11月の読書感想文:《宝石の国》《シャドーハウス》
ドーモ。
先日、《宝石の国》が無料公開されていると聞いて、「じゃあ読んでみるか」つって読んだよ。「(公開期間)3日しかないよ!」と言われたが12巻とかさすがにナメすぎ。K2を1週間で読んだからねこちとら。よゆーですわよゆー。ちなみに余裕ぶっこきすぎて普通に最終日に11巻分読んだのはナイショ。
《宝石の国》 市川春子
◆注意◆
当然ですがこの記事には無料公開されていた分(12巻まで)のありとあらゆるネタバレを含みます。ご注意ください。
◆カラダニキヲツケテネ◆
今回読んだ作品がこちら。
間違えました。《宝石の国》はこちらですね。
なんで間違えたかというと長くなるのだが、主人公がなんてことない幼子から紆余曲折あってもすくすく育って、途中大変な目に遭ったり体の一部をなくしたり一生治せない傷を負ったりして、なんだかんだあって育ての親を破壊しつくして最終的には復讐に燃える闇の戦士になっているところとかが結構似ていると思います。読んでいるときは「この人が何をしたっていうんだ」と思うのも同じだ。《宝石の国》は《ベルセルク》です(彼は狂っていた)。
まず言っておきたいが、(申し訳ないが)紹介されたときは「アニメ見たけどなんも話わからんかったゾ」と思ってスルーしかけていた。しかし有識者に「三国志でいうとまだ黄巾の乱も始まってないから(わからなくて)当然」と言われ、「じゃあ読んでみないと正当な評価とは言えんわな」となり出陣した次第でござい。
最初はフツーにカワイ子ちゃんたちがキャッキャウフフやって、たまに戦争してたまに戦死したりしてるだけなので、「ほーん」って感じで流し読みしていた。が、主人公の中で何かが変わり始めたところで一気にギアが上がっておもろくなっていった記憶があります。三国志でいうと群雄割拠の形勢になったところかな。でも個人的に言うと曹操が献帝を許に迎えたところ辺りで一気に惹きこまれた気がする。三国志で例えないと死ぬのか?死にます。
また途中で飽きずに読み進められたのは、小粋なジョークとおどけたやり取りが心地よかったっていうのが大きいと思います。こうしてみると均整の取れたバランスでできている作品だな。序盤はなんてことない展開が続くが主人公はまだ闇も知らないけなげな石なのでふざけながら話を進めていく、なので読みやすい。影が差し始めてからは普通に話の続きが気になって読み続ける。なんたる作劇のワザマエか!
これもまた申し訳ないのだが、最初は雰囲気と設定だけの作品だと侮っていた。しかし話が展開するにつれ地味に気になっていた(しかし自分で意識できるほどではない)細かーい世界観と設定まわりのあれこれをひょいひょいと拾っていって、ストーリーが盛り上がっていく中見事にもやもやとくすぶっていた疑問が解消していくのがとても気持ちよかったなと後から思い返して思ったりする。「あの時のあれはそういうことだったんだねー!」とか、「これがこうなっていたのってそういう理由があったんだなぁ」と、本当にじんわり気持ちがいい作品だなぁと。
読み終わったときは「まあまあおもろだったな」くらいだったが、一回落ち着いて整理してみると意外と思うところがあったんだなと、これに一番戸惑っているのは俺なんだよね。
公開分しか読んでないからまだ最終話までは読んでいないが、話数が108話でとても好感が持てる。モチーフがはっきりしているだけに首尾一貫しているのはリスペクトできるわよね。
あっそうだ。これは完全にキャラクターが覚えられない僕が悪いのだが、物語終盤でみんなの見た目がちょっと変わって全然誰が誰なのかわかんなくなった。カラーで読ませてくれ~wって感じだな。くしくも今回の感想は2本立てで、ちょうどもう片方の《シャドーハウス》は「カラーじゃなくてモノクロで読ませてくれ~」と思うような作品だぜ。
全部はまだ読んでなくてこれ以上は何も言えねえし、そろそろ次行こう。
《シャドーハウス》 ソウマトウ
(今回買った分で一番当たり障りのない表紙の巻を選びました)
シャドーハウスは単行本で買っていて、連載中作品なので何巻か出たらアマゾンで頼んで空輸してもらっている。僕は日本人じゃないんで、輸入の原文本は書店で買うと定価の2.5倍くらいになってとてもしんどい。送料と関税を払ったほうがまだ安いって寸法だ。一気にまとめ買いするとなおお得だぜ!アマゾンすごい!でも受注生産の商品が在庫不足でキャンセルされるので、受注生産商品はアマゾンで買わないでね(1敗)。
今回買ったのは16巻から18巻だ。まず表紙がとてもキレイで怖い。二律背反だ!マジで絵はキレイなのだが主人公陣に何かあったら気が狂ってしまうためそれを仄めかすようなデザインが実にソワソワさせてくる。たまらねえぜ。
◆注意◆
当然ですがこの記事には今回買った分まで(18巻まで)のありとあらゆるネタバレを含みます。ご注意ください。
◆カラダニキヲツケテネ◆
ここまで読んだヤツならいうまでもないだろうが、相変わらず見開きとか枠外の演出が凝っていてサイコーの気分になれる。話が複雑になってきてダイアログに空間を割く必要も増えてきているが、それでも決めるときはしっかり決めてくれるソウマトウ先生パネェっす。しっかりビビりましたよ今回も。
前回までは大事な仲間が一体化しちまう!止めなきゃ!ってところで終わってたな。そこで止まっていたのもあって18巻表紙で「間に合わなかったんか!?」とハラハラしちゃいましたね。「さすがにケイト様ならいけるだろ」と思いつつも「でもシャドーハウスならワンチャンやるぞ」という不安の種もぬぐえない。なぜなら序盤で普通にガチで人死にが出ているため。
もう箱んなか入っちゃったじゃんどうするんだこれ?と思ったら全然筋肉で耐えてた。マジ?筋肉最強!筋肉最強!筋肉最強!筋肉があれば一体化も免れる。パワー!
ちなみにルイーズ様がヒューム・バーニングになったところはガチでビビりました。でもカッコイイ。暴走形態は無条件で好きだよねオタクはね(主語全体化!)。それにしても本当にかわいい顔をかくのがうまいこの漫画。サイコー!
新顔のガキどもと仲間になるRTA決まったのはよかったし、こんな短い話数の中でしっかりバトルして全員の見せ場作ってお披露目できるのスゲーぜ。読者もみんな救出作戦のほうが気になって長引かせたらいかんというワケかね。スゴイぜ。一難去ってまた一難って言葉が似合いすぎるわれらがケイト様、さすがにさすがにここまで頑張ってきたわけだからもう報われていいだろ!と思うのもつかの間。まだ全然続くらしい。でも話おもろいから許すしかない。早く続き見せろよ。
ケイト様の縁者、勝手に全員死んだよなと決めつけていたがいわれてみれば全然生きていてもおかしくないわけだ。いざ出されてみると「その手があったかぁ~!」ってなるよね。あとここにきて恐るべきミア真実をいきなり開示してくるのやめてもらえないか。読んでいてガチで頭ん中クエスチョンマークでいっぱいになってレアコイル.exeが応答なしになっちまった。
早く続き見せろ!
終
今回のヘッダー画像:タリアンの日誌/Tarrian's Journal