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元勇者パーティーの雑用係だけど、実は最強だった〜無能と罵られ追放されたので、真の実力を隠してスローライフします〜㉗

「その時の貴女ったらものすごく顔を真っ赤にしちゃっていて可愛かったものよね。
しかも覗きをしている最中もまるで石像のように固まってしまっていたし」
そんな言葉を口にした。
そんな彼女の言葉を聞いて俺は言う。
「おい待ってくれ。さっきはお前のその服を脱がしたいと言っていたはずだろう?
それじゃあさっきの発言と矛盾するぞ? あと、なんだか様子がおかしくないか?」
俺はそんな風にユリセシアに伝えたのだが彼女は首を横に振ってきた。
その反応を見た俺は今度はドラコの方を向いてから言う。
「お前は何を考えている?」
とそんな俺の問いに対してドラコは言う。
「そうですよ、まさかその話をしてその程度で私が黙るとでも?」
その瞬間、
「うぐ……」
と言ううめき声とともにドラコが胸を押さえていた。
「一体どうなった?」
俺が尋ねるとドラコは答えてくれた。
「彼女の中の私の闇属性魔法に対する耐性を弱体化させました。
それにしても随分と可愛い呪いですね。
私の魔眼の力とドラコさんの魔力の力に勝てる要素はありません。
さらにこのタイミングでさらに追撃を仕掛けます。ユウトさんに触られる度に激痛が走ります。
ついでに痛み止めの薬を差し上げましょう。ただし即効性のものです。
まぁこの程度の苦痛なんて今の貴方の苦しみと比べたら大したものではありませんね。
しかし貴方が苦しんでいるのを見ているのは辛いです。ですから頑張って耐えて下さい。
その甲斐あって貴方の魂の器を大きくすることができると思いますから」
ドラコはそう口にして微笑を浮かべたのである。
「まぁいい、それでさっきの話の続きだが、俺の裸がどうとかいっていたが、どういうことだ?」
俺はそんな風に彼女に尋ねたのだ。
そんな俺の疑問に対してもドラコは笑って答えるだけだった。
すると彼女は俺の手を握りしめながら言う。
「先程の話は完全に忘れて頂いて構いません。
それで本題に移りますが、その前にステータスの振り方についてお伝えしておきますね。
まずは能力についてで、身体能力についてはどうなされますか?
現在の体力の数値に応じて振り分けが出来ます。
しかし、それだけだと心許ないかもしれせんので、特殊能力の項目があります。
そこに割り振ることで肉体の強化を行うことが出来ます。
例えば筋力、耐久力、敏捷力などですね。それ以外にも様々な項目が存在していますが、
そちらについてはまだ教えなくても良いでしょう」
俺はそんな言葉を聞くと同時に能力についての画面を開き直してから考える。
とりあえず今はポイントを貯めておくべきだと考えて俺は能力については保留しておくことに決めた。
そんな訳で俺は早速能力を決めるために画面に目を向けてじっくりと見つめることにしたのであった。
俺は能力を決めかねている。
そこで俺はある提案を二人に持ちかける事にしたのである!
それは何かといえば、【二人で一緒に決めようぜ!】だ!
つまり共同作業だ!
(意味深)
というわけで俺は二人に能力の選択をしてもらうことになったのだ!
89.
「俺の能力はこの通り決めた」
そう言ってから俺はまずドラコに問いかけてみた。
「俺の能力はどういった物だと思うんだ」
俺のその一言に対してドラコは答える。
「おそらくユウトさんの今のレベルや数値的な強さを最大限に活かすことができる内容だと予想できる。
だってレベルを上げるのは地道な努力と素質の力が関係しているから 簡単に上げることはできないと思うよ。
レベルというのはあくまでも大まかな指針のようなものだしね。
まぁでもそんな事を言っていても仕方ないし実際にやってみたほうが早いかな」
と言いながらドラコは俺に手を伸ばすと
「やっぱり直接触れないと測れないみたいだから手を貸してもらえる?」
と言われる。
そんな俺が戸惑いながらも差し出した左手を彼女はしっかりと握る。
ちなみにその間もずっと俺の手にチクチク刺すような刺激があった。
ちょっと気持ちよかった……癖にならなければ嬉しいけどやめてくれとは言えない感覚。
なんか変なことを思い出しちまった。
とにかく俺はドキドキしながらも次の段階に移ろうとした。
「ねぇユウトさん、私にキスをしてもらってもいいかしら」
そんな言葉を聞いた俺はすぐさま行動に移すことにする。
彼女との距離が近いためか、彼女の顔が近づいてくるだけでドキッとする。
「ちょっ……いきなり大胆だよ?」
そんな事を言ってくる彼女の口を俺は塞いでしまった。
彼女はそんな俺に対して優しく応じてくれる。
ちなみに俺達が唇を重ね合ったことは言うまでもない。
お互いの呼吸を奪い合うかのように舌と唾液で相手の存在を確かめあったのである。
彼女の長い髪を撫でながら俺は彼女から受け取った快楽に身をゆだねる。
そして俺は彼女が満足するまで求め合った。
そんな俺達の事を見ていたドラコは言う。
「うん! ありがとうございます。これではっきりと確認できたよ。
あっちの世界では勇者が召喚されてから1ヶ月半ぐらい経った時だったから。
それを参考にすると、今は多分11月の半ばくらいだから、こちらの世界でも約一ヵ月半ほど前のことになるよ。
それから、今はまだ勇者達も魔王と戦っている頃だからユウトさんの出番はないよ。
だけど、そのうちに必ずユウトさんも呼ばれるからそれまでに鍛えておかないといけないよ。
特に精神面を強くしないと駄目だからね。
これからはユウトさんの事はユウトって呼ばせてもらうね。
それと、ユウトに渡したスキルだけど、あれにはもう一つ意味があるの。
覚えていおいてね。
ユウトの選んだ職業は格闘家よ。
だから、格闘術の扱いにはとても長けていて、しかもそれが他の武器にも応用できること。
それが一番の利点になるの。
もちろん他にもたくさんの長所があるけれどそこは自分で試していくしかないと思うから。
だけどこれだけは約束して欲しいの。
絶対に無理だけはしないで欲しい。
私はいつでもあなたと一緒に戦っているから。
それを忘れずに頑張ろう!」
俺はそんな言葉を耳にしながら考え込んだ。
確かにドラコの言うように俺はまだまだ弱い。
だからこそ俺はもっと強くなる必要があるのだ。
そんな俺に対して彼女は言う。
「大丈夫。あなたには私がついているから」
彼女はそんな風に言ってくれるので俺は自信を持つことができた。
俺が選択した転職先は格闘家だった。
90.
「お前はどんな感じなんだ?」
俺の言葉にドラコは答える。
「ええ、私も勇者と同じです。ただ私の場合は賢者を選んだんです」
俺の言葉に彼女は答える。
俺は勇者に一つだけ聞きたい事ができた。
なので質問することにした。
「お前さ、あいつらに俺を殺さないと自分が殺されるとか言ったんだって?
本当にあんな馬鹿げたセリフ信じてしまったのか?
というよりお前ってばあの勇者を愛せるのか?
正直、俺は今でもお前と勇者の関係って理解できていないんだぞ」
俺の言葉に彼女はこう返事をしてきた。
「うーんそうだね、彼は凄く魅力的。だから私も本当は彼に惚れてしまっているんだと思う。
でもね、これは彼の為でもあるんだよ。彼はもう人間ではないの。
そう、ゾンビなんだよ。
腐敗してしまって動く死体になってしまった。
彼はもう元の彼に戻ることはない。
死人となってしまったの。
そんな彼を救い出すことが出来るのは、その聖剣の力に頼ることしか方法がないの。
彼が生きている内に救うことは出来るかもしれない。
だけど時間が経つにつれてその可能性はどんどんと低くなっていく。
そうなってしまった以上、例え命が尽きる直前であっても、少しでも早く終わらせてしまうべきなの。
そのためだったらたとえ世界中が敵に回ったとしても構わないわ。
それに私が世界を平和に導けば、きっと皆わかってくれるもの」
そう答えてくれた。でも俺は思う。
もし仮に勇者を救うことが出来たとして、果たしてお前の心は救われることができるのか?
勇者の事を考えるのならば、いっそ何もかも諦めるべきじゃないのか?
お前はそれでも勇者を取り戻そうとしている。
お前がそこまでする理由がわからない。
どうして勇者にそれほどまでに執着するのか?
「なぁ、なんでお前はそこまでして」
俺はそう尋ねようとしたのだが、その瞬間にユリセシアは黙ったまま涙を流し始めてしまい、
結局は聞くことができなかった。
彼女の涙の意味が分からない。
こんな時に、ドラコが声を掛けてきた。
「ユウトさん、その話はまた後でゆっくりすればいいんじゃ無いの」
彼女の言葉を受けて俺は自分の意思で口を閉じる。
その後にドラコがユリセシアの頭をなでていた。
ユリセシアは泣き止むとドラコにお礼を言う。
その光景を見て少し羨ましいと感じてしまった。
俺がドラコとユリセシアの仲の良い様子を見ていたら、
「ユリセシア、お前は何故泣いていた?」
そう言いながらユリセシアの元へと歩いていき、目の前に立つとそのまま抱きしめたのだ。
ユリセシアはそんなドラコに対して感謝を伝えると、俺とドラコの二人がかりによる能力の確認が始まった。
まず最初にドラコが俺のステータスを確認した後に、俺の右手を掴むと彼女は俺のステータスを確認する。
その次にドラコが俺のステータスを確認して、最後にドラコが俺のステータスを覗き込むという流れになった。
その最中もユリセシアは俺のステータス画面から目を離そうとはしなかった。
その様子はまるで子どもが玩具に夢中になっているかのようで可愛かった。
91.
まぁそれはともかく無事に確認が終わったので結果報告に移ることにしよう。
その結果は以下の通りとなった。
名前 ユウト 年齢 25歳 性別 男 種族 ヒューマン 身長 170cm 体重 60kg レベル 1 経験値 1/200
HP 150/1500 MP 250/100 攻撃力 750 防御力 710 物理耐性 630 魔法耐性 650 素早さ 600
特殊スキル 全知の魔眼 言語理解 特技 頭突き 性格 寂しん坊
称号 女神の使徒 ハーレムの主 女泣かせ 備考 転生者
職業 格闘家 装備 布の服 サンダル 下着 タオル スライムの指輪 効果 体力自動回復(小)
状態異常回避 解説 主人公。現在はドラコとユリセシアと共に三人で辺境の小さな村にて暮らしている。
「ねぇ、ユウト今日はどんな事をして過ごすの?」
そうユリセシアから言われると俺は考え込んでから
「別に予定は特にないなぁ……」
と答えると
「じゃあさ、私とユウトが出会った記念で森の方へと行きましょう」
と言ってきた。
そこで俺は彼女に言われた通りに出かける事にした。
こうして俺は彼女と二人きりで森の中を散歩することとなった。
二人で歩いているのに、とても静かだった。
彼女の顔を見ていると何故か胸が高鳴ってしまう。
見つめられている事が恥ずかしくなった俺はつい目を背ける。
だが彼女はそんな俺に向かって言う。
「何かあったの?」
と、問い詰めてくるのだった。
だが、俺は特に語ることがないため沈黙を続ける。
彼女は言う。
「もしかして照れているの?」
図星だ。
そして俺は思い切って告白する事を決意する。
彼女は何に驚いているのだろうか。
「いや、あのさ」
俺は何を話せば良いのかわからなかった。
そう言えばこういうときこそドラコが助けてくれるはずなのに、どこに行ったんだ一体。
「どうしたの?」
そんなことを聞かれたので俺は覚悟を決める。
俺がそうやって彼女の手を握りしめれば、彼女は安心してくれたみたいだ。
そうして俺達は恋人同士らしいデートを楽しむために色々と楽しい事をやってみた。
例えば彼女と腕を組んだりキスをしたり、そんな俺に対してユリセシアは楽しそうに対応してくれる。
二人で色々な場所を巡ったりした。
そしてその途中で俺は一つの場所に目を奪われていた。
それはとある花畑だ。
そこに咲いている花はどうやら毒草らしくその花弁の色によって種類を分けているという。
そしてこの世界で紫色の花と言えば危険信号を示すのだと説明を受けた。
俺はその情報をドラコから聞いていたのでかなり恐ろしく感じていた。
まさかドラコはわざとそんな情報を与えてきて俺を怯えさせようとしているのではないか?
と俺は思っていた。

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一ノ瀬 彩音
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