熊本日記(12)
(前回のあらすじ)観劇しました。
会場を後にし、不思議少年のお二人から、近くで熊本っぽいものを食べられるお店を聞いたので探していると、颯爽と去ったはずの山口くんとまた会いました。山口くんも近くでご飯を食べていたようです。なんだか締まらねえな、と思いました。
名前は忘れましたが、居酒屋っぽいお店に入りました。観劇前に少し食べていたので、量はあまりいらなかったけれど、せっかくなので熊本ならではのものが食べたかったのです。馬刺しと辛子蓮根を食べました。美味。
ホテルに戻り、風呂に入り、文字通り一息つきました。
そしてノートパソコンを立ち上げました。気分が高揚していたので、何か書けるんじゃなかろうかと思ったのです。
が、何も書けませんでした。ずっと公演の余韻を反芻していました。これは無理だな、とあきらめ、ツイッターに「熊本なう」的なことを書き、スマホで撮った写真を眺めながら眠りました。
翌朝、8時ごろに目覚めました。何やら演劇の夢を見たのは覚えています。まだ前日の余韻が続いているようです。
昼頃の電車に乗って帰る予定なので、街中をちょっと観光して帰るつもりだったのですが、せっかく持ってきたノートパソコンを無駄にするのが嫌で、チェックアウトの時間まで何か書くことにしました。
モニターを前にし、様々な想いが蘇ります――リュックの大半のスペースを占領したノートパソコン、地面に下ろす際にも、ノートパソコンは精密機械だからと、そっと置いた気遣いの数々、そしてこんな物さえ持って来なければなかったはずの肩こり――それらの苦痛を表現欲求へと変換、キーボードを打つ指先に込め、思いの丈をぶちまけました(主にこの日記の下書きをしました)。
ホテルをチェックアウトすると、まだ雨は降っていました。僕は一度覚えた工程を繰り返すことには長けているので、さすがに迷子になることはなく、来た道を戻り、路面電車に乗り、熊本駅まですんなりとたどり着きました。
気圧のせいか頭痛がし、また三時間電車に揺られて帰るのが面倒に感じられ、新幹線の切符を取ってしまいました。
切符を取ってから、ひょっとしてこの頭痛、コーヒーを飲んでないのが原因じゃなかろうかと気づいたので、近くのチェーンぽい喫茶店に入りました。僕は毎日、結構な量のコーヒーを飲むので、しばらく飲まないと頭痛を起こすのです。ホテルでは朝食の料金をけちって抜いていました。喫茶店の店名はスタバよりも長い感じの英語で読む気になりませんでした。ホットコーヒーを注文し、飲んで10分も経つと頭痛が消えました。体って素直!
新幹線の到着まで時間があったので、妻と子にお土産を買いに行きました。くまモングッズ一択です。キーホルダーと、冷蔵庫に貼りつけるマグネットを購入しました。
あと新幹線の中で駅弁を食べようと、お弁当屋さんを見て回りました。唐揚げ弁当が美味しそうに見えたので、購入しました。
新幹線だと、なんと小倉まで1時間で着きます。ちょっと博多に出る感覚と大して変わりません。来た時の3時間の苦労は何だったのでしょう(それはそれで楽しかったのですが)。
新幹線の改札に切符を投入し、颯爽と通り抜けました。この時、傘をどこかに忘れたことに気づきますが、後の祭りです。
大変楽しい熊本旅行でした。
終わり
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