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『花を追え――仕立屋・琥珀と着物の迷宮』レビュー
『花を追え――仕立屋・琥珀と着物の迷宮』
春坂 咲月 (著)
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仙台にすむ女子高生・八重。彼女は着物がなぜか苦手(あとでその理由は語られます)。それでも趣味は純和風で、篠笛(しのぶえ)教室に通っています。
ある夏の夕暮れに、ふとしたことから着流しすがたの美しい青年・宝紀琥珀(とものり・こはく)と出会います。仕立屋さんというその職業柄か着物にやたらと詳しい彼に巻き込まれるようにして、八重は着物にまつわる様々な謎に挑むことになるのです。
最初のうちは身近な和風小物のミステリーなのですが、やがて物語に現れる、幻の古裂(こぎれ)「辻が花」と、八重と琥珀の隠された過去。
過去の謎が明らかになるとともに、二人の距離も徐々に近づいて……?
なかなかなじみの無い着物の世界を描いた良い感じのミステリーなのでした♪
一見クールで感情の起伏に乏しい八重ちゃん(まああんな過去があったんじゃ仕方ないけれど)と、謎めいた琥珀とのやり取りの距離感がドキドキで良いのですよーw
女子高生の心理描写は私的にリアルに読めましたけど、ミステリマニアやディープな恋愛モノが好きな方だとちょっと物足りないかも?
私は人がばんばん死ぬ系のミステリーはちょっと苦手なので、このくらいのライトな感じがちょうどよいのかもしれません。まあ、過去に亡くなった方はでてきますが、リアルタイムでは誰も死なない(と、つまらんって人もいそうですがw)お話です。
ただ、出てくる着物関連のうんちくはさすがです。全然知らなかったことばかり(もしかして着物マニアには常識なんでしょうかw)
出てくる裂(きれ)や着物の美しいことといったらもう。めっちゃ乙女心をくすぐられます。手はでませんけどねぇw
さてさて、このお話は第6回アガサ・クリスティー賞優秀賞受賞作なのだそう。春坂 咲月さんのデビュー作ですね。
↑のハヤカワさんのnoteによると、今のところ3巻まで続きが出ているようです。
↑こちらは著者さんの公式HP。
なお、新型コロナウイルス対抗(?)のハヤカワさんの電子書籍50%オフセールでもこの3作品は並んでいるそうです。この機会にまとめてポチっとしちゃおうかな?w
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