北海道日記(27)
(前回までのあらすじ)気まずいエレベーターに乗りました。
テレビ塔を降りて奥さんと子どもと別れ、一足先にかでる2.7へ向かいました。コンビニでおにぎりを買い、雪まつりの準備を横目に見ながら歩き食いしました。進撃の巨人っぽい雪像を作っていました。
横断歩道の信号待ちできょろきょろしていると、歩いている人に見覚えがありました。でもすぐに名前が出てこず、ひたすら目で追っているうちに先方も僕に気づき、近づいて来て、「どうも、斎藤です。」とご挨拶を受けました。戯曲賞の審査をしていただいた斎藤歩さんでした。去年のアフタートークで面識があったのです。僕もあわてて「藤原です。」とご挨拶しました。斎藤さんも今日観劇されるそうで、会場まで一緒に歩きました。
斎藤さんは稽古にも顔を出されたそうで、会話のテンポのこととか、ラストの仕掛けのこととかを話しました。斎藤さんが「ラストの雨は、前田さんもスタッフも頭を悩ませていて、最後の最後まで微調整を重ねていましたよ。」と言いました。僕は、「はい、なんだか申し訳ない気持ちになりました。」と言いました。斎藤さんは豪快に笑いました。
斎藤さんと一緒に会場入りしました。受付にいたIさんが「え、なんで?」というような顔をしました。まあ、そうだよなと思いました。斎藤さんが「そこで一緒になったんだよ。」と説明してくれました。そして僕は、同じく受付にいた道庁のOさんに、「昨日は大変失礼しました。」とあやまり倒しました。「いえいえ、『O』と記憶してもらえただけでも。」と、どこまでも謙虚なOさんでした。次、何年後かに札幌を訪れる機会があったとしても、Oさんの名前は絶対に思い出すことでしょう。もし忘れてたら、またネタにします。
早めに来たのはいいものの、することがありません。斎藤さんは階段で2階の方に行きました。2階に何があるのか知らなかったので、僕もついてってみようかと思いましたが、斎藤さんに「なんだこいつ、まだついて来るのか。」と思われてもショックなので、1階のロビーでボーッとしました。見かねたIさんが、舞台塾の局長さんをご紹介してくださり、ご挨拶をしました。局長さんが「何度も札幌まで足を運んでくださり、ありがとうございます。」と言ったので、「こちらこそ、何度も呼んでくださり、ありがとうございます。」と言いました。そして再び、ボーッとしました。
よく考えたら、ボーッとするために、早めに小屋入りしたのでした。今日は終演後に、27年度の戯曲賞の授賞式があり、その後、前田さんとアフタートークをするのです。少なからず、緊張していました。
さらに20分くらいボーッとしていたら、見かねたIさんが、今年度の受賞者である、きららの池田さんと、らまのだの南出さんを紹介してくれました。池田さんはご挨拶程度の面識はあったのですが、南出さんは初対面でした。池田さんと南出さんが、名刺を取り出しました。藤原さんは、名刺を持っていませんでした。家に忘れたのです。去年は去年で「株式会社○○ △△部□□課」と肩書きの入った会社の名刺を渡して、渡す人みんなをキョトンとさせたのですが、今年は名刺すら用意してない、社会性のないやつという印象を与えてしまいました。
南出さんはお仕事の関係で、月に一回くらい札幌を訪れているそうです。池田さんは初北海道のようでした。ちょうど同じ日に、幕別で有門さんが富良野グループの公演に出演していて、池田さんが「悪い天気とハシゴできる?」と聞いたら、「車で3〜4時間くらいですかね。」と言われたそうです。無理でした。
その後、池田さんと南出さんが共通の友人の話をしている時に、僕の友人はキョロちゃんと白石しかいないけれど、どう話を展開しようか、と悩んでいたら、話題が次にうつったのでホッとしました。
池田さんも南出さんも気さくに話しかけてくれたので、打ち解けることができました。
次はアフタートークをします。
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