宗教は、健康に良い?【宗教の起源⑧第三章-①】
こんにちは、らるです。
今日からは、宗教の起源の
第三章の話をしていきます。
この、第三章は
宗教が実際に与える利益について
書いてある章なので
とても興味深く読めました。
宗教は何をしてくれるのか?
さて、今日のタイトルでもありますが
宗教は実際に何をしてくれるのか
…というと、
大きく分けて、5つに分類されるそうです。
これらは、それぞれに真実な部分があり
一方で、どれか一つだけが正しい…
というわけでもないようです。
さらに、この5つは3つにグループ化できて
・個人レベルの利益
・社会レベルの利益(上層部の利益
・共同体結束の仕組み
となります。
今日は、個人レベルの利益を
見ていきましょう。
個人レベルの利益として
宗教は
・原始的科学の一形態
・医学的介入の一形態
であるという側面があります。
まずは、「原始的科学」の
方なのですが、これはつまり
宗教は世界に統一された枠組みを与えるもの
であったということです。
これは、どういうことかというと
不安定で、理由のわからないことが
どんどん起こってくるのが世界…というもので
そこに理由をつけるのが宗教だ
これは、おそらく感覚としては
私たちにもわかるものだと思います。
なぜ起こっているのか
さっぱりわからない…となると
人間はとても不安を感じます。
たとえば、急に空が黄色く見えるようになった
…とします。
初めてそれを見た人は
とても怖い思いをするでしょう。
なぜ起こっているかわからないからです。
ですがそこに、
「それは中国からの黄砂の影響で…」と
理由が付けば、ちょっと安心できます。
じゃあ、黄砂に対する対策をすればいいのね
…となるわけです。
昔においては、
特に気候に関しての不安定さが
ずっと問題だったのだそうです。
なぜ起きているかわからず
なおかつ、生活にも直結する問題だったから
ということなのでしょう。
それを宗教で説明していた
というわけです。
予言を行ったり
お守りをつくったりして
自然に立ち向かっていた…ということです。
本当に効果があったのかは
わかりませんが
ただ、恐れおののいてなにもしないより
「こうすれば大丈夫だ!」と信じて
行動していれば、
不安はまぎれて、より活力をもって
生きられたのではないでしょうか。
次は、宗教は健康に良い
という話です。
もちろん、大抵の場合は
いわゆるプラセボ効果です。
一部は、儀式的なものに実際に用いる草が
本当に薬効を持っている場合もあるそうです。
理屈はわからずとも
経験的に効く…というのを見つけだしていた
ということなんでしょうね。
「なんだ、ほとんどプラセボなら
意味ないじゃん…」と
思うかもしれませんが、
この効果が意外と侮れないんです。
プラセボではありますが
「実際に効いているから」です。
宗教の効果を測定した研究を集めた
メタ分析で
12.6万人分のデータを調べたところ
宗教に積極的に関与する人は
一度も教会に行ったことのない人に比べて
追跡期間内の生存率が26%高かった
という結果が出ているそうです。
要は、理屈はどうあれ
宗教は実際に健康に良い
ということなんですね。