『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ』レビュー
『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ』
小川一水(著)
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百合SF、最近お流行りのようでー。
まあ、いいんですけどねー。
ただ、なんていうか、これ見よがしに百合百合してるの、ちょっと敬遠しちゃってたんですよね。どうせ流行りものでしょうー。なんて思っちゃって。
でもまあ、あの小川一水さんだし、きっと面白いハズ。と読んでみました。
……らっ!!
いやあ。だめこれやばい。ちょードストライクでっすよっ!//// ><
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はるか、西暦で言ったら八千年とか一万年ぐらいの遠未来の物語なので、最初はちょっととっつきにくい部分もあるにはありましたが、プロローグを過ぎ、本編に入るころには……立て続けに連投されるテンポのよい未来世界の状況描写と通な会話に即ひっぱりこまれ、あとはもうどっぷりその世界にハマってワクワクドキドキしながら一気に読みきってしまいました!
そう、ワクワクドキドキ。ちゃんとワクドキするエンタメ小説で、そのうえガッツリSFしていて、主人公の二人がちょーすてきかっこよくてかわいくて、釣りSF(!?)で、百合SFなのでした!(??)
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遠い未来の、遠い星系にある巨大ガス惑星。その軌道上に流れ着いた人類の子孫たちは、乏しい鉱物的資源をガス惑星の大気(高層ガス)圏を群遊する魚のような生物(?)に頼ることになります。昏魚と名付けられた異星生物は金属質の肉体で構成され、うまく捕獲(釣り上げる)ことができれば、人類船団に必須の資源を得ることができるのです。
本来、昏魚を釣る漁船、礎柱船には夫婦者の男女しか乗ることができません。夫が操舵手で、妻が網打ちというのが伝統的キマリ事。それ以外はナシ。ありえません。
そんな社会で生きている、幾度もお見合いをするものの、ちょっと普通じゃない網打ちスキルを持つがゆえになかなか相手がきまらない女漁師テラのもとに、謎の家出美少女、ダイオードが現れます。本来ありえない、いるはずのない女のスゴウデ総舵手が、自分とペアを組もうと言い出すわけです。
こうして結成されたありえないペアの漁獲もこれまたありえない、とんでもない好漁だったのです。が、因習にとらわれた男性中心社会では彼女らの功績や、女だけのペアが認められることはなく、ストレスがたまりつづける二人。
キマリ事だらけの社会的ストレスのなかで、規格外の二人がお互いに認め合い、魅かれあっていく過程がもうなんともうずうずしてきていいかんじですw
しっかし未来のSFなのに男性社会なのはどーにかならんもんですかね! ぷんすか! (あ、あとでその理由も説明されます。念のためw)
なお、先ほど書いたように、これ、漁師の話ですけど、しっかりSFです。漁の舞台がそもそもガス惑星の大気圏。魚も漁師の用語も現代の言葉に仮託していますが、それぞれがっつりSF的な意味づけがあってうれしくなっちゃいますw
礎柱船や昏魚といったSF的なガジェットにもしっかり理由、意味があり、最後には世界観を含めたセンス・オブ・ワンダーを味わえる展開がまっていますのですよん♪
で、で!!
しっかりSF、で、これでもかってぐらい百合SFなのでした。
いやーもうほんと、大好物です♡ ごちそうさまでした。
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※連続で二巻目もレビューしときましたあああ!!(テンション高すぎw)
一巻目でわかりにくそうな用語のプチ解説もしてあります☆ ネタバレしてないのでこちらもどーぞー☆
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