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ダメダス王の手

王は願った。望むものをすべて欲する力を。

神は与えた、すべてを手に入れる力を。わずかな呪いと共に。

王は欲するものをなんでも手に入れることができた。おのが権力を超えるものでさえ、それは可能だった。

あふれんばかりの黄金、傾国の美女、長く続く栄誉。

王はそのたびに落胆を繰り返すことになった。あれほど待ち焦がれ、あれほど強く欲していた数々のものが、手に入れた瞬間に価値を失ってしまう。心の渇望が消えるだけでない、そもそもそんなもの価値があるとは思えなくなるのだ。彼の両手にはいつも、彼にとってのゴミが溢れかえっていた。それが神が力と共に与えた呪いだった。

彼は自分の所有物を無価値とみなし、自分が持っていないものを欲したが、それを手にしたとたん、それは無価値に転じた。端的に言って、それは地獄だた。喉が渇いたので、海水を飲むようなものだ。

王は自分が手にした能力に失望し、やがては絶望した。彼の中に価値はなく、彼の外に価値はあった。

生きる希望を失った王は、膝をつき、深く祈った。そして、自身の手で自らを抱擁した。

気がつくと、王に与えられていた力は失われていた。たった一つだけ、価値が感じられるものだけを残して。

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