『ここはすべての夜明けまえ』レビュー
『ここはすべての夜明けまえ』
間宮 改衣 著
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第11 回ハヤカワSFコンテスト特別賞受賞作品です。
これがデビュー作なんてすばらしい!
「アルジャーノン」以来、ひらがな文体に涙腺がめっきり弱くなってしまったSFファンにむけられた(わけじゃないと思うけど)良作でございました!
えぐえぐ(涙)
この汁はきっと文体のせい!(違)
いやぁ、文体で興味を持ってちら読みし始めたら、ぐいぐい引き込まれて一気読みしてしまいました。
◇
物語はいまから100年後、その肉体を機械に置き換えてしまった女性が、100年前(つまり今)を回想する家族史の語りから始まります。
最初のうち、肉体の老いや死から解放された視点からの語りと思っていましたら、それだけでなく、家族の問題や性、人の業ともいうべきもろもろの何かを手放すことで、逆にその身に取り入れているような。一見稚拙に見える語りの裏がわに、人を超越した……(人であることをやめたことによって逆に人として理解できる)深い感性と感情が見えてきて、これはすごい。とうならされました。
現代日本、九州の地方都市の閉そく感。
ボーカロイドや将棋の電王戦なんかを交えつつ、まさに「いま」しか書けない時代の切り取り方と感性。
そして、人と機械の融合や、人間性や愛について考えさせられる長大な一人称がうまい。すばらしい!!
と、まあ、こんな内容をXに書こうとして文字数がたらず
こんな中途半端なレビューだったので、ちょっと長く(と言っても私としては短めに)ご紹介でした。
エモいSF読みたい方にとってもおすすめです! ぐっど!(∩´∀`)∩☆
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