芸術は儀式から生まれた【儀式論 第6章 芸術と儀式】
儀礼、儀式を推しまくってくるのが
この本なわけですが
この第6章も最初の一文から全開です。
断言していますね。
芸術は、儀式から生まれたんです。
儀礼における狩りの所作の再現
→舞踊・演劇
→音楽・絵画
という流れで
芸術は生まれてきた
というわけです。
また、この芸術を生むエネルギーは
「呪術的儀礼の興奮状態」
からきているとも言っていて
少し、「宗教」的感覚とも
近いかな、という気がします。
…
孔子と『音楽』
孔子は儒教を開き、今でもその教えは
日本で広く受け入れられています。
実はこの孔子が
音楽好きだった…という話が
面白かったので紹介します。
論語にはこう書かれているそうです。
何だか堅そうなイメージのある孔子が
音楽好き…というのは意外ですよね。
そしてこの「音楽」を
「礼」(道徳的な規範)と
組み合わせて、こんな話もしています。
『音楽』は人の心に作用して
人びとを和に導く
『礼』は人の行動に作用して
人びとに節度を与える
こんな風に組み合わせた概念として
孔子は礼と音楽を捉えたんですね。
音楽というのが、
立場も身分も、もっと言えば
国境も超えて人と人をつなぐ力を
もっていること…というのは
古代中国の時代から既に知られ
活用もされていた…ということです。
もちろん、音楽だけでなく
他の芸術も含めて
似たような性質をもっています。
有名なロシアの小説家、トルストイも
「芸術は人々を合一させるという特性をもっている」
と述べています。
普段、社会生活を営んでいると
あまり芸術に触れる機会は
無いかもしれませんが
人と人とをつなぐ意味では
芸術というのが非常に大切だ
…ということを、この章は
教えてくれています。
…
まとめ
芸術の元は儀式である。
儀礼における狩りの所作の再現
→舞踊・演劇
→音楽・絵画
孔子は、音楽と礼を
組み合わせてこう言っていた
音楽は人の心に作用して
人びとを和に導く
礼は人の行動に作用して
人びとに節度を与える
芸術は人々を合一させる
という特性をもっている
のである。
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