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「常識」のある人の3条件【論語と算盤】

もしかして、私には常識がないのかも…
と、思い始めています。
らるです。

今日は、渋沢栄一の「論語と算盤」より
「常識」についての話です。

常識…というと
「わかっていて当たり前」のこと
という気もしますが

その一方で
「常識に縛られていてはいけない」とか
「そんなのは過去の常識」といったように
常識は変化していくもの、ですし

常識を振りかざして
それができない人を蔑んだり…
というのも、あまりよくない気がします。

実は、「常識」というのは
完全に得るのは難しいものなんです。

渋沢栄一は、「完全な常識」を得るための
3つの要素
を挙げています。

それは知恵、情愛、意志です。


常識とはどのようなものであろう。これを学問的に解釈すれば、「智、情、意」すなわち知恵と情愛と意志がそれぞれバランスを保って発達し、言動や挙動すべてに中庸を保たせるものである。

渋沢 栄一; 渋澤 健. 超約版 論語と算盤 (p.46). 株式会社ウェッジ. Kindle 版.

知恵、情愛、意志がバランスを保って発達
言動、挙動が中庸を保つ

これが常識だというわけです。

ただ知っていればいい

という話ではないんですね。

知恵は物事を識別する能力だが、善悪や利害を識別する能力に欠けていれば、その人の学識がいかに高くても、宝のもち腐れに終わってしまう。知恵の弊害として、ややもすれば悪巧みにたけ、ごまかしを生み出す場合がある。さらに自己本意で極端に走りがちだ。そこで情愛をうまく塩梅しなければならない。情愛は一つの緩和剤で、人生のことすべてに円満な解決をもたらしてくれる。だが情愛の欠点は、感情に走りすぎることだ。これを抑制するものは、強固なる意志よりほかはない。意志は精神のなかで本源である。これがあれば、人生においては最も強みのある者になる。強い意志をもち、その上で聡明な知恵を加え、これを調節するに情愛をもってする。この三者を適度に発達させていって、初めて完全な常識が得られるのである。

渋沢 栄一; 渋澤 健. 超約版 論語と算盤 (p.46). 株式会社ウェッジ. Kindle 版.

知恵の弊害→悪だくみ、ごまかし→情愛で調整
情愛の弊害→感情に走りすぎる→意志で抑制

こういうバランス感覚になっているんですね。

実は、この知情意の三要素は
『ビジョナリー・カンパニー』を著した
経営学者のジム・コリンズも同じようなことを
指摘している
そうです。

人間として大切なことは
古い時代でも新しい時代でも
東洋でも西洋でも変わらないんですね。


まとめ


「常識」を得るために必要なのは
知恵、情愛、意志 の3つのバランス


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