やっと最終回(世界と私60)
私はウユニ塩湖で色々なことを考えた。
世界とは家族とは私とはいったいなんだろう?
祐一のことは好きだった、
それは人間の本能としての愛、
肉体の満足、心の満足を得る為の結婚。
結婚に後悔は無い、
祐一はいつも優しく私を愛してくれて、
子育てを経験して私はだいぶ成長できた。
でも私の心の深い所は違う物を求めていた。
私の失われた身体の一部。
幼いころから心の奥の何かが足りない気がしていた、
いつも満たされない感覚があった。
不倫をしてセックスに溺れたり、
結婚して愛をもらっても満たされなかった。
その満たされない心が南さんと一緒にいると、
満たされる。
私はウユニ塩湖でそのことに気が付いた。
ウユニ塩湖で私たちは自然と手を繋いだ、
その時にすべてのパズルのピースがそろったような、
心のわだかまりがすべて落ちて行ったような、
スッキリとした感覚になった。
それは私だけではなく、南さんも同じ感覚だったようだ。
祐一とは今でも週末は会っていて、
たまに2人で旅行にも行く、
私たちの思い出の場所、
ジョナサンの海に行くこともたまにある。
娘は2人とも結婚して新しい家庭を作っている。
過去を振り返ると大変なことはたくさんあった、
でも私は運命に従い試練を乗り越え、
良い方向に進んで来ている。
これが私の人生、先はまだ長い、
私は私らしく、本当の私で生きて行く。
世界は常に変化している、
その変化の波に上手く乗って、
止まることなく進んで行きたい。
これからが私の人生の始まり、
私はこの満たされた心で止まることなく、
運命と共に歩んでいく。
おわり
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