
どんな分け方がいいですか? 努力に応じて?実績に応じて?それとも…【先生、どうか皆の前でほめないで下さい】
こんにちは、らるです。
先日に引き続き、こちらの本から
話をしていきます。
今日は学生たちが
どんな分け方を「公正な分配」と感じているか
です。
あなたはどうでしょう?
まず、こちらの4択を
考えてみてください。
次の4つの選択肢のうち、あなたはどれが最も公正な分配だと思いますか?
①平等分配
②必要性分配
③実績に応じた分配
④努力に応じた分配
3、実績に応じた、と、
4、努力に応じた、は
分かりやすいと思いますが
前の2つがちょっと分かりにくいかも
しれないので、補足をしておきます。
・平等分配=個人差を全て無視、一律に分配
・必要性分配=ニーズが高い人により多く分配
(子供が居る人には多めに手当てを
…のような考え方)
さて、いかがでしょうか。
私自身としては
③の実績に応じた分配、が
公正だろう…という意見ですが
日本人なら
④の努力に応じた分配、が好きそうだなぁ…
なんて思っていました。
さて、まずは、日本人全体としての
データです。
①平等分配:男性5・2%、女性7・5%
②必要性分配:男性9・8%、女性9・1%
③実績に応じた分配:男性30・4%、女性16・6%
④努力に応じた分配:男性51・2%、女性62・2%
私が思っていた通り
④努力に応じた分配、を公正と考える人が
多かったということですね。
男性の③実績に応じた分配 の割合が
30%と比較的高い所を見ても
私自身の感覚は、日本の中ではそれほど
ズレてはいない…ということだったのでしょう。
では、今の大学生はどうか…
実は筆者も大学生を対象としてデータを取ってきた。データは2018年12月から2020年11月までの間で複数回にわたり収集した(対象者:複数の大学における2~4年生および大学院1年生:211名)。
その結果はこうだ。
①平等分配:男性49・0%、女性53・2%
②必要性分配:男性5・9%、女性5・5%
③実績に応じた分配:男性19・6%、女性16・5%
④努力に応じた分配:男性25・5%、女性24・8%
なんと…というか
この本の主旨からすれば
予想通りというか
①平等分配 が半数を占めました。
日本人全体だと
1ケタ%だったので
いかに、今の学生の感覚が
日本人全体とズレているかが
よくわかるデータになっています。
必要かどうかも
実績を挙げたかどうかも
努力をしたかどうかも
いずれも関係なく
ただ、皆同じように分配するのがいい
それが大学生の大部分を占める感覚なんです
これも、前回も紹介した
学生のこの性質を考えれば
納得がいきます。
いい子症候群の若者たちは、とにかく差がつく状況が苦手であり、特に過敏に反応するのが「自分だけが何らかの利益を得る」状態だ。
改めて、私自身と
今の20代の大部分との感覚が
ズレている…ということを肝に銘じました。
この「差が付かないことを好む」性質に
寄り添いながらも、その子たち一人一人の
個性も引き出せる関わり方が
できたらなあ…と、ひとりの人事担当としては
思っているところです。