自由になるまでの23年間の話
私は家族と仲がいい方だと思っている。でも実家が好きかと言われるとそんなことはない。両親は好きだ。たまには喧嘩もするけどまあ仲良くやってる方だと思う。問題は同居している祖父母の方だ。
こういう言い方をすると悲劇の主人公ぽくなってしまうけれど、昔から私は誰かしらと差をつけられてきた気がする。私がまだ小学生だった時、夏休みとか長期連休になると一つ上の従姉妹が家に来ることが多くなった。初めは一緒に遊べることが嬉しくて楽しみでしかたなかった気がする。でもだんだんと私と従姉妹で差をつけられてると感じ、また明日も来るのかと思ってしまうようになった。今ではほとんど彼女の前に姿を出すことはしなくなった。祖母は私と従姉妹で差をつける人だった。
祖父の方は私と妹で差をつけた。妹の誕生日は覚えているのに私の誕生日については一つも覚えていないとか、家族で夕ご飯を食べる時にテレビのチャンネル権を妹だけに渡すとか、思い出すときりがないくらいある。今思えば小さなことばかりだが当時の私にはそれがとても嫌でその空間にいるのが苦しくなるほどだった。ちょうど一年前くらいに祖父と喧嘩をして今ではほとんど口を聞いていない。
私にも原因はあるけどもう家にいるのが耐えられなくなってきた。そんな時仕事のことをきっかけに実家を出ようと思うと両親に伝えた。その時父親から辛い思いをさせてしまったなと言われ少し泣きそうになった。話を聞くと父親も昔祖父母(父親にとっての祖父母)から差をつけられた経験があるらしい。私はその話を聞いた時、同じような経験があって自分の気持ちをわかってくれる人がいるだけでこんなにも気持ちが軽くなるのかと思った。私が苦手な祖父母は父親にとっては家族だから私もなるべく非難するような言い方はしたくない。でも嫌なものは嫌なので距離を取ってうまく付き合っていかないといけない。
実家での暮らしは楽しいこともたくさんあったけど、息苦しいなって思いもたくさんしてきた。そんな実家から抜け出して私は一人で生活することを決めた。23年目にしてやっと自由を手に入れる。もし私が結婚して子供ができたり孫ができたりしても同じ経験をさせたくないなと思う。自分がされて嫌なことを相手にはしない。そんな当たり前のことができる人になりたい。