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運命と私 31

「この前はごめん。
おしゃれな格好で男に会いに行くと思ったら、
悔しい気持ちになって、
ヤキモチなんて女々しい男だよな、
川崎と離れて、俺にとって川崎は大きな存在だったって気が付いたんだ。
このままあいつと愛の無い暮らしをしてくのかと思うと、
不安になって、こんなメールごめん。
また返事はくれないんだろ?
自分がこんなに弱い人間だったなんて・・・
歳のせいかもしれないな。ごめん、おやすみ。」

江藤からの長文に悲しい気持ちになった。

結婚ってなんだろう?
幸せになる為の結婚なのか?
相手を縛る為の契約なのか?

私の中に複雑な思いが浮かんで来た。

「こんばんは。
この前はびっくりしました。
あんな強引な江藤さん見たことなかったから。
私も正直まだ江藤が忘れられません。
でも奥さんのことを考えると、
このままの関係を続けることは出来ません。
たまには飲みに行って愚痴ぐらい・・・・・」

私はここまで返信を書いて我に返った。
ここでメールを返したら、
ズルズルと関係が続いてしまう。

私はすべてを消して布団に入った。

私には北沢がいる。まだ付き合って無いけど・・・
江藤のことは考えない。

それからも眠ることは出来ず、
気が付くと外は明るくなっていた。

私は北沢と江藤の間で揺れていた。

どんなに考えても答えの出ない悩みに日々翻弄されていると、
あっという間に週末になった。

金曜日の夜に北沢からメールが来た。

「明日は天気が良いみたいで良かったです、
でも寒いから厚着して来て下さいね。」

「はい、厚着して行きますね、明日が楽しみで眠れません!」

「僕も明日が楽しみで夜しか眠れません。笑」

「寝てるじゃないですか!」

「あはは、そうですね!」

私たちは昔からの知り合いのように仲良くなっていた。


つづく


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