第2回 活動共有会のご報告
こんにちは。題のとおり報告していきたいと思います。
11月5日(火)の夜21:00から行いました。
今回は平日の夜としてみましたが、参加者がある程度集まるまでに時間を要しました(リマインドすればよかった…?)ので、なるべく多くの方が集まれる日に設定できたらいいなと思っています。
文化祭での取り組み
はじめに元代表のFRLPさんから、文化祭での取り組みについて発表いただきました。
らららららさんに変わりまして、私の学校での文化祭でのデジタルな取り組みについてTRANsの元管理者・FRLPがお送りします。
文化祭のWebサイトを作成したい
高校入って以来の私の夢として、文化祭のWebサイトを作成したい、というものがありました。幸い、この突然の話に乗ってくれるいい友人がおりまして、このWebサイト計画はスタートしました。
さて、簡単に文化祭のWebサイトを作成すると言っても、越えなければならないハードルは大きいです。
先生方に納得していただく
責任の所在を明確にする
後ろ指のさされないWebサイトづくり
期日までに間に合わせる …etc
これらをどのように乗り越えたか、備忘録のようではありますが書き残しておきたいと思います。
様々な課題の解決
学校においては、その性質上このようなプロジェクトを進めていく上では、まず先生方にご協力いただくことが不可欠です。ここには以下のような条件が絡んできます。
・サイトを作成するのに十分な魅力があること
・プロジェクトの実現可能性を示すこと
・理解のある先生がいらっしゃること
上2つは先生方に提出した企画書に記載しました。
企画書では、「現状」として
▼パンフレットを手に入れられない入場者がいる
▼新しい風を取り入れることができる、ことを指摘した上で、
「メリット」として、
▼パンフレットのような数の制限がない
▼パンフレットより多くの種類の情報を掲載できる
▼情報を視覚的に分かりやすく整理できる、などをあげました。
その上で、「デメリット」も示すことでより説得力のある企画書に仕上げました。
プロジェクトの実現可能性という点においては、企画書の段階で方針を具体的にしておくことに重きを置きました。企画書には下のような機能を実装する予定であることを明記しました。
各企画のページ
校内マップ
タイムテーブル
落とし物ポータル
また安全性及び責任問題に関しては一層の配慮が必要です。安全性では信頼できるサービスを用いて、情報流出などのセキュリティリスクを極限までゼロにすることが考えられます。当初の計画ではサイト運用に独自ドメインを用いてCloudflare Pagesを利用する予定でしたので、Cloudflareの安全性をいかにして示すかについては企画書提出前に検討を重ねました(この議論をTRANsなどに持ち込んだ結果生まれたのがnakasyouさんによる記事です)。
また、責任問題も大きな課題です。著作権や肖像権の侵害はあってはなりません。特に顔写真や名前など、個人を特定できる可能性のある情報の公開はゼロにする必要があります。事前に先生方に内容を審査していただくことでこの問題はある程度解決できます。
このように内容を固めた上で、企画書を先生方に提出し、内容を検討していただきました。その結果、以下のような指摘をいただきました。
◯リアルタイムな機能の実装は不可能
いかなる内容も先生方の審査を必要とすることで内容の安全性を担保する。そのため、落とし物ポータルのようなリアルタイムなものは不可能である。
◯Cloudflare Pages及び独自ドメインの必然性がない
管理は先生方に委任されるため、学校のHPに特設ページとして設置するので十分ではないだろうか。
非常に重大なポイントです。生徒のみで考えて見逃していたら大きな問題につながっていた可能性があります。そのため、理解のある先生の存在は大切なのです。
いただいた指摘を検討・加味した上で、企画書を再提出し、この企画は通過しました。
このような企画においては、企画書が通った時点で(生徒の)仕事は半分以上終了です。
あとは、Webサイトを作成して先生方にチェックしていただくだけですから(逆に、基本的に職員室での交渉は先生方にお任せしてしまったので、先生方にとってはここからがおそらく大変だったことと思っています。感謝しかありません)。
Webサイトの作成を効率的にするため、プロジェクトのまとめ役(前述のいい友人、じつは生徒会の重要ポストで企画書の作成はこの方)とWebサイトのコーディング(私)とデザインは分担しました。このような選択は悩ましいことではあります。
「船頭多くして船山に登る」。関わる人がある程度より多いと、プロジェクトは進捗しなくなります。が、この選択についていえば(今になってから改めて考えると)正解だったと言えます。クオリティを高められた理由はここに帰結します。
Webサイトを作成後、先生方に提出して修正をいただくことを重ねました。このプロセスを経るうちに、重大なミスを犯していたことが判明しました。Webサイトの作成にはAstroというフレームワークなどを用いていたのですが、そのことを先生方に報告していなかったのです。ひとえに報連相の不足です。AstroはMITライセンスと呼ばれるものに準じており、使用した場合は明記が必要なものになります。このため、Webサイトにも明記を行ったのですが、果たしてこれが信頼なるものなのか、Cloudflareではあそこまで検討していたのに、こちらはしなかったのです。
結果的に、この問題は生徒には解決不可能ということで、担当してくださった先生にお願いして先生方に理解いただく形になりました。大変ご迷惑をおかけしてしまったと思います。
結果的に前々日と直前にはなってしまいましたが、無事公開することができました。
他にもいろいろ
デジタル技術の活用は、Webサイト作成に留まりません。今年度は、従来紙で行っていたクラス企画への投票をデジタル化しました。しかし、単純にGoogleフォーム等で作ってしまうと様々な課題があります。
◯単純に使いにくい
様々な方が使用します。ボタンの小さいGoogleフォームは用途的に向きません。
◯単一投票と秘密投票を同時に担保できない
Google Formsとなると、QRコードを貼り付けることになるのでしょうか。一人何回でも投票できますよね?個人情報につながるメールアドレスを収集するわけにもいきません。ではGoogle Formsを表示した端末を置いて、何度も投票しないように見張っていればいいでしょうか。これでは秘密投票を担保できません。
ということで、こちらも作成しました。構成をシンプルにいうと、クラス番号を画面に大きく表示した端末を設置します。利用者がぽちぽちして投票を送信すると記録され、投票端末は操作できなくなります。利用者が立ち退いたのち、近くに座っている生徒会の担当者が遠隔で投票画面をリセットし、また投票できるようになります。これにより、上にあげたような課題をある程度解決しました。
また、こちらは生徒会ではありませんが、自クラス向けにファストパスも作成しました。ファストパスにはそれぞれQRコードが紐づけられており、スキャンすると正当なファストパスであることを証明できます。同じような仕組みで整理券も作成し、番号に対応した待ち時間がわかるようにしました。が、これらは使いませんでした(回転率が良すぎて使うまでもなかった)。
引き継ぎ問題
引き継ぎの問題は未解決です。現在の予定では、今の1年生になんにんかいるプログラミングできる子を引き抜いて引き継ぐつもりですが…。
Webサイトの作成には(基本的には)JavaScriptやTypeScriptといった言語の知識が必要になってくるわけですが、なぜかこれらの言語はPythonやC++といった言語をやってる学生に比べて出会いにくい…不思議ですね。
私の〆
ちなみに、TRANsの現管理者はクラスむけに予約システムを作成されたようです。オープンソースにしてくださっているので、よろしければチェックしてみてください!
私が作成したものもオープンソースにするかも…?
以上、画像等全然なくて申し訳ないですが、紹介させていただきました!
ありがとうございます。技術面は圧倒的にすごいんですが、実現する段取りや先生方との報連相といったところは、おおむね同じだなあと感じました。
読者の皆さん、ぜひ参考にしてみてくださいね。
東京都立学校 文化祭サイト…
文化祭のサイトを作りたかったんですが、都の規則で公開が間に合わなかったそうです。残念!
ガイドラインが気になりますね。教育委員会のページとかで探したら見つかったりするでしょうか。このガイドラインに即しているかの確認にとっても時間がかかってしまうそうです… ネットってつらい…
資料として企画書をいただきましたので、掲載しておきます。ありがとうございます! 無許可で複製・再配布等行わないようにお願いします。
その他、いただいた話
長岡高専 学生寮
自転車貸し出しや、部屋貸しの予約をネットでもできるようにしよう!って動きがあるみたいです。帰省(外泊)届や、欠食届などは先輩の働きかけでネットでできるようになったんだとか。
実現する日は近そうですね。また経過や完成時にはTRANsで報告していただきたいものです。
JSDAO (Japan Student DAO)
以下のような記事について口頭でも説明・共有(・勧誘?!)がありました!
まとめ
今回は、秋終わりということもあり文化祭についての報告がありました。
(わが校では6月なので、私の感覚とは少しずれますが…。)
企画を学校で実現するうえで、先生方との交渉などを通じて成功した例、うまくいかなかった例がともに一つずつ上がりました。
完成までの道のりを可視化し、確認しておくことが大切だと感じます。
何事もゴールから逆算です。ゴールをイメージできないものはなかなかうまくいかないでしょう。 そんなことを感じる会となりました。
次回は12月か、年内にもう一度開催したいと思っています。
ぜひ、TRANsのDiscordにご参加ください!
お待ちしています。
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