『せきらんうんのいっしょう』レビュー
『せきらんうんのいっしょう』
荒木 健太郎(作) / 小沢 かな(絵)
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夏の空の風物詩、積乱雲の一生を描いた絵本です。
『ある夏の日、あたたかく しめった空気の「だんきくん」が ひまを もてあましていました』
からはじまる驚きの感動ストーリーです。いや、ほんとにw
積乱雲、つまりは入道雲ですね。
夏の空といえば巨大な入道雲がぬぬぬぬどーんとうかんでいる姿が思い出されます。(今年はあんまり外に出かけられなくて見られませんでしたが~)
雲は風にのってどこからかやってくる、だけではなく、その場所場所の気象状況によってじわじわと、または急速に発生したり消えていったりします。
夏の空といっても、空に突然あの入道雲がいきなり発生するわけではないんですね。
そんな入道雲さまがどのように生まれるかというと、最初は、暖気。そう、この絵本で言うところの「だんきくん」が暇を持て余し、ぼんやりと空をふらついているところから、なのだそうです。
そのなまけものの「だんきくん」が「れいきくん」と運命的な出会いを果たし、「せきうん」「ゆうだいせきうん」、そして「せきらうんうん」へと、高く、大きく成長していきます。
全編かわいらしい絵でつづられていますが、絵だけでなくとてもわかりやすく、そしてマジ感動的なストーリーでまとめられています。
裏帯(このnoteのトップ画像)にかかれている
『激励と勇気、朝鮮と葛藤、挫折と絶望-』
という、とても「雲」の絵本とは思えない展開ですが、これがまた、本当にこの空で行われているドラマなのです。
ぷかぷか風任せに浮かんでいるように見えて、その実激しい天災を引き起こすこともあるのは皆さんもご存じの通り。そんな、彼ら「雲」の実際の姿、そしてその役割りや気象の仕組みも学ぶことができちゃいます。すごい絵本ですw
ぼんやり空を眺めるのが楽しくなってくる、なかなか教育的な本でもありました。おすすめです☆
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著者の荒木健太郎先生のTwitterで解説されています。こちらもわかりやすいですね☆
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