鳥かごの鍵 5
私は顔を洗い冷静になった、
「私何してるんだろ!彼がいるのに!」
と大きな声で独り言を言って洗濯を始めた、
お休みの日はいつもシーツを洗濯する。
私は洗濯を終え、ベランダにシーツを干して、
「月」からのメールに返信するか考えていた。
このままメールを続けていいのかな?
彼を裏切っている訳じゃないし、
男友達とメールしているだけだもん!
悪いことはしていない!
と自分に言い聞かせる、
でもなぜか心の中には罪悪感がある。
彼がもし私以外の女の人とメールのやりとりをしていたら、
私はきっと良い気分ではない、
私は彼を裏切っているの?
家にいても、もやもやするだけなので、
私は買い物に行くことにした。
近所のスーパーでパンや洗剤など足りない物を買いに行く。
平日の昼間のスーパーは年配の女性や主婦が多い。
買い物をしていると彼からLINEが来た、
「今夜こそ仕事が早く終わるから家に行っていい?」
「うん、いいよ、今、買い物に来てるから夜ごはん何か作ろうか?」
罪悪感があるからなのか、
彼にいつもより優しくしている自分がいる。
「ありがとう、でもいいよ面倒でしょ?
お弁当買って6時に家に行くよ。」
「わかった、楽しみにしてる。」
私は返信をして、お弁当だけじゃ寂しいと思い、
サラダでも作ろうと、
野菜とトマトと生ハムを買った。
買い物を終えて家に帰り、
部屋の掃除をして彼を待つ。
彼が来る前に「月」にメールを送った、
「昨日は寝ちゃったみたいでごめん!
ぜひまたお話ししたいな 星より」
メッセージを送ったあと私はまた罪悪感を感じた。
私は綺麗になった部屋から外を眺めていた、
お隣の大きな白い家の奥さんが庭の木に水をあげている。
庭にあるカラフルな風車がくるくる回っていた。
私はしばらくの間それを見ていた。
彼は6時少し過ぎに家に来た、
「このお弁当人気があるんだって、会社の女の子が言ってたから、
買ってみた!」
彼は笑顔でお弁当を見せて来た。
「わ~おいしそう!ありがとう。
そーそー、サラダ作ったんだ、食べるでしょ?」
「うん、食べる。
ねー何かいいことあったの?」
「えっなんで?」
「なんか楽しそうだから!」
「いつもと同じだよ。」
彼は勘が良い。
私の些細な変化に良く気が付く。
「さっ!お弁当食べよう、
お腹すいちゃったよ。ワインもあるよ。」
話しをはぐらかすようにワインを開けた。
私達はワインを飲みながらお弁当とサラダを食べた。
つづく
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