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風に乗る祈り

空の色が深く濃く、目を細めるほどに眩しい。

風に乗って仏法が世界に広まるように、との願いが込められた旗が風になびく。


なぜこんなにも熱心に、祈りを捧げるのだろう。


聖地に向かって身を投げ出して祈祷する人、仏塔のまわりを何度もまわる人、手に持った祈りの道具を回し続ける人。

赤ちゃんはおんぶされ、お年寄りは杖をつきながらその場にいて、しっかりと根をはったものであることが見てとれる。

目には見えないなにかを信じることが、彼らには当たり前で、日常そのものなのだ。


死にまつわるセレモニーだけがひとり歩きしているこの国に生まれたわたしには、それが肌感覚では理解出来ない。


ただ、熱心に繰り返されるその行為を目の当たりにしたとき、ひどく心を打たれた。

ひたむきに真っ直ぐに向けられた祈りの姿は、とても美しい。


目じりに深い皺の刻まれる彼らの笑顔が、晴れ渡る青空と鮮やかな旗の色に重なって見えた。



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麦酒 ゆみ(ゆみっぺ)
ここまで読んでくれたあなたは神なのかな。