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港区おじさんナメてた問題(なんかすごい目で見てくる…)

結局抜歯後の痛みは、2週間でやっと終焉を迎えました。ただ、飲みなれない抗生剤や痛み止めのボルタレンと、痛みに耐えている精神的ストレスと睡眠不足が原因なのか、微熱は続き、体や顔に蕁麻疹が出て、仕舞には突然貧血に襲われる、からの盛大な嘔吐……体調不良の全カードを切り続ける私。3週間ほどはそんな感じでしたが、欠かさずだいたい週一は必ず、抜歯後の経過チェックにクリニックに通っておりました。ちなみにこの期間は、職場ではずーーーっと体調不良からくる不機嫌を行使しており、マネージャー業の業務内容や量はいつもといつもと同等にこなしていましたが、わたしが担当しているクリエーターたちは、さぞ恐ろしい目にあったことでしょう。ごめん…マイメンたちよ。(いや、やつらは私の不機嫌に気づくようなタイプではない)

頻繁に通院している間、港区おじさん先生は治療のたびにめちゃくちゃ世間話をしてくるようになりました。とにかく、隙あらばずっとなんかしゃべりかけてきます。主に、治療前あのリクライニングシートに横たわっている時、麻酔を打って麻酔が効くまでの間しばらく何もしないで待ってる時間があるのですがその時とか、お会計するカウンターの時。最近どんな映画観た?とか、これは観たことある?とか、自分の趣味(ゴルフとか麻雀)の話とか、お酒飲むの?とかそんな話。そしてなんの話題にも打ち返す私。その時の先生のテンションの高さといったら、自分がどーこーとかは置いておいて、客観的に見ても相当はしゃいでいるなぁ~という感じなのです。で、そんな時にいつも気になるのは………

歯科衛生士のうちの二人がすごい目で見てくる!!!!
そのうちの一人が特にこええええ!!!!!!!!!!

私の社会人奴隷人生をかけて、おやじ・目上の人対応と同じくらい、細心の注意を払って養ってきたスキル、それは女性対応。とにかく上司でも目上でも同僚でも、年下でも女に嫌われたら面倒なことになります。女同士の関係性で大事なのは、とにかく即負けること、競争相手という枠から外れることだと私は思っていて、敵でも味方でもない圏外の変な女枠を作り、自ら速やかにそこに収まり「私は圏外です、あなたたちの利益を侵すことはありません!」というフラグを立てることです。どんな職場に行ってもどんな女相手でもまずはそれをしてきました。が、今回については、ただでさえ苦手な痛いことをしに通っている医療機関(歯科医院)しかも、私はカスタマー(ってか患者)なわけで、正直歯科衛生士の女性たちの顔を覚える心の余裕もなかったし、3人いるうちの一人の派手じゃない子しか認識できておらず、化粧の濃い女性二人については見わけもついておりませんでした。ただ、その派手じゃない子以外の二人のすごい目で見てくる感じは日に日に強まり、、、ヘラヘラとおしゃべりを続ける先生なんてほっといて早くこの場を立ち去りたい!くらい治療の度に恐ろしい思いをするようになりました。麻雀友達にとある世界的に有名なゲーム会社の会長がいるとか、有名ゲームのクリエーターが友達だとか、無邪気に話してくるけどさ…

すいません!!!そこの女のその目!!!!やめてもらってもいいですか?なんなんですか???!!!

港区おじさん先生の愛人なのかしら…。てか、だったとしても、お前ら二人の間で処理してくれよ…私はただ……007を知ってただけなのよ……てか普通の対応しただけなのよ…。しかももういい歳のおばさんだし、おばさんとおじさんが立ち話してるだけなのに。

そして、あまりに話が(てか先生が)盛り上がりお互い仲良くなれたと思ったのか、いつの日か先生はクリニックのドアの外まで見送りをしてくるようになりました。なんか…客観的に見て、飼い犬がご主人様の後をついて玄関の外までついてきちゃうそのまんま。しかもその時の話題は、スターウォーズのダースベーダーについてとか、最近こーゆう映画が公開されたの知ってる?っていう平和なものにも関わらずこの圧から感じる私のストレス度は結構な高さでした。毒にも薬にもならないこんなおしゃべりしてるだけで、なぜこんなにも居心地が悪いのか…。しかも私患者なのに……。その理不尽な謎のストレスに耐えきれなくなった頃、先生がタイトル忘れちゃったけどこれこれこんな映画が来週公開されるらしいよ、よさそうだし、君好きそうだよと話を繰り出してきました。それが私の好きな監督の新作だったのです。この時点でクリニックでの会話中のあの妙な空気と、不当に与えられるストレスにもうこれ以上さらされたくなさすぎて、この映画一緒に観に行きましょうと誘って、クリニックで話さなくてもよそでおしゃべりできる環境を作ろうと決めていました。もちろんうれしそうに話してくれる先生に好意をもっていたからという理由が一番ですが。

出口の外まで送ってくれた先生に、あの映画私の好きな監督の新作でした。もしよかったらご一緒しませんか?来週出張があるのでバタバタしますが落ち着いたら連絡しますね。と切り出しました。と、「え~~~~、ほんと?」とびっくりするほどドでかい声で驚き、なんかデレデレする先生に、「じゃあ連絡しますね」と振りむかず男らしく去る私。

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