悩み(世界と私31)

私はキッチンに行って、
冷蔵庫を開けて黄桃の入ったタッパーを出した。

妊娠してから、
なぜか黄桃ばかり食べていた。

黄桃を食べながら、
江藤のことを思い出した。

江藤の奥さんが妊娠してるとわかった時、
私はその場にいることが出来なくて、
1人トイレで泣いていた。

南さんもまさか・・・

まさかね・・・


私は明日からの仕事のことを考えていた。

この体調で仕事にいけるのか?
無理に出社してもみんなに迷惑をかけてしまうし、
休んでも迷惑になってしまう。

そんなことを考えていると、
南さんから電話がかかって来た。

「もしもし・・・」

「もしもし、今大丈夫?」

「はい、大丈夫です。」

「話しがあるんだけど、
明日家に行ってもいい?」

「えっ!」

「だってその体調じゃ外に出れないでしょ!」

「はい・・・」

「何か食べたいものある?」

「えっ?食べたい物?」

「明日買って行くよ。」

「食欲ないので、いらないですよ。」

「甘い物なら食べれるでしょ?」

「はい・・・」

「じゃ明日の14時ごろ行くね!」

「わかりました。」

私は電話を切ってから急いで部屋を片付けはじめた。


つづく


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