心の奥(世界と私52)
南さんは娘をお母さんに預けに行き、
私は本来の目的だったスーパーに行った。
1時間後に駅で待ち合わせをしたけど、
私の買い物は早く終わり・・・
と言うか、これから飲みに行くのに、
冷蔵が必要な物は買えなかった。
私はロータリのベンチに座り、
夏の空を見ていると、
南さんが来た。
「お待たせ!」
良いお店があると言って駅の近くのお店を案内してくれた。
多国籍料理のお店で、
すべてが個室になっている、
綺麗なお店だった。
まだ。16時と言うこともあり、
お客さんは私たちだけだった。
「じゃまずビールで乾杯でもしよう!」
そう言って南さんは笑った。
「このセリフ昭和っぽいね!」
南さんはイギリスでのおもしろ話しや、
旅行でフランスやスペインに行った話し、
仕事の話しなどを話してくれた。
「ごめん私ばっかり話してて!」
「いえいえ、私は同じ日々の繰り返しで、
おもしろい話しなんてないから・・・」
「同じ日々の繰り返しか・・・
それはそれで幸せなことだよね。」
「そうですよね・・・
幸せなことだって頭ではわかっていても、
心が満足していなくて・・・」
「満足していないなら、
自分の足で1歩前に進まないと!
そこからは抜け出せない。
今の時代って年齢も性別も関係の無い時代じゃない、
やりたいこと見つけてチャレンジするなら今だよ!」
私は南さんと話していたら、
心の奥にしまい込んで忘れてしまった何かを思い出しそうになった。
でもそれが何かはわからなかった。
つづく
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