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フロップCB戦略を簡略化して丸暗記したい① Aハイ編
自己紹介
ポーカーネーム:ras
大阪在住(2024/11~2025/3までOSL出てます。)
ポーカー歴:2023/9~
Xのフォローよろしくお願いします。
AIソルバーでベットサイズを固定して、フロップのCB戦略を簡単にしてみました。
— ras@ポーカーのnote書きます (@poker_ras) February 8, 2025
GTOとか知らん!
とりあえずオープンしたからCB打ってます!
みたいな人にオススメです。
めっちゃ噛み砕いてます。
反響よかったらAハイ以外のボードも調べて記事にします。https://t.co/pj21vl8CZS
学べる内容
GTOwizardのAIソルバー機能を用いて、CBを簡易化した戦略について紹介します。
ベットサイズの決め方についても解説してます。
初中級者向けにめちゃくちゃ嚙み砕いてます。
GTO知らなくても分かると思います。
ある日、、、
嫁「ねぇねぇ、ポーカーのことで質問があるんだけど」
ワイ(ヨメちゃん、最近ポーカー始めたんやったな。)
ワイ「なんや?なんでも答えたるで!」
嫁「プリフロのレンジを暗記したけど、次は何したらいいの?」
ワイ「それはまあ、フロップの勉強ちゃうか?」
嫁「フロップの勉強って…具体的になにしたらいいの?」
ワイ「なにって…」
嫁「フロップも何か覚えることがあるの?」
ワイ「…」
(もしかして、フロップもプリフロみたいに丸暗記できるんちゃうか…?)
ワイ「せ、せやで!フロップも覚えれるで!!」
ワイ「均衡解を知らんでも、プリフロはレンジ表だけで学べるやろ?」
ワイ「フロップもボードごとに均衡のアクションを覚えたらええんや」
嫁「そうなんだ。意外と簡単なんだね」
ワイ「早速フロップの種類を調べるで!!!」
カタカタッタッーーン!!!!
PC「フロップは約22000通りありマス」
PC「スートを考慮しなければ1755通りありマス」
ワイ「せ、せんななひゃくごじゅうごとおり…?」
ワイ「流石に全部覚えるのは無理や…」
嫁「覚えるのは代表的なボードだけでいいんじゃない?」
嫁「AKハイボードの3枚目が4でも5でも、アクションに大きな違いはないでしょ」
ワイ「せ、せやな。」
ワイ「似たようなボードを減らせば、、、、」
ワイ「…何種類や?」
・Aハイボード(今回12種類のボード)
・Kハイボード
・Q~Tハイボード
・ミドル以下のボード
・ペアボード
・ストレート完成ボード
・モノトーンボード
上記について合計で100種類くらいのボードを紹介する予定です。
ワイ「あ、シチュエーションによってもアクション変わるやん」
嫁「MTTの 40BB で CO がオープンして BB がコールしたシチュエーションでいいんじゃない?」
嫁「BTN と HJ も似たようなアクションになると思うし」
嫁「MTT で発生頻度が高そうなシチュエーションじゃない?」
ワイ「(ヨメちゃん、ほんまに初心者か…?)」
ワイ「ま、まあ試しに AK3r での CO のアクションを見てみるで!」
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ワイ「125% のオーバーベットが 17.2% の頻度であるやんけ」
ワイ「83% のベットの頻度、8.5% を合わせると…」
嫁「4回に1回は、大きいサイズのベット頻度があるのね」
嫁「でも、フロップでポットオーバーベットを使うと、ターン以降で難しいアクションが増えるから苦手なのよね」
ワイ「確かに、オールインまで到達しやすいアクションやな」
嫁「やっぱり、ベットサイズの選定は初心者には難しいわね」
ワイ「…」
ワイ「そ、それならいい機能があるで…!!」
ワイ「wizardのAIソルバー機能で、ベットサイズを固定すればええんや!!」
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ワイ「125% や 83% などの大きいベットサイズを省いて…」
ワイ「CO のベットサイズを20%, 33%, 55%で固定すると…」
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COのアクションをAIソルバー機能で、上記画像の4つに制限しています。
「赤色が濃い方がサイズが大きい」ということを覚えておいてください。
ワイ「大きいサイズのベットを選択肢から省いたら↑こうなったで」
嫁「へー、大きいサイズの選択肢がない場合、レンジ全体で 20% ベットを使用するのね」
ワイ「わかりやすくてええな!」
ワイ「この条件でいろんなボードをまとめれば…」
ワイ「フロップ最強マンになれるで!!!」
ワイ「(でも、こんなことして損(EVロス)せんのか…?)」
・各ボードで使用されるベットサイズと頻度
・どのようなハンドでベットサイズと頻度が変わるのか
に注目することでCBの傾向が見えてきます。
MTT cEV
Co raise 2BB
BB call
※均衡解には83%,125%の大きいサイズのベットが存在しますが、初中級者向けに簡易化するためAIソルバーでベットサイズの固定を行いました。
PFのraiseサイズは2BBに固定しました。cEVの2.3BBと同時に検証しましたが、オープンサイズがフロップのアクションに大きく影響することはありませんでした。
UTG~LJ vs BB より、HJ~BTN vs BB の方がライブでのHU発生頻度は高そうなので、今回はCO vs BB に限定しました。
Aハイのレインボーボード
左上にはAK3rを採用していますが、これは AK2rやAK4rと同じような特性を持っています。
同様に、AJ3rはAT3rやAJ4rと同じような特性を持ちます。
似たようなボードは似たようなアクションになることを前提に続きを読んでください。
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ワイ「CO にチェックレンジはほぼないなぁ」
ワイ「そして、AK3r が 20% の小さいサイズを使う頻度が最も高いんやな」
ワイ「対して、AKJr, AJ7r では 55% の大きいサイズをよく使っとるなぁ」
ワイ「なんでこうなるんや?」
嫁「BB に存在するドローコンボ数の影響ね」
嫁「AKJr では Q や T 持ちのガット、AJ7r には 89T 持ちのガットがいるわ」
嫁「ドロー持ちにはオッズの合わないサイズを使いたいし、ヒット系にはバリューを取りたいのよ」
ワイ「つまり、ウェットなボードでは降ろしたいハンドが多くあって、フォールドさせたときの価値が高い(フォールドエクイティが高い)ということやな」
ウェットならベットサイズが高くなる?
ワイ「ほんなら、超ウェットなボードでは超高いサイズを使うんか?」
嫁「逆よ」
ワイ「へ?」
嫁「ボードがウェットすぎると、ベットサイズは小さくなるわ」
嫁「例えば、J87 モノトーンのボードでは、55% のサイズはほとんど使われてないわ」
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ワイ「なんで大きいサイズは使われないんや?」
嫁「CO と BB の両者にナッツ級のハンドや、ナッツのドローを持っている可能性があるのは分かる?」
ワイ「お互いに AsXx を持ってる可能性があるわな」
嫁「ボードがウェットすぎると、大きく打っても降ろせないナッツ級のハンドが多くなるのよ」
ワイ「なるほど、ウェットすぎるボードでは降ろせないハンドが多くある(フォールドエクイティが低い)ということやな」
Aハイレインボーボードのまとめ
レンジ全体でCBを打つことが最も利益的となります。
ベットサイズは以下のような傾向があります。
・ボードがドライであるほどベットサイズは小さくなる
・ボードがウェットであるほどベッドサイズが大きくなる
レンジCBを打つ場合は、
「相手のBBディフェンスのレンジにどれくらいドローのコンボ数があるか」を意識すれば、よりEVの高いアクションを選択できます。
Aハイのツートーンボード
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ワイ「ツートーンボードはレインボーボードと比べると、55% ベットの頻度が増加しとるなぁ… 」
ワイ「代わりに 33% ベットの頻度は減少しとる…」
ワイ「ツートーンボードになって、よりボードがウェットになったからやな?」
嫁「その通りよ。」
ワイ「あれ?でもワイがフラッシュドローを持ってたら、大きいサイズ使われても降りへんけどなぁ」
嫁「そうね。フロップでの2枚使いのフラッシュドローはかなりディフェンスすることができるわ」
嫁「でも、大きいサイズを使うことで、ダブルバックドア持ちのハンドやローのポケットペアを降ろすことができるわ」
ワイ「なるほど、スペード持ちのオフスートハンドが全部、バックドアフラッシュドローなんやな」
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嫁「黄色枠の部分に着目すると、ダブルバックドアのほとんどを降ろせることが分かるわね」
ワイ「ポケットペアもコールしてへんな」
嫁「CB のサイズによって、BB側は何がコールできて何をフォールドするのか、その差を比較するとベットサイズの重要性に気づけるわね」
AK3ツートーンボードについて
ワイ「若干やけど、モノトーンボードに比べてチェックレンジも増えとるな」
嫁「AK3tt のボードでは 10%程 のチェック頻度があるわね」
ワイ「チェックしてるハンドは QQ以下のポケットの一部と、Kヒット弱キッカーがほとんどやな」
嫁「大きいサイズのベット頻度が増加したことで、ベットすると価値が落ちてしまうようなショーダウンバリューのあるハンドの一部をチェックに回すことができるようになったのね」
ワイ「確かに、QQ, JJ は A と K 持ちのハンドに負けとるし、それ以外には現状勝ってるからベットしたないわ」
ワイ「ん?QQ よりローのポケットの方がベット頻度が高いな…」
ワイ「なんでや?」
嫁「ミドルのトラッシュハンドを降ろせるからよ」
嫁「ドローのない J9s や T8o なんかのトラッシュハンドは 20% の小さいベットにもコールできないわ」
嫁「ローのポケットでベットすると、逆転される可能性のあるトラッシュハンドからエクイティを奪うことができるのよ」
ワイ「なるほどなぁ…勉強になるで…」
嫁「ボードの比較も大事だけど、ハンドごとにベットサイズや頻度がどう変わるのかに注目すると、丸暗記しなくてもベットサイズの傾向が掴めてくるわね」
Aハイのツートーンボードのまとめ
Aハイのレインボーボードに比べてボードがウェットなため、レンジ全体でベットサイズが大きくなります。
レインボーボード同様、ストレートドローの多いボードの場合にベットサイズは大きくなりやすいようです。
AKハイボードにおいては、QQ以下のポケットやKヒットの一部をチェックに回しています。
全体的にベットサイズが上がるため、ベットすると価値が落ちるようなハンドをチェックに回します。
小さいサイズを使った場合に降ろせるハンドがレインボーボードより少ないということを意識しましょう。
Aハイボードのまとめ
ワイ「Aハイのレインボーボードとツートーンボードでは、やっぱりオリジナルの方がレンジ全体で有利やから、とりあえずベットすることが利益的になることが分かったで」
嫁「大きいサイズを省くことでポラーな戦略が取れなくなったから、レンジベットが主な戦略になったわね」
ワイ「また、ドローが増えるほどにベットサイズが大きくなったのは意外やったで」
嫁「大きいサイズを省いても、ボードによって戦略に差があったわね」
ワイ「Aハイボードではとりあえずベット!」
ワイ「ドローが多そうならベットサイズが大きくなる!」
ワイ「これだけ覚えとったらええな!」
Aハイのレインボーボードでは、
・ストレートドローの有無
・ストレートドローのBB側のコンボ数
でベットサイズが有意に変化することが分かりました。
Aハイのツートーンボードでは、フラッシュドローが増えるためベットサイズが全体的に大きくなることも分かりました。
このようにボードの条件でベットサイズが変わることを意識して、CB戦略を構築しましょう。
大きいサイズを省くことによるEVの減少
ワイ「大きいサイズを省いたCB戦略を調べたんやが、」
ワイ「こんなことして損(EVロス)しないんやろか?」
嫁「ある程度の損はするわよ」
ワイ「具体的には、どんな損をするんや?」
①valueの取り逃し
ナッツ級ハンドを持っている場合に、相手の強レンジに存在するハンドから獲得できるvalueを取り逃すことがあります。
②レンジベットによって得られるEVを失う
大きなベットサイズを選択肢から除くことで、戦略の大部分がレンジベットとなってしまいます。そのためチェックレンジを作れなくなり、マージナルハンドのEVをロスすることがあります。
ワイ「…アカンやないか」
嫁「もちろん多少のEVロスはあるわ」
嫁「ただ、ターン以降のアクションでミスをして、より大きなEVロスをする可能性があるのなら、」
嫁「大きいサイズを省いた戦略を使った方が簡単だしミスが少ないわよ」
ワイ「た、確かにそうやな…」
嫁「少なくとも、戦略の大部分がレンジベットだったとしても、-EVのアクションにはならないわ。」
ワイ「つまり、ベットサイズを限定すると、、、」
嫁「バリューハンドが多少EVロスすることはあるけれど、レンジ全体で見れば確実にミスを減らすことができるわ」
ワイ「ローリスク ローリターンな戦略ということやな!」
ベットサイズの制約によって、ナッツ級のバリューハンドたちはEVが最大化できないことはありますが、その分マージナルなバリューハンドのEVが確約されます。
そのため、レンジ全体で見れば大きなEVロスにはならないようです。
大きいサイズのベットについて
今回は、初中級者向けに簡単にしたフロップCB戦略を紹介したかったので、AIソルバーを用いて大きいベットサイズを選択肢から省いたフロップのアクションを紹介しました。
国内ライブMTTにおいて、フロップから大きいサイズのベットを選択できるプレイヤーは少なく、それだけ難しい選択肢であると言えます。
均衡通りに125%などのポットオーバーベットを選択すると、ターン以降で「ポットをあきらめなければいけないハンド」「 -EV に直結するアクション」も増えてしまうため、やはり楽をするような選択肢ではありません。
また、バリューハンドの選定は簡単ですが、ブラフハンドの選定は初心者には難しいのかなと思います。
そうなるとやはり均衡解への理解が必要になるため、大きいサイズを省いたCB戦略を紹介しました。
ただ逆に考えると、大きいサイズのベットで相手に難しい選択を押し付けることで、相手のミスから生まれる-EVから利益を得ることができます。
より多くの選択肢を持ちたい場合は、ベットサイズの固定をせずに均衡解の勉強をすることをオススメします。
ベットサイズがどのようにして決定されるのか知りたい方には、以下のwizard blogがおすすめです。
最後に
ポーカーの記事は、有益な記事ほど内容が難しいです。
「wizardに契約していなければ門前払い」というのは当たり前で、有益な記事を読むには、やはり均衡解の理解は必須だと思います。
しかし、「GTOはわからないけど、ポーカーはうまくなりたい!」という層も自分の周りには多くいます。
そのような方向けに、MTT簡略化記事を書ければと思います。
X(@ras_poker)の反響が良ければ以下のボードも記事にする予定です。
・Kハイボード
・Q~Tハイボード
・ミドル以下のボード
・ペアボード
・ストレート完成ボード
・モノトーンボード
今回の記事は、りおんくん(@rion_poker_sss)に監修していただきました。
GTO wizardを使用した分析記事を投稿しているすこやかぽーかー会を運営されていますので、気になった方はぜひ覗いていってください。
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