映画 his が素晴らしかった話
映画 his を観た。
別れた恋人が子供を連れてやってくるという、男性同士のカップルの話。
腐っても腐女子の私は半分くらい邪な気持ちで観に行きました(ごめんなさい)
尊さブチ上がりだった……けどそれだけの映画じゃなかった。
決して(生身の人間に向ける言葉じゃないけど)萌えとかファンタジーのために作られた映画じゃなかった。
観てから本当に心を奪われてしまって、劇場で2回観て、ドラマ版も観て、家ではずっと予告編を流している。恋かな、、
1回目は、ただただ主演のふたりに心を奪われました。予想以上の破壊力だった。
「この人じゃなきゃダメだ」
彼らにはお互いがそういう存在なんだな、ってふたりの目線から、空気感からビシビシ伝わってきた。
宮沢氷魚くんのお顔だけ知ってはいたけど、動いてる迅の空気感やハッとさせる透明感。すごい。
藤原季節くんも、渚の人生を完全にまとってた。迅を振り回す渚だけど、あのふたりの関係を灼きつくようなものにしているのは渚の熱さなんだと思った。
ああ、渚が好きで、ずっと忘れられなくて、手や耳が真っ赤な迅くんが最高でした。。
もうあの赤さで、どんだけ好きなんだよ!!ってわかってしまったなぁ。。
渚も、迅くんにめっちゃ心を許してるんだね、だからこんなに振り回すんだね、ということがわかってしまって。。
そんなふたりの関係にひとしきり感動したあと観た2回目、この映画のメッセージみたいなものを受け取った気がして、涙が止まらなかった。
愛ってぜんぶ地続きなんだなって。
男性同士や女性同士の愛も、男女の愛も、親の愛も子の愛も、同じ地域に暮らす人の愛も。
この映画が描いているのはふたりの世界だけじゃなくて、渚には子どもがいて、その子はまわりの大人たちと接する中で育っていく。
たとえ自分の子供じゃなくても、人は何かを伝えられる。
愛は人を育てるんだな。
そう思ったら泣いた。。
生産性がないとか、何も生まないとか、ましてやだからこそ純愛だとかは、絶対に違う。
そういう心ない言葉を軽く飛び越えていくような答えにも感じた。
仲良くすること、特別に思うこと、ごめんなさいが言えること、そういう「愛」がすごくフラットだったなぁ。
そして「カミングアウト」って言うと何か特別なことのように聞こえるけど、親しくなった人に自分のこと話したくなるのは人間として当然だよね。
自分のことを話していくなかで、言いたくなるし、でもセクシャリティとか愛だとかって自分のいちばん柔らかいところというか、自分をいちばんむき出しにするところだから、否定されたら立ち直れない。
私もほんとはバイセクシャルだけど、あんまり言わない。秘密にしてるわけじゃないけど。
わざわざ言うことじゃないのかもしれない。
でもこの映画みたいに、フラットに話せるようになったらいいな。
同性愛がファンタジーじゃなく、特殊な人たちじゃなく、ときには子供を持つことだってあるし、親権を争うことだってあるような世界に。
親権争うのはとてもつらそうだったけど、、
生きてたらいろいろあるよね。同性愛者だって異性愛者だって。
もはや同性でも異性でもどっちでもいいんだよ。
みんなが自分らしく幸せに生きていければ。
そういうメッセージを感じられた、温かくて素晴らしい映画でした、"his"。
まだ劇場でやっているところもあるので、ぜひ!!!