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『蜘蛛ですが、なにか?』レビュー

1巻表紙

『蜘蛛ですが、なにか?』

馬場 翁(著/文) / 輝竜 司(イラスト)

🕷

めずらしくアニメ(と言ってもエンディングテーマ)から興味を持って読んでみた本です。全16巻。あとがきによると2015年12月から6年かけて、2022年初頭に本編は完結したようですね(外伝やコミックは続刊中!)
いんやー、おんもしろかったー。

ちなみにあらすじは、そのアニメのエンディングテーマのイントロでさくっと語られていますw

平凡、JK、古文、授業!
突然の 大崩壊!
時間、経過、意識、覚醒!
蜘蛛だった!
ああめちゃカオス!

「イントロで分かる、蜘蛛子さんのこれまで!」

もうこのまんま。です。
いわゆるモンスター系転生もの、そのうえ「ちなみに初期能力は最低限!(ぶい!)」という具合の最底辺スタート。

まあ、お約束通り苦労に苦労を重ねて蜘蛛としてレベルアップ&進化していき、無双展開へ、そして「いつかは人型アラクネさん♡」を目指すわけなのですが、歌の歌詞のとおり「でもそこまでは、めちゃ遠い……」というベリーハードな人生、じゃなかった蜘蛛生が描かれます。

こちらがそのED、「がんばれ!蜘蛛子さんのテーマ」。カラオケでなんとか再現してみようと頑張ってみているものの、途中の早口についていけず舌かみまくりの今日この頃です><

さて、その蜘蛛子さんの物語、昨今のぬるい転生ものは途中で飽きちゃうことが多いわたくしなのですが、このハードすぎる展開はしっかりラストまで楽しめました。

なお、「平凡、JK、古文、授業!」を受けていたクラス全員が転生しているもので、主人公の蜘蛛子さん以外はちゃんと(たいていは)人類に転生し、それなりに普通っぽい転生ものの展開も挿入されます。そちらを楽しみたい方も安心です(?)

私としては、最初は彼ら、仮に勇者さんチームとしておきましょうか。のヌルさと、難易度ルナティックな蜘蛛子さんのギャップがあまりに激しく、歌の歌詞にあるように蜘蛛の糸で勇者さんがぐるぐる簀巻きにされる展開を期待して読み進めていたのですけれどもw、なかなかそういうことにはならずに無念がってはいたのです、が。

そうこうしているうちに、あれ? もしかして、これって? と小さな違和感が膨らんでいきます。
頭の上に浮かぶクエスチョン・マークがしだいに大きくなり、やがて、物語の全体像が見えた時にはもうびっくり、完全に私のほうが物語の蜘蛛の糸に絡まれてハマってしまいました。
おんもしろいわ、これw

多少の粗(あら)も味にしてしまう勢いと魅力が詰まってます、さらにそんな粗い点を逆手にとってお話をひろげる展開はやられたあと感心することしきり。上手いなあの一言です。

EDテーマだけ見て、まだ実はアニメの本編は見ていないのですが、これならきっとアニメも期待できちゃいそう☆
アマプラさん、いれてくれないかなー?w

🕷


#馬場翁 #輝竜司 #KADOKAWA #転生もの #らせんの本棚

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