することになるんだろうなと思うので、真っ向勝負したいと思っています(笑)。

──5話以降の宏樹視点の見どころを聞かせてください。

5話で宏樹にとって大きな出来事が起こります。宏樹はこの出来事を受けてどうなってしまうのか。最終的な着地はまだ僕も知らないのでどうなるかわからないですが…見届けていただけたらうれしいです。

引用元リンク・めざましmedia


リアルsound わたしの宝物


2024年で40代に突入し、「年齢を重ねたことによってようやく掴める感覚がある」と明かす田中に、本作への思いや40代への意気込みを語ってもらった。

大事なのは「観ている人に気づきを与えたり、考えさせること」

ーー第1話の反響はどのように届いていましたか?

田中圭(以下、田中):共演の北村(一輝)さんには「普段から宏樹みたいな感じだから、演じられるんでしょ?」といじられました(笑)。僕自身としては共感もできないですし、自分で観ても笑ってしまうくらいひどい夫だなと思っていました。役に対する反響もいろいろ届いていましたが、作品の話題に繋がったのはどんな形であれいいことだと思っています。今後、「第1話の宏樹は結局なんだったの?」というくらい良い父親になっていくので、その振り幅も楽しんでいただけたらと思っています。


ーー宏樹の“振り幅”を出すために意識していたことは?

田中:第1話で気をつけていたのは、「僕が一番嫌な夫に見えるように」ということです。美羽と冬月の関係を上回るくらい悪役にならないといけない。ただ、根っからの悪ではないというのもポイント。第3話や第4話では、ものすごくいい父親の顔も見せているので、何か抱えているような感じが出せるように、と意識していました。


ーー「托卵」のテーマを扱うと聞いた際は率直にどう感じましたか?

田中:最初は大変そうだなと思いました。ドラマの魅力はフィクションの中で、非日常的でありながらも、リアルに感じる日常がたくさん詰まっているところにあると考えています。観ている人に気づきを与えたり、考えさせることが大事なんだと思っています。なので、作品に感情移入をして気分が下がることもいいことだと思います。僕自身、観ている人にチクッと心に刺さったり、自分自身も「難しかったな」と感じられる作品が好きです。この作品は何を伝えているのだろうとか、この作品を観て何を感じ取ればいいのだろうとか、そういう感想を持つことがエンタメの楽しさなんです。なので、『わたしの宝物』は俳優としてとてもやりがいがある作品だなと感じています。

ーー三竿玲子プロデューサーが「5話の台本を渡したとき、役者さんが驚いていました」とおっしゃっていましたが(※)、第5話以降の展開について、宏樹としての見解を教えてください。


田中:第5話で宏樹にとって大きな出来事が起きます。三竿さんは子どもがかわいそうに見える形にはしたくないと話していましたが、最終的な着地点は僕も知らなくて。もちろんプロデューサーをはじめ、制作側は伝えたいものが明確にあるところからスタートしていると思いますが、役者が全部分かった上でお芝居していくのも少し違うかなと思ったので、僕はあえて先のことは考えないようにしています。



ーー映画『哀愁シンデレラ』や『月の満ち欠け』でもいわゆる“モラハラ夫”を演じられていますが、今作で演じる宏樹との違いは何だと考えていますか?


田中:宏樹は美羽を心から愛しているんです。宏樹は宏樹で好きすぎるが故の甘えというのは根底にあると思っています。なので、「家族が増える」という出来事を通して、今まで甘えていた部分がどう変化していくのかに注目してほしいです。

ーー主演を務めている松本若菜さんの印象について教えてください。

田中:若菜さんとは『死神さん2』(2022年/Hulu)でも共演しているのですが、これだけ長い時間を共有するのは初めてでした。今のところ撮影中はどちらも笑っているシーンというのがほぼありません(笑)。第3話以降は宏樹も娘にデレデレな父親になっていて、美羽に話しかけるシーンもありますが、「絶対何かある!」と思わせるぐらい暗い顔もするんです。普段の若菜さんは明るいので、カメラが回っていないところでは、お互い沈まないでいられるというのはすごく救われているなと思います。2人が心から笑い合える回は来るのか……。

ーー戦友みたいな関係だと聞きました。

田中:戦友確定です。決して簡単ではない脚本ですし、大変な思いを2人で共有しながら、一話一話朝から晩まで撮影しています。このスケジュールを共にこなしていけるだけの絆はあります。

ーー共演の深澤辰哉さんは?

田中:辰哉くんは一緒のシーンがあんまりなくて。ご本人のことはすごく好きではありますが、まだお芝居でご一緒できていないんです。でも今後、冬月と宏樹が会う時は……と思うと、めちゃくちゃにやってやろうと思っています(笑)。

次に挑戦したいのは「ダークな雰囲気の役」

ーー2024年で40代に入られ、ご自身も父親としての経験をお持ちですが、夫役や父親役を演じる際に感じる変化はありますか?

田中:やっぱり年齢を重ねて、夫役や父親役でオファーされることが増えたなとは感じます。今作のような赤子の父親となると、だいぶ昔の記憶。ですが、幼い子どもを持つ父親の気持ちは、自分が当時経験した時よりも解像度が上がっていると感じています。夫役や父親役は、時間が経って、年齢を重ねたことによってようやく掴める感覚があるなと思っています。

ーー興味深いです。田中さんの俳優としてのキャリアを振り返ってみて、「成長したな」と感じる部分は?

田中:台本の読み方は20年前とでは絶対に違います(笑)。 台本にないセリフや台本に描ききれない隙間を埋めることへの恐怖心がなくなった感じはあります。自分が映っている時よりも、自分の相手をメインに撮っている時の方を一生懸命演じて伝えたいという感覚です。昔は「役柄的にこのセリフ通りだと少し違和感があるな……」と思うこともありました。少しずつ変化はありましたが、僕のその考えを完全に壊した存在として、やはり『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)の影響は大きいです。台本はありますが、『おっさんずラブ』はその場で生まれるものの力が大きくて。台本だけでは絶対に描ききれない部分があると思うんです。

ーー今後挑戦してみたい役や、 ロールモデルがいれば教えてください。

田中:綾野剛くんが『地面師たち』(Netflix)で演じていたようなダークな雰囲気の役は挑戦してみたいです。性格が悪い役は演じたことがありますが、職業的にはあんまり経験がなくて(笑)。皆さんもダークなイメージの田中圭はまだあんまりないと思うので、40代、50代と、これからもいろいろな姿を見せていきたいなと思っています。

引用元リンク・リアルsound


いいなと思ったら応援しよう!