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試験で失敗したことで、歴史に名を残す道に進んだ人
こんにちは、らるです。
大学入試の共通テストが
話題になっています。
私も、自身の大学受験のことを思い出して
懐かしい気持ちになっています。
おそらく、
今、大学受験に取り組んでいる方々にとっては
「絶対、合格したい!」という思いが
強いでしょう。
あるいは、
「落ちたら、どうしよう…
落ちたら、全部終わりだ…」
などと、思っている方もいるかもしれません。
確かに、試験の合否は
その後の人生を大きく左右するものです。
ですが、不合格になったからと言って
必ずしも、悪い方向に行くとも
限らないんです。
今日は
教科書に出てくるような人物でも
思い切り試験で失敗していた…というより
失敗したおかげで、教科書に載る功績を残せた
という話を紹介します。
遺伝の法則を見出した、メンデルの話
〝遺伝学の祖〟とも呼ばれるグレゴール・ヨハン・メンデルです。現在のチェコのブルノにあるブルノ神学大学で学んだメンデルですが、司祭としては散々でした。ドイツ系でチェコ語はたどたどしく、臆病で自信がない人物でした。高校の教師になろうとしますが、試験に落第します。自然科学を学び直すべきだと考えたメンデルは修道院側の助けもあってウィーン大学に入学し、生物学を学びます。
ウィーン大学で2年間学んだ後に、メンデルは教師の採用試験を受け直しますが、再び落第してしまいます。
メンデルの遺伝の法則…と言えば
生物の勉強をしたことがある人なら
聞き覚えがあるでしょう。
このメンデルさん
もともとは、教師になろうとしていたんですが
試験に落ちます。しかも、2回も。
ですが、これがきっかけになって
あのエンドウが、丸になるとか、しわになるとか…
の実験が行われたわけです。
メンデルはショックだったでしょうが、遺伝学にとってはメンデルの不合格は福音でした。
失意の中で、メンデルが始めたのはエンドウを植えることです。34品種のエンドウを近くの農家から調達し、交雑実験を繰り返します。「背の高いものと低いものを交雑させたら、中くらいの背丈のエンドウができるのか」「ふたつの対立する形質(背が高いか、低いか)は融合するのか」といった疑問を、実験によって検証しようとしたのです。
メンデルは1857~64年にかけて交雑実験を繰り返し、膨大なデータを入手しました。2万8000の苗木、4万の花、40万近くの種子を育てた結果、さまざまなパターンが見いだされました。
試験で順調に受かって教師になっていたら
きっと、後世でここまで有名になることは
無かったのではないでしょうか。
人生、どうなるかわかりませんね。
人生のキャリアは、結局偶然に左右される
メンデルさんの人生においては
「教師の試験に落ちた」ことから
「遺伝学の大発見」につながったわけですが
こんな風につながるだなんで
誰も予想はできなかったでしょう。
しかし、人生のキャリアというのは
そういう、偶然に左右されるものなんです。
米国のスタンフォード大学のジョン・クランボルツ教授は、多くの人のキャリア形成を調査した結果、キャリアの大部分は偶然の出来事によって決定されているという事実を突き止めました。
大抵、最初に思い描いたとおりにはなりません。
試験の合否だって、その一つです。
ただ、だからと言って
「ただ偶然に任せておけばいいや…」
というスタンスでは、
自分で成功だと思えるキャリアは築けません。
グランボルツ教授は以下のようなことを
言っています。
将来が見通せないことをいたずらに不安がることはない。
①好奇心、②持続性、③楽観性、④柔軟性、⑤リスクを取る姿勢を持って、キャリアを切り拓いていくしなやかさが重要。
上手くいかなかったとしても
もしかすると、それが、より良い道への転機に
なるかもしれません。
そんな風に思っておけば
少しだけ、楽観的になれるのではないでしょうか。