ネタ本紹介! 架空幻想地名事典三種盛り!☆
古地図に続いて、架空地名ネタ本3種のご紹介です。
まず、
『世界文学にみる 架空地名大事典』
#アルベルト・マングェル / #ジアンニ・グアダルーピ (著) / #高橋康也 (翻訳)
原本は1980年にHarcourt Brace,&Co.から出版された "The Dictionary of Imaginary Places" の翻訳で、日本語版は1984年に翻訳出版された架空地名事典です。
総項目数およそ560点。
日本人の良く知っている地名から、おそらくこの時点でこの事典収録でしか日本に紹介されていなかったような未知なる架空地名まで沢山載っています。
主に英文学(や、英語で書かれているファンタジー)から収録された架空世界の地名の事典になっていて、図版も多く入っていて読み応えがあります。
きっと、当時の作家の皆さんの多くもネタ本にしていたのでしょう、あの井上ひさしさんもこのように紹介されています。
死の瞬間まで手離したくない書物!!
すごいw そこまで大絶賛! ともあれ、たしかに面白いのです。
https://harcouthanmoto.com/bd/isbn/9784062001359
そして、その決定版がこちらです!
『完訳 世界文学にみる 架空地名大事典』
アルベルト・マングェル / ジアンニ・グアダルーピ (著) / 高橋康也 #中尾まさみ #安達まみ #林完枝 #桑子利男 (訳)
『完訳』に注目。原本は同じ本なので、タイトルは同じですが、内容は大幅に増えています。前書から18年後の2002年12月に和訳出版。(この完訳版の出版を待たずして、元の訳者の高橋康也先生は同年6月に永眠なされたそうです。南無><)
なんと 総項目1500余、127点の線描画、106点のイラスト・マップを収録、出典や原作者索引もモチロンついているまさに完全翻訳、まさに大事典です。
これは本棚に置いておくと箔がつきますヨーw
ただし、かなりの大著なので、本棚スペースは結構食っちゃいますね><
こういうのこそ電子書籍化してくれると便利なのですが、当然なし。そして当然のように絶版です><
もともと7千円ぐらいした高価な本ですが、今は古本でも1万円近い値段で売られているようです……。
探してみたら復刊ドットコムにもありました。欲しい方はポチってあげてください><
ものすごく膨大な情報量。どのページをめくって見ても興味深い記述がならんでいて、とてつもない時間泥棒ですw
そしてそして、
『幻想地名事典』
われらがネタ本事典を数多く出版されている新紀元社さんのTruth in fantasy事典シリーズの一冊。
こちらは、監修の山北篤さんによる序文で、上で紹介した『世界文学にみる 架空地名大事典』にふれ、それとは全く異なる視点で地名事典を作ろうとしたと書かれています。
『世界文学にみる…』は、その書名のとおり、英米の文学作品(やファンタジー)に登場する地名を主に取り上げています。架空の地名が乗っている本であって、架空ではないけれどファンタジー的に使われる地名はあえて乗っていないのです。(なので、『世界文学にみる…』には「アトランティス」は乗っていても「アーリントン墓地」(こっちは実在するので)は乗っていません)
また、もともと英語の本ということもあって、(空想であっても)日本の地名やアジアの地名、それに神話などに出てくる地名はあまり『世界文学…』のほうには乗っていませんでした。
ファンタジーのネタ本にすることを考えると、そのあたりが抜けているのは結構痛いですよね。そこをしらべたいのに! って項目が無いのは困る。
っというわけで、この本はファンタジー系のネタを扱う創作系の方々には痒い所に手が届くとても実用的な事典なのです。
※もちろん『世界文学にみる…』のほうもとても優秀なありがたい本なのですけどねw
📚
どの本にせよ、事典として調べものに使うのはもちろん、ぱらぱらとめくって適当なところを読むだけでもとても面白く、興味深いすてきデータブックになっています。
全部そろえるのは大変でも、興味あるどれか一冊だけでも本棚においておくと、楽しい空想旅行の時間のお供になると思います。冬の夜長におすすめですよー☆