元勇者パーティーの雑用係だけど、実は最強だった〜無能と罵られ追放されたので、真の実力を隠してスローライフします〜㉕
俺はその衝撃で吹っ飛び壁に激突して意識を失った。
そしてしばらくしてから俺は目を覚ました。
俺は体を起こすと、隣ではユリセシアが下着姿で寝ていて、その豊満で綺麗な乳房が俺の目に飛び込んできた。
俺はその乳房に手を伸ばそうとして、その寸前で止めた。
そして俺は昨日の事を思い出した。
ユリセシアを押し倒した後、俺はユリセシアの乳房に触れた。
そしてその柔らかい感触に興奮してしまい、ユリセシアを押し倒し、その豊満な乳房に手を伸ばしてしまった。
しかし、俺はその直前にユリセシアにビンタされて、気絶させられてしまったのである。
その後どうなったかと言うとユリセシアは服を着替えてから、
部屋を出て行ったようで、今の今まで帰ってこなかったというわけである。
ちなみに、現在の時刻は朝であるらしい。
窓から外の様子を窺うと太陽の位置を確認することが出来たのだ。
つまり現在位置は森の中ではなくどこかの街の中ということになる。
街の名前は知らないが、この街はおそらく王都だろうと思われる。
何故なら街のあちこちに騎士の姿が見えるからである。
そのことから推測する限りここは王城がある場所の近くであると考えられるのだ。
さすがは勇者様御一行だと言えるだろう。
そして俺がそんなことを考えていると部屋の扉が開いたのでそちらを見るとそこにはユリセシアが居たのだ。
「起きたのね。おはよう。体の調子は大丈夫かしら?」
ユリセシアは心配そうにしながら俺に尋ねてくる。
俺はユリセシアに答える。
「ああ、問題ない。ところで俺はどれぐらいの間気を失っていた?」
「大した時間ではないわ。せいぜい十分程度といったところだと思う。
それよりも貴方は私に何か言うことがあるんじゃないの?」
「そうだな。まずは謝ろう。すまなかった」
俺は素直に謝罪することにした。
「そう、それじゃあお詫びをして貰わないとね」
「お詫び?」
「そう、私の言うことを何でも聞いてくれるっていうのはどうかしら」
「分かった。それで許してくれるのであればいくらでも言ってくれ」
俺はユリセシアのお願いを聞くことにした。
「それじゃあさっきの続きをしましょ」
そう言ってからユリセシアは俺の唇を奪いに来ると、舌を入れてきて口内を犯し始めた。
そして俺はそんな彼女の行動に対して抵抗しなかった。
むしろ俺の方からも彼女の唇を求めに行ってしまうのであった。
「んちゅ……ふぅ……れろ……じゅぷ……ユウト……大好き……愛してる……ユウト……」
彼女はキスをしながらひたすら俺の名前を呼んでいたが、
「俺も……だ……俺も……君を愛してる……」
俺もその言葉に返事をする。
そして俺達はお互いに抱きしめ合いながらキスを続けるのであった。
そしてその日は結局一日が潰れてしまうのであったが、俺にとっては充実した日になったのであった。
俺はその日、俺の部屋に居座っているユリセシアと二人きりで過ごしながら、
「なぁ、そろそろいいかげんにしてくれないか?」
と彼女に尋ねた。
彼女は俺の膝の上に座り、俺に抱き着きながら、俺の胸を触り続けていた。
俺はそんな彼女の頭を撫でてやり、落ち着かせてやる。
そして俺は彼女に言った。
「いい加減に俺の上から降りてくれ」
ユリセシアは俺の胸に顔を埋めたまま、俺の服をぎゅっと掴むと、首を横に振った。
「嫌です」
俺はそんな彼女の態度に少しイラつきながらも言う。
「あのな、お前が俺にくっついているせいで俺は仕事が出来ていないんだ。
それに、俺の邪魔をしている自覚はあるんだろう? なら早くどいて欲しいんだが」
俺がそう言ってもユリセシアは俺の体に抱き着いたまま、動こうとはしない。
そんな彼女に俺は言う。
「なぁ、頼むからどいてくれないか? 俺はこれからやらなければならない事があるんだよ。
それが出来ないと困るんだが……」
俺がそういうと彼女は俺の顔を見てから、少しだけ残念そうな顔をしてから、俺の体から離れた。
俺はそんな彼女に尋ねる。
「なぁ、俺の事が嫌いなのか?」
彼女は俺の問いに対して、首を左右に振る。
「違うの。私はただ……」
彼女はそう言いかけた後、黙ってしまう。
83.
俺はそんな彼女に対して、
「まぁ、とりあえずはもうしばらくここに居るといい」
と言ってから俺は作業に取り掛かる。
それから俺はしばらくの間、作業を続けて、ある程度まで終わった所で休憩を取る事にした。
そして俺はユリセシアに話しかける事にした。
「そういえば君は俺の事をどこまで知っているんだ?」
俺はそう質問をした。
すると、
「何も知らない。だってユウトの事は何も教えてくれないんだもん」
と彼女は言ったのだ。
俺はそんな彼女の言葉を信じる事は出来なかった。
「君は一体何者なんだ?」
と俺は問いかけた。
すると彼女は答えた。
「私の正体は、魔王軍の幹部の一人よ。名前はユリセシア。
そしてユウトの幼馴染でもあるのよ。
ねぇ、私もユウトの事が好きなの。だから私も仲間に入れてよ。
私も一緒に戦いたいの。
私もユウトの力になりたいの。
だから私も連れていってよ。ねぇ、ユウト。
私をユウトの仲間にしてよ。
私もユウトと一緒にいたいの。
だから私もユウトのパーティーに加えてよ。
ねっ、ねっ、ねっ、ねっ」
彼女はそう言いながら俺にすり寄ってくる。
俺はそんな彼女を引き離すと、俺は彼女に告げた。
「悪いが君の願いは聞けない」
俺はそう言い切った。
「どうしてよっ! どうしてダメなのよっ!」
彼女はそう言いながら泣き出した。
俺はそんな彼女を抱き寄せてから優しく背中をさすってやった。
それからしばらくして彼女が落ち着いた頃を見計らってから俺は言った。
「すまない。だが、それでも君を連れていくことは出来ない」
俺はそう言い切ると、ユリセシアから離れて立ち上がると部屋から出て行こうとした。
しかし、その前にユリセシアに腕を捕まれてしまった。
そして俺の腕を掴んだ彼女は言う。
「どうして……どうして……どうして……どうして……どうして……どうして……」
「ユリセシア……君が俺の事を好いているという気持ちは嬉しい。だが、俺は君を連れて行くことはできない。
俺には俺の事情があるのだ。だから君を俺の旅に連れて行くことは絶対にできない。
だから俺は一人で旅に出ようと思っているのだ。
だから、俺の前から消えてくれ。そして俺の事は忘れてくれ」
彼女はその言葉を聞いて、俺の体から離れると、そのままどこかへと走り去ってしまった。
それからしばらくして、王都の門の前にたどり着いた。
王都に入るためには身分証が必要になるのだが、
この世界では冒険者は冒険者のギルドカードで入れるらしい。
なので、俺も冒険者として王都に入ろうとしていた。
俺は王都に入ると、そのまま王都にある冒険者ギルドに向かった。
そして王都の冒険者ギルドの中に入った後、受付へと向かった。
そして俺はそこで、王都で受けられる依頼について尋ねた。
「すみません。王都で受けることができる依頼を受けに来たのですが、何かありますか?」
俺がそう聞くと、
「はい。ございます。こちらの依頼などどうでしょうか?」
そう言われてから俺はその紙に書かれた内容を確認した。
そこには、
・ゴブリン退治 報酬額 銀貨10枚 と書かれていた。
俺はその依頼を受けることにした。
そして俺はその日、その村に向かうことにした。
その村は森に囲まれている場所にあった。
そしてその村の村長に話を聞くと、最近になって近くの洞窟に住み着いたゴブリン達のせいで、
作物が荒らされたり、家畜を襲ったりと被害が出ているらしい。
そのため、その問題を解決して欲しいと頼まれたのだ。
そして俺は早速、問題の洞窟へと向かうことにした。
俺は森の中を進んでいくと、やがて目的の場所に到着した。
そして、中の様子を窺うと、確かに奥の方から物音が聞こえてきた。
俺はその音を頼りに進んで行くと、やがて開けた場所に出た。
そして、その先には大量のゴブリン達が居たのである。
84.
俺はその光景を見た瞬間に、すぐに剣を抜き戦闘態勢を取った。
そして俺は魔法を発動させる。
「我は汝に命ずる。我が魔力を持って世界を改変せよ。
そして今こそ現れ出でよ。炎の精霊サラマンダー!」
俺がそう叫ぶと、俺の目の前に巨大な火柱が上がり、その中から、一匹のドラゴンが現れたのだ。
その姿を見て、俺の従魔であるドラコが言う。
「ほう、こいつは凄いな。まさかこれほどの力を持つ魔物と契約しているとはな」
俺はそんなドラコの言葉を聞きながら、
「さぁ、行け。あのゴミどもを焼き尽くせ」
と命令する。
そして、俺の命令を受けた火の竜はその口から火炎を吐き出した。
それはまるで天を焦がすかの如く燃え上がりながら敵を殲滅していく。
敵は全て灰になるまで燃やし尽くすまで止まらなかった。
そして俺はそんなドラコを褒めてやることにする。
するとドラコは嬉しそうな表情を浮かべる。
俺はそんな彼女に尋ねることにした。
「ところでさっきから気になっていたんだがお前は一体何者なんだ?
ただのトカゲではないんだろう?」
と尋ねると彼女は答える。
「ふむ、そうだな……。私はかつて勇者と呼ばれた男と共に戦った事もある最強の存在だと言えば分かるかな?」
彼女はそう言うがいまいちよく分からないのでさらに詳しく説明を求める事にする。
「どういうことだ? もっと分かりやすく言ってくれ」
俺がそう言うと彼女は答える。
「つまりだな。私が人間だった頃の名は、リリアナ=シルフィスと言う名前なのだが、
覚えているだろうか? そして、私の契約主は、元勇者様御一行のメンバーで、
今は辺境の小さな村に暮らしていると言われているんだが……」
俺はその名前を聞いた時思わず叫んでしまった。
「なっ、なにぃー!?」
俺はそんな彼女の言葉に驚きを隠せなかった。
何故ならその人物は俺がよく知る人物の名前であったからだ。
彼女はそんな俺の反応を見てから、続けて言った。
「やはりそうなのか。久しいなユウトよ」
彼女はそう言いながら俺に近づいてきた。
俺はそんな彼女に尋ねる。
「ちょっと待て、どうしてお前はそんな姿になっているんだ?」
俺は彼女にそう尋ねると、彼女は答えた。
「ああ、これはあれだよ。ほら、私は元々ただのトカゲではなくて、
元々はドラゴンの姿をしていただろう?」
彼女はそう言うのであった。
俺はそんな彼女の言葉を肯定してやる。すると彼女は続ける。
「それで、私は元の世界に居た頃からずっとあの姿で過ごしていたんだが、
ある日、私はある事件に巻き込まれて、その結果、私は一度死んでしまったんだ。
そして私は死んだ後に、神を名乗る者に出会ってな。
そして、生き返らせてくれる代わりに、私に新しい体を与えてくれたんだ」
俺はそんな彼女の話を黙って聞いていた。
それから彼女は俺に言う。
「ちなみに今の私の姿は本来のものとは違うぞ。本来の私の姿はこれよりも大きいからな。
それに、あの体だと色々と不便なことも多いんだよ」
彼女はそんな事を言う。