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元勇者パーティーの雑用係だけど、実は最強だった〜無能と罵られ追放されたので、真の実力を隠してスローライフします〜㉝

「こ、ここはどこなんだ……? 一体どういう原理で……俺、どうして……って、
ああ。ここの景色見覚えあるし。という事はつまり……この世界での……
過去の時間軸か何か……ということか……?
俺、ここにいるけど…… そうすると今の状況って何なの!?」
と混乱状態に陥りかけたが冷静になるために頭を一度振る。
そして深呼吸すると落ち着いて来た俺は周りをもう一度観察することにした。
そして俺の予想通りに、
「俺は過去にタイムスリップしている……と。なると問題はここからどうしたら未来に
帰ることができるかという所にあるのだが……どうやったら帰れるんだ……どうしろと言うんだ……」
そうつぶやくが答えを返してくるものはいなかった。
そうして、暫く時間が経ち、ここにいて何もすることが無いので仕方なく
俺はその場から動かずに座って待機することに。
すると……突然光が現れるとそこにはエルミアが現れるのであった。
俺はその姿を見ると急いで駆け寄ったのだが彼女は気絶していて、
意識を失っており俺の腕の中で倒れ込んだまま動かないのであった……。
俺はエルミアが目を覚ますのを待っている間、この場所が本当に過去だというのかを
改めて確認するために記憶の整理を行っておくことに決めるのであった。
そうすると俺は、
「この女性が俺の未来の嫁でいいんじゃないか! 間違いない! そう考えるだけで興奮してきた」
と俺は叫びそうになっていたがそれは流石に我慢していた。
それから少し経った頃、エルミアが起き上がったので声を掛けると
まだ状況を理解できていないらしく戸惑っていたので簡単に説明をしてあげた。
俺が何者かであるのかをエルミアは知っているため話は早かった。
「ところでなんでお前は俺のところに一人でやってきたんだ……?
危ないと思わなかったのか……いや、そんなことは聞かないでおこう」
俺はエルミアの安全を確認しつつそう告げる。
「それはですね。貴方が……いえ。なんでもありません」
「……は!? 俺が何をしたというんだ……」
(まさか俺が何かしたとでも言いたいのではないだろうな……)
そう考えた俺は、エルミアに問い詰める。
その言葉を受けたエルミアが動揺し始めた為、俺は更に追及を始めると……エルミアは俺から逃げていく。
しかし追いかけっこをする事になり俺はエルミアを追い詰めると抱きしめた。
「もう逃がしたりなんかしないぞ……」
と囁いた。
エルミアはその言葉を聞いて抵抗する力を無くしたようだがそれでもまだ諦めてはいないらしい。
だが俺は構わず続けるのだった。
「俺の妻になるのならこれからずっと一緒だよ……」
「わたしも好きぃ~」
と言いながらエルミアの方からキスを求めて来る。
それを受けて俺は彼女を優しく抱きしめ、そしてお互いの気持ちを確認するためにゆっくりと愛を深めて行く。
その後エルミアと一緒にここから脱出し、町へ戻るとそのまま宿へ行き、お部屋へ着くなりベッドイン、
「ふぅ~。今日も疲れましたぁ」
と言いながら俺の隣に横になるとそのまま抱きついてきて俺を求め始める。
それに対して俺は優しく微笑むとエルミアの求めに応じてあげる。
エルミアは幸せそうな顔をしており嬉しく思っていた俺はエルミアに優しく口づけを行った。
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「ん……。あなたぁぁぁぁ大好きです。もっとぉちょうだい!」
と言われた事で俺はエルミアに答えるようにして再び熱い行為を繰り返したのだった。
翌日、二人で一緒にギルドへ向かうと依頼を探しに受付まで向かい、俺達はとある仕事を受けるのであった。
それはドラゴン退治。報酬額が高く、俺達にとっては非常に良いものであったのだ。
そのお陰もあってかその日のうちに依頼を受けることができたのであった。
俺達は、準備を整えてからすぐに出発した。
目的地に向かうまでに何度かモンスターに遭遇することもあったが、
それらをすべて蹴散らすとやがて目的とする地域に到着すると目の前に大きな山が見えてきた。
そこで俺は違和感を覚えたのである。
「なぁ。おかしいなこのあたりはこんな感じではなかったはずだぞ。
俺は昔この辺の地域のモンスターと戦ったことはあるがこんな風にはならなかった。
それにこの先に進めば俺達が行こうとしている村があるはずなのだが。
俺の記憶が確かならばその村の付近にダンジョンなど無かったはずだが……」
俺は不思議に思いながらも進む。
だがしかしエルミアも同じく俺の言う事を不審に思ったようで
「私もね、このあたりの地形は全然違う気がするのよねぇ~。
私の故郷にそんな大きな火山があったようなところは無かったのよね。
それなのに、まるで別の大陸に迷い込んでしまったかのような錯覚に囚われてしまうのは何故?
私は気になったのよ。だって普通じゃ考えられないことでしょう? だから聞いてみたの。
その疑問を。そうしたらいつのまにかね、私が暮らしていたはずの世界に、
まったく見たこともない場所にいつの間にかついていたの。
だからねこれは絶対に何かがあると思うのですよ。そうでしょう?
だって明らかに変じゃないですか!」
そんな話をするエルミアに対して確かにそう言われればそうであるなと思うわけだよなと
考え直すがしかしだとしてもこの辺りの地域ではないということは確かな訳だ。
そんな場所でいったい何が起きているんだろうなと考えてみるが全くと言ってもいいほど
分からずじまいでしかなかったのだ。
とりあえずは情報を得るべく村に行けば分かるだろうと安易な思考を
しているだけだったわけだけれどさ?
とりあえずは向かうしか選択肢がない為にこのまま進んで行くことにしたのだけれどね……。
だけどね。目の前にあった村は廃墟となっていて完全に崩壊している状況となっていたのですわ?
「うーん。どうなってんだよこの有様……なあなあ。おいっおい! 誰かおらんのかっ!」
と俺が声をかけるも返事が返ってくることはなかった。
なので俺達はその村でしばらく休むことにするのだった。
そして次の日。俺は昨日の夜の出来事が未だに納得できないでいたという事もあり、
気分が沈んでいたがいつまでもそうしている場合でもないと考えたからこそ俺は外に出て周辺を調べていた。
そのついでに他の場所にも顔を出したがやはり人の気配はなく、無人となっている。
俺達は仕方がなく帰ることにする。そうして俺は宿屋に戻る。
そうしてから俺は部屋の扉を開けるとそのまま入室しようとした。
「あら? 帰って来たんだね……。遅かったね、待ってたんだけど……。あれ? あんた誰?」
と一人の女が現れてそういった後、彼女は何かを考え込んでいたようだったが……。
そうすると、突然女の姿が変わる、それと同時に男に変化する、
そしてさらに変わる、と次々と姿を変化させていき最終的に、先程現れた女性と同じ見た目へと変化する。
それを見た瞬間、俺は嫌な予感を覚えて戦闘態勢に入り構えた直後、
そいつね……いやその女性は笑いだすと……姿を変えて今度は男の外見となると同時に、
こちらへ向かって攻撃を仕掛けてくるのである!
それを見ていた俺は何も出来ないまま直撃を食らってしまう!
「くっ! 貴様、俺を殺すつもりか! 許さないからな、絶対にだ!
俺に攻撃したことを必ず後悔させてやるからな。
覚悟しておくことだ! はあっ!」
俺は、そう言った後に剣を振りかざすも……あっさりと
避けられてしまい反撃を受けそうになったから即座にその場から離れようとするが
間に合わずにダメージを受けてしまった!
そう……その攻撃を受け続けた俺は、徐々にHPが減っていってしまう。
その攻撃をなんとかしのぎ切ったが、その時にはすでに俺の体力は限界に近づいている。
その事を感じ取った俺は急いで逃げる。とにかく走るのだった!
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「ちょ……なんなのこ……こ……ろ……。……え? こ……これは一体どういうこ……なの?
ねえ、どうしてなの? なんで? どうして!?」
そう叫ぶ彼女を見て……俺は焦っていた……なぜなら俺の顔に血が飛び散ってきたからだ。
俺が振り返り確認すると……なんと彼女が刺されているじゃないか!?
しかも背中を……心臓付近を貫かれているだと……!?
(俺は慌てて駆け寄ると回復魔法を掛ける)
俺は彼女の事が心配で必死になって癒していく……そして傷が塞がると彼女は安心したのか目を閉じていく。
それから少しの間沈黙が続く……が、唐突に起きた出来事に驚いた。
何故かいきなり背後から襲ってき奴に捕まって首を絞められたので俺は苦しくて堪らなかった。
どうにかしようともがいたが敵わないし力が強くて振り解けなかった!
そして、とうとう首が締まる力が強くなり俺は、そのまま息が止まり意識を失う。
次に俺が起きた時に目にしたのは知らない天井……そして見知らぬ部屋にいる俺であった。
周りには人影はない。そして起き上がろうとすると……手足が鎖によって縛られていた事に
気づくと……俺は絶望の淵に立たされていると理解して恐怖を感じるのであった!
俺は目が覚める。そうすると、隣には寝転んでいるエルミアがいる。
だがエルミアはまだ眠っている。
そんな俺は手足の鎖をスキルで解除するのだった。
可愛い女の子が無防備にすぐ傍で横になっている。
その姿を見るとなんだかくるものがありましてですね、俺はエルミアに手を触れようとした。
そうすると……急に何かの視線を感じた。
その正体を確かめようと周囲を見回すと、
「……お前さん……何をするつもりなのかしら……何が起きるのか分からないこの状況を楽しんで……
そういう趣向もあるから何も言えないけど……」
とか言っている女性がそこにはいた。
(俺は咄嵯に近くにいたエルミアを抱きしめると庇ったのである……! 俺は急いで立ち上がる)
「……ふぇ……。んぅ。はれ……? どうしたんです……きゃぁぁぁ!」
俺はエルミアが起き上がった途端に飛び退くようにその場から離れて距離を取った。
俺は、今の現状が危険であると判断しエルミアが目を覚ます前に、
逃げないとと思い逃げ出そうとするが既に遅い……。
(俺は後ろを向いた時に声をかけられて動きを止めたのだ)
「……貴方……もしかしたら……勇者? ……それともあの子を助けてくれたのかな……ありがとう……
貴方は……助けてくれるかもしれない……お願いします。
彼女をどうか守ってあげてください……私を好きにしていいです……どんなことでもしましょう……だから……
せめてエルミアだけは無事でいてやってほしい……それだけで構わないんだ……。私は……いいんだ……」
俺はそう言われると戸惑ったがすぐに理解できた。
つまりこの人はもう助かる見込みがない状態なのだと。
そう考えると俺は居ても立っていてもいられずにこう叫んだ……。

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一ノ瀬 彩音
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