・はじめに
先日、別のサイトから、薬局の内部監査をして欲しいという依頼があり、
記事にしてみようと思い、記載しました。
薬局では、日ごろ聞きなれない言葉かと思いますが、
少しでも業務の参考になればいいかと思います。
・どうして内部監査が必要か?
内部監査とは、組織の内部の人間が行う監査のことで、
業務上の不正の防止や、業務の効率化目的で実施します。
内部監査の意義・目的は以下の通りです。
・組織体の経営目標の効果的な達成に役立つこと
・合法性・合理性の観点から公正かつ独立の立場で実施すること
・客観的意見や助言・勧告をする業務と経営諸活動の支援をすること
になります。
簡単にいうと、薬局の経営状況を確認し、悪いところは是正する
ということです。
昨今、ご存じの通り、薬局の法規制が厳しくなっています。
特に、地域連携薬局・専門医療機関連携薬局が追加になり、
現段階で、この業許可証の更新が1年となっています。
ということは、毎年、行政がチェックすることになります。
薬事でいうと、申請はある程度で何とかなります。
問題は、許可が下りてからの業の維持が一番大変です。
業の維持ということは、記録類がそろっているか
業の運営がうまくいっているかを行政サイドに示さなくては
なりません。
どの業も、それを証明することが大変です。
薬局も、薬機法に定められているほかの業種と近くなってきたな
と感じています。
もちろん、今後、地域連携薬局の取得は、
地域体制加算の一つの要件となると思います。
地域連携薬局も、来年度には、一気に広がることでしょう。
その時に、施設要件を満たしていない場合、
あとで、支払基金に返金をする可能性も出てきます。
そうなった場合に、困るのは、
薬局経営者や管理薬剤師、従業員です。
そうならないよう、
一年に一回、内部監査をし、自分たちで改善点を見つけて、
自主的に改善をするというのが大事かと思います。
経営リスクを減らすためにも、
内部監査で自分の薬局をチェックすることは大事だと思います。
もちろん、自分たちでやれば、甘くなります。
それを防ぐのには、やはり外部から見てもらうのが一番でしょう。
その代わり、コンサル等を使えば、べらぼうな値段になるかと思います。
会社同士であれば営利ですからね・・・・。
・方法
いきなり、内部監査をしろと言われると悩まれるかと思います。
そこで、自分のおすすめとしては、
自己点検表を用いるのがいいと思います。
検索エンジンで、
「自己点検表」で検索をすると色々出てくると思います。
ここで大事なのは、なるべく新しいのを使うことです。
この自己点検表はあくまで一般的な内容のみを含んでいますので、
他にもやるべきことはあります。
・薬局内の定められている掲示物の確認
・通知等で出た対応ができているか?
・下記を含めた記録の保管をしているか?
・教育訓練をしているか?訓練をした後に評価しているか?
(責任役員を含む)
・手順書はしっかり更新できているか?
・冷蔵庫の温度管理ができているか?
・薬局帳簿に上記を含めた記録等しているか?
・未記入薬歴が残ってないか?
薬歴の記載事項が算定要件を満たした内容になっているか?
・高度管理医療機器を持っている場合、継続講習を受けているか?
など
多岐にわたります。
・最後に
今回は、とあるところからテーマをいただけたので
記事にしてみました。
今後、経営もより厳しくなりますし、法規制もより厳しくなります。
先日あった、麻薬の事件も、
社内のガバナンスが効いてない証拠かと思います。
麻薬以外にも向精神薬の紛失も一定量を超えると
行政の届出をする必要があります。
こういった事件は、概ね、内部通報によって、
行政に連絡が行き、薬局にがさ入れに来て、
被害が大きくなることが多いです。
一度こういった記事が載ってしまうと、
あと起こりえるのは倒産もしくは、売却になります。
今回のコロナ下でも薬局の倒産は少なからず起きています。
こうならないためにも、管理薬剤師や経営者の方々には、
危機感を持って業務をしていただければと思います。
一助になれば幸いです。
本日もお読みいただきありがとうございました。